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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.12.23
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カテゴリ: 社会・政治・時事

 そのタイトルにとても興味を引かれた。
 ところが、その後本屋さんでは全く見かけることがなくなり、
 今回、ネットで発注して、ようやく手元に届いた次第。

 結論から言うと、タイトルからイメージしていたものとは、格が違った。
 その広がり、奥行き、深みと、全ての面で期待を大きく上回る一冊。
 臨床心理士として、きちんと精神分析学的基盤の上に立ちながら、
 日本国内だけでなく、海外と比較しながら展開する記述が、本物を感じさせる。

特に、私自身が、学生時代、フロイトやユングに大いなる関心を寄せ、
『ローマ人の物語』 を読書中なことも手伝って、
精神分析に関わる記述や、イタリアやガリアの地の記述については、
とても興味深く読み進めることが出来た。

   ***

それでは、まず、他国と照らし合わせ、日本という国の特徴を明らかにした部分をご紹介。

  前述の「韓流ブーム」にしても、
  一歩間違うと子どもの教育に問題が生じそうなアニメの
  「終末ゴールデンタイムでの堂々放映」にしても、
  日本という国は、欧米諸国がある意味手に負えない、本当に曖昧な国である。
  そして、この「曖昧さ」こそが、母性社会の本質でもあるのだ。(p.164)

キーワードは「曖昧さ」と「母性社会」。


  日本においては、プロとアマチュアの境が曖昧であり、
  高級ブランド志向に見られたように裕福な人と小市民との境も曖昧であるなど、
  様々な境が曖昧なのである。
  こうして、プロとアマチュア、さらにずぶの素人の境までも、どんどん曖昧になっていく。(中略)
  つまり、ここには日本人の文化的無意識に、万能感が潜在する要因が見て取れる。

  こうした大衆の力を総動員した、日本の国力に寄与するシステムを
  企業戦士たちは、意識的無意識的に選択し始めているのかもしれない。(p.169)

この部分のキーワードも「曖昧さ」。
これこそが現代日本の一大特徴である。(AKBの大ブームなどは、まさにそれ)
そして、この「曖昧さ」の中に、著者は日本の大衆の力を認識し、
それが今後、江戸時代の頃のように花開くことを期待しているのである。

  西洋の文化を「知の文化」、日本の文化を「型の文化」として論じた鹿毛誠一は、
  「デジタル的数式的な西洋の『知の文化』」に対し、
  「アナログ的ソロバン的である日本文化を『型の文化』」といった。
  「西欧的な技能習得は、先ず教えそれを理解させてから始まる。
   その習得は、やり方が分かればできるレベルの科学技術的な技能がめざされている。
   日本的な芸能の稽古は、分かっていてもそうはなかなかできない技が眼目である。
   前者は習い覚えるためになろうが、
   後者では、覚えたことが身について忘れられるための稽古である」と、述べている。(p.166) 

教育のめざすところを考えるうえでも、大いに示唆に富んだ一文。
予め用意された答えだけをはじき出せる人間だけを求めるのか、
それとも、それを越えたところに達することが出来る人間を輩出することを求めるのか。
そして著者は、装飾系男子も、この「型の文化」の表出の一つだとする。

   ***

続いては、本著のテーマ、核心に迫る部分についてご紹介。

  昨今、この「母性社会日本」において、さらに母性に濃厚に育まれた青年たちは、
  「世界と結び合っている」という女性的感覚を、様々な状況で表出している。
  彼らは、前述のようにこれまでの日本人男性に内在してきた
  「他者との対立感覚を極力避けようとするような傾向」
  「他との一体感を無意識的に求める傾向」、
  それによって無意識的に「場の倫理」が優先される
  母性社会的在り方を保持しているだけでなく、
  女性の生物物学的素因であるところの
  「世界と結び合っている」という感覚さえ表出するようになってきている。
  母性社会において、さらに濃密な母性に育まれるということは、
  このような男性を生み出す社会を創出するのだろうか。(中略)
  このような中、特に若者男子は女性化し、
  そしてトイレでヘアメイクをするほどに「おうち」と「そと」の感覚が曖昧になり、
  「分離した自己感覚」とは対極にある「自他の一体感」を、
  その無意識的行動により表出し始めている(p.49)

このあたりが、「なぜ今どきの男子は眉を整えるのか」という
本著タイトルへの回答ということになる。
そして、その視点は、日本の社会や文化を見詰めるものへと展開していく。

  しかし、長い歴史の中で育まれた文化的心理には、
  人々の心をつなぎ合わせる役割も内在していた。
  それが、西欧の価値観、
  特に戦後、西洋の価値観をより先鋭化したアメリカの価値観の流入により、
  意識の表層ばかりが大きく個人主義的に傾斜していった。
  それによって、それまでの日本人特有の文化的意識は、抑圧されてしまった。
  現代人は、帰属感の薄れ、そして自己中心的という現象がある一方で、
  甘え、依存心も強いと指摘されているが、
  これは、まさにアメリカ的思考に乗って日本文化に根ざした文化的無意識が、
  無意識的に表出しているための現象であろう。
  抑圧された文化的意識は、文化的無意識となり、それがさまざまな現象を起こし始めている。
  装飾系男子の出現も、その現象のひとつかもしれない。
  であるとすれば前に触れた「ひきこもり」「不登校」という現象もそのひとつになるだろう。
  つまりは集団ヒステリー現象である。(p.134)

こうやって「無意識」とか「抑圧」、「集団ヒステリー」などのワードが用いられると、
「精神分析だなぁ」としみじみと感じてしまう。

   ***

その他、諸々の部分で印象に残ったのは、次のようなところ。

  オランダ人ジャーナリストであり世界的ベストセラーである
  『日本 権力構造の謎』(早川書房)の著者カレル・ヴァン・ウォルフレンも、
  日本で働いた経験のある外国人経営者から
  「日本人がよく働くというのは神話にすぎない。
   多くの日本人は、勤務時間が長いことを勤勉だと錯覚している」
  と聞かされると述べている。(p.35)

これには、まさに目から鱗が落ちる思いであった。
働く日本人の意識、本音をズバリ衝いている。

  正しいことを早急に取り入れ、社会を正常化していくことは、
  一見理想的な道であるかのようである。
  しかし、あまりにも急速な変化は、危険もはらむ。
  なぜなら、ある時代において正しいことは、「真理」という壮大な概念から見れば、
  往々にしてはずれた道であることは、歴史が十分に示してきているからである。(p.132)

しかし、人間は学ばない。
幾度となく同じ失敗を繰り返す。
残念……





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Last updated  2011.12.23 16:29:30 コメントを書く
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