荷風も文豪のひとりとして、文学史上では欠かせない作家であるから遅まきながら読むのは興あること。でも、これは明治の時代小説だ。
昭和の時代が懐かしい時代として現代の若い人に郷愁をよんでいるが、昭和に生きたわたしが明治、大正を郷愁として受け止めても不思議はないかもしれない。
明治時代の末つまり1900年の初めに外国に行くということは大変なことで、特別な、お金持ちの人しか出来なかった、ことの珍しさが加わった文芸的外国旅行記のアメリカ版である。
しかし、お金持ちばかりが外国行きの特権ではなく、その頃も出稼ぎとして船底に詰められて行く人たちも居たとは、このものがたりにもある。その悲惨さ、悲哀はいつの時代、どこの国の人も同じだ。(「牧場の道」「夜の霧」)
耽美派の作家として叙情たっぷり短編形式でつづられるあめりか旅行記のあいまに、時には批判精神発揮をして、もう「新世界」の高揚が過ぎたアメリカ、現代に通じるアメリカの病、すなわち貧困格差人種差別など見つめているのはさすが。
読んでしまえばもうわかっているような…、しかしこんな流麗な文章は明治時代ならばこそだ。
わたしは講談社文芸文庫のを買ってしまったが、岩波文庫改版のほうが半値でお得のような…(しまった!笑)
久しぶりに読書感想を書きたくなった 2025年03月21日 コメント(2)
名作とは…『ジェーン・エア』シャーロット… 2024年08月10日
恋愛心理小説の古典 2023年01月30日
PR
カテゴリ
コメント新着
七詩さんサイド自由欄
フリーページ
カレンダー
キーワードサーチ