やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2014年01月23日
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カテゴリ: 読書メモ

若き女性にとって「結婚がゴール」 となされていた時代があった

「その一年前、朝川昌子は女子大を卒業した。
一人で九州を旅行してみたいというのがかねての望みだったが、
それが在学中は実現せずに、学校を出てから
初めてかなえられたのである。」

松本清張『山峡の章』
この一節をとってみても時代がわかろうというもの
今とは全然違うのである

その旅行中にひょんなことで、東大出の経済官僚の堀川と知り合う朝子は交際一年もしないうちに結婚することになる

旅行中に知り合ったとはいえ「三高」高学歴、収入安定おまけに背が高い理想の結婚のはず

ところが、ところがである
うまくいかないエリート意識の高い堀沢の冷たさばかりではない
朝子のほうもいけない

旅行で知り合った時に堀沢の友人も一緒だった
だだし、彼の職業も履歴もわからず
おまけにずんぐりむっくり、朝子は堀沢を選んだ

しっくりしない新婚生活に悩む朝子に妹と夫の失踪、死体発見の展開が待っていた

と、ミステリーは流れる

わたしは 文藝春秋社の松本清張全集 の38巻までしか
持っていないから未読がかなりある
最近、光文社でプレミアムミステリーと銘打って
あった文庫本を本屋で見つけた(おやおやもう第二弾か)
読んであるのも、ないものもあるけど

まだ読んでいないものを見つけると嬉しくなる
やはり清張さんの文章は落ち着く(うまいのである)冒頭の文章からして安心してはまった
(その時代に同時に生きていたいう安心感もあるのだろう)






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最終更新日  2014年01月24日 08時32分32秒
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Re:結婚(01/23)  
alex99  さん
私も,松本清張の大ファンです
先日、私が書いた記事
「ゴメスの名はゴメス」
あの作品の主人公は
ラウンドな人物像が持っている弱さに欠落している(笑)
まあ、昔の物語は、そういう主人公がいないと成り立たないというような物でしたが

そこへゆくと
松本清張の主人公は
庶民で,小心者です(笑)
リアルな人間像
だから、主人公が味わう恐ろしさが,読者にも跳ね返って,状況の恐ろしさと倍加する

昔、欧州の避暑地で、林檎の木の下で松本清張のカッパブックスの作品を,ワクワクしながら読んだ事を思い出します

私も,全集を手に入れたいと思います

(2014年01月24日 14時09分34秒)

Re[1]:結婚(01/23)  
ばあチャル  さん
alex99さん

>私も,松本清張の大ファンです

そうですね
前からその部分でもシンクロしておりました

>先日、私が書いた記事
>「ゴメスの名はゴメス」
>あの作品の主人公は
>ラウンドな人物像が持っている弱さに欠落している(笑)
>まあ、昔の物語は、そういう主人公がいないと成り立たないというような物でしたが

その過去ログは読んでいませんでしたので新鮮でした
それでさっそく「ゴメスの名はゴメス」を取り寄せて読んでいます(笑
コピーしてある松浦綾夫さんの読書感想が秀逸でしたし
ベトナムを舞台にしてあるものが読みたくて

>そこへゆくと
>松本清張の主人公は
>庶民で,小心者です(笑)
>リアルな人間像
>だから、主人公が味わう恐ろしさが,読者にも跳ね返って,状況の恐ろしさと倍加する

>昔、欧州の避暑地で、林檎の木の下で松本清張のカッパブックスの作品を,ワクワクしながら読んだ事を思い出します

>私も,全集を手に入れたいと思います

同感です
主人公が英雄ではないんですね
勧善懲悪でもない

やはり日本のバルザックかな

わたしはぼちぼち読んでいないものを集めます
きっと普遍性があるので文庫化されるものも多いと思います

(2014年01月24日 18時48分55秒)

Re:結婚(01/23)  
alex99  さん
私は,記憶力が悪いのが強みになっています(笑)
読んだはずの松本清張の作品でも、あまり思い出さないものだから,二度、楽しめます(笑)

松本清張の作品って、なにげない書き出し部分から、スルスルッと始まって、それが、なんとはなしにワクワクさせてくれるんですよね
あの辺が、実に上手い
他の作家だと,書き出し部分は、変に気張った文章になったりするんですが


(2014年01月24日 20時13分11秒)

Re[1]:結婚(01/23)  
ばあチャル  さん
alex99さん

>私は,記憶力が悪いのが強みになっています(笑)
>読んだはずの松本清張の作品でも、あまり思い出さないものだから,二度、楽しめます(笑)

ふふふ
わたしも忘れるようになりました
だから二度も三度も読めますね

むかしはストーリを追ってせわしなく読んでいたことが今わかります
高校生のころってわかっていなかったのですね~、なにげない文章でも違いがあるってことを

色あせない文脈、文間

>松本清張の作品って、なにげない書き出し部分から、スルスルッと始まって、それが、なんとはなしにワクワクさせてくれるんですよね
>あの辺が、実に上手い
>他の作家だと,書き出し部分は、変に気張った文章になったりするんですが

ほんとにそう!

それから、タイトル名づけの妙
この『山峡の章』も1960年「主婦の友」に連載の時は「氷の燈火」でした
山峡の章もストーリにあっていますが、氷の燈火はもっと似合っています

また、当時主婦の友に連載ということを知り
若き妻たちが興味をもってよんだだろうなぁと思いましたよ
サスペンスと身に染みる心理ですね
(2014年01月25日 08時20分40秒)

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