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2014.07.21
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カテゴリ: 社会・政治・時事
昨年の9月以来 、実に9か月ぶりに内田先生の作品を読書。
 その間、 空白の4か月余 があって、その後読書を再開して3か月余で、
 やっと、内田先生の作品も読める程度になったことは、
 自分にとって、大いに感慨深いものがありました。

 いつもの通り、読み終えると、付箋だらけになってしまいましたが、
 本当は、全ての頁に付箋を貼っておきたいところがあるくらい、
 色々と感じさせられたり、考えさせられたり、思わされた一冊でした。


   ***

付箋を貼ったところは、次のようなところです。

  これまでも繰り返し書いているように、正義を一気に全社会的に実現する運動は
  必ず粛正か強制収容所かその両方を採用するようになる。
  歴史はこの教訓に今のところ一つも例外がないことを教えている。(p.22)

一人一人違うはずの人間に、一つのことだけを正しいものとして、
全員に受け入れさせることは、絶対にできないということでしょうか。
その絶対にできないはずのことを実現しようとすると、こうなってしまうということ。

  「私はどのような手だてによっても癒されることのない深い傷を負っている」と言う宣言は、
  たしかにまわりの人々を絶句させるし、
  「容疑者」に対するさまざまな「権利回復要求」を正当化するだろう。

  自己呪縛の代償として獲得されたものなのである。
  「自分自身にかけた呪い」の強さを人々はあまりに軽んじている。(p.96)

これは、現代社会において、世界中のあちこちで見られる様相だと感じました。
結局、自分で自分の首を絞めることになってしまう……。

  道徳律というのはわかりやすいものである。

  愉快に暮らしていけるような人間になると言うことに尽くされる。
  それが自分に祝福を贈るということである。(p.153)

「自分のような人間」だけで構成されている世界、一体どんな感じなんでしょうかね?
私はそこで暮らしていけるとは思いますが、愉快かと聞かれると「どうかな……」です。

  常識の表明はつねにこのように「うまくいえないけれど」「論拠を示せないけれど」
  「どうして自分がそのように考えるに至ったのか理路を明らかにできないけれど」という
  無数の「けれど」に媒介されて行われる。
  この危うさが常識の手柄なのである。(p.166)

人間が存在する上で絶対に必要なものであっても、
その全てを説明できるわけではない、ということでしょうか。
それは、理屈で理解できるというよりも、そうだと強く感じることができるもののことでしょう。

  「日本の問題」とされるもののうちかなりの部分は
  「日本に固有の地政学的地位及び地理学的位置および人口数」の関数である。
  ということは、日本とそれらの条件をまったく同じにする他国と比較する以外に、
  私たちが採択している「問題解決の仕方」が適切であるかどうかは検証できないのである。
  「日本と地政学的地位も地理学的位置も人口数も違う国」で採用したソリューションの
  成功と比較することにはほとんど意味がない。(p.243)

これは内田先生が仰る通り。私には何の異論もございません。
でも、そのことに気付かず(知っていても無視して)、
色々と話をされる方たちが、何と多いことか!

  「人間の尺度を超えたもの」は定義上人間の使える計測機器では検知できません。
  ですから、それらについてエビデンスを示すことができない。
  だから存在しないことにする。
  そういう簡単なロジックで僕たちの社会から
  「人間の尺度を超えたもの」のための場所は一掃されてしまいました。(p.329)

これも、言われてみれば、本当に「その通り」なんですよね。
人間が、自分の既得の枠組みにいかに捕らわれてしまっているか、
それを打ち破ることが、いかに難しいかと言うことでしょう。

その他に、「裁判員制度は大丈夫?」「そのうち役に立つかも」「ミラーニューロンと幽体離脱」
「新学期のご挨拶」「Let's downsize」「原則的であることについて」「親密圏と家族」  
「家族に必要なただひとつの条件」等は、まるごと付箋を貼りたい気分でした。
久し振りに、色んな分野の色んなことを、あれこれと考えることができました。





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Last updated  2014.07.21 10:28:23 コメントを書く
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