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2009.07.09
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カテゴリ: 映画/コメディ

「彼は(何者かね)?」
「VIPです」
「じゃわたしは? “ベリー・ウザイ・人(VUP)”?」

永遠の映画人・淀川長治氏の著書を愛読する吟遊映人は、改めて「ああ、単なる一視聴者で良かった」とつくづく思った。
趣味として映画を楽しめることほどステキなことはないからだ。
氏の著書によると、「映画評論家というものはいいなあ、ただで映画を見て、それの批評を書けばいいのだからなぁと思う。(中略)実は素人考えで、試写を見る役目を持った人たちは映画館で金を払ってのん気に見るような見方では困るのである」とのこと。
その試写室での白熱したムードと言ったらスゴイらしい。
メモを取る人、あるいは一番前の席でスクリーンを食い入るように見る人、画面のワン・カットも見落としてはならないという心構えで見るのが仕事で、本気で見たら楽しむはずの映画でもくたくたになってしまうと言うのだ。

思わず、席を立ってしまうのも理解できるとのこと。
しかし、映画評論家らはどれほどバカげた愚作であっても、どこかにいいところがないであろうかと気を配り、そのための気疲れは並大抵のものではないと。
このくだりを読んだ時、つくづく金を払って楽しめる一視聴者であることの幸せを噛みしめたわけなのだ。

さて、「オーシャンズ13」。
言わずと知れたソダーバーグ監督作品であるが、吟遊映人オススメの一作である。
難しいことは分からないが、映画本来の役割でもある娯楽性、つまりエンターテインメントの世界を突き詰めた作品であると感じられるからだ。
細かく分析すれば、もっと奥行のあることが語れるかもしれないが、あえて端的に言ってしまうと、このソダーバーグ作品では“独特のテンポ”を楽しんでもらいたい。
ウィットに富んだ会話や出演者たちのオシャレな服装はもちろんだが、この監督の持ち味はズバリ“テンポ”だと思う。
ある人物の時間と他の人物の時間軸の解体、そこから生み出されるテンポ。
これは、ソダーバーグ的特質として受け留めて良いのではなかろうか。

我々はお金を払って映画を観ることのできる立場にある。

だがもしも「ああ、この作品はスゴイ!」と思うような映画にめぐり逢えたら、とことん突き詰めて、一体何が、どうしてこれほどまでに心を揺さぶられたのかを自分なりに吟味してみるのも一興かもしれない。
それにはまずたくさんの映画を観て、自分の好きな映画の傾向を知ることが先決だ。
そんな中、これから何を観ようかと迷っている映画好きの方々に、ソダーバーグ作品はオススメである。
言うまでもなく、現代映画に革新をもたらした才能溢れる監督なのだ。

2007年公開

【出演】ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.07.09 06:13:31 コメントを書く
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