やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2005年03月07日
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カテゴリ: 読書感想
東京駅は八重洲口から見ると平凡な駅であるが、丸の内口から見るとレンガ造りのドームが偉容を誇っている。

恩田陸さんの「ドミノ」は主に東京駅の内部が舞台の面白い話だった。
この北原亜以子の「東京駅物語」はそのレンガ造りの建物が主役だ。

主にその待合室にての人生模様がせつなく描かれている。東京駅が中央停車場としてまさに誕生しょうとした明治30年代から、昭和の敗戦一年後までを9話の章立てで物語が進む。

第一話が時代物のようで、平凡だなーと思いつつ読み進んでいくと、どうしてどうして二話、三話と複雑に絡み合った人々の運命が時代とともに流れていく「グランドホテル形式」というらしい。ああ、こういうミステリーもあったのだと思う。

第七話の主人公鳥尾須磨子が登場すると、その哀切にじーんとする。

新しくなった丸ビル、「オアゾ」などが出来てますます変化していく丸の内側、駅舎も改修するとか…。よく利用する私が、図書館で題名に引かれて手に取った本だが、東京駅の歴史を垣間見せてもらった。

初北原亜以子さんでもあった。





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最終更新日  2005年03月07日 19時33分55秒
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Re:「東京駅物語」北原亜以子(新潮文庫)(03/07)  
好幹  さん
先週東京に行ってきましたが、雪と人ごみでスコスコと帰ってきました。田舎者です。
東京駅レンガ造りの建物とその中の人間模様
誰かではありませんが、人生色々ですね
満員の地下鉄に乗って久しぶりにそのようなことを考えて帰ってきました。 (2005年03月07日 21時59分57秒)

好幹さんへ Re[1]:「東京駅物語」北原亜以子(新潮文庫)(03/07)  
ばあチャル  さん
>東京駅レンガ造りの建物とその中の人間模様
>誰かではありませんが、人生色々ですね
>満員の地下鉄に乗って久しぶりにそのようなことを考えて帰ってきました。

駅のプラットホームに立っていると、人々の人生を想像するだけじゃなく、誰かに人生を覗かれているような気もするものです。私だけかなー(笑)

いえいえ、ネットで日記を書いているほうがもっと覗かれているんですよね。(苦笑) (2005年03月08日 11時57分17秒)

Re:「東京駅物語」北原亜以子(新潮文庫)(03/07)  
きいぼ  さん
女流作家さんは、なかなか手にとる機会がなくて
ほんと、限られた人しか読んでない不勉強さです。
田舎暮しの私、「東京」という響きだけで憧れてしまうのですが、ずいぶん前に、建築会社の記念誌の仕事をする縁があって、全国の建築物関係の本を読みあさり、
「東京駅」のデザイン、構造にはすっかり惚れてしまいました。
そこが舞台の小説、心が奪われてます。ぜひ読んでみます。
(2005年03月08日 15時31分46秒)

きいぼさんへ Re[1]:「東京駅物語」北原亜以子(新潮文庫)(03/07)  
ばあチャル  さん
>「東京駅」のデザイン、構造にはすっかり惚れてしまいました。

わー、専門的ですね。
小説の世界にも建築の物語ありますよね。

例えば前に読んだのですけど、ケン・ホレットという人の「大聖堂」面白かったです。

中世の時代、ヨーロッパで教会の大聖堂を作る大工さんの物語。ドームを作る苦労と冒険。
もう一度欧州に行きたくなりましたね…。

(2005年03月08日 20時35分43秒)

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