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2013.11.24
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【クロッシング】
20120914

「聖ミカエル、戦う私をお守りください。悪魔の計略に勝たせてください。神が悪魔を退けますよう伏して願います。天軍の総帥、神の力によって、悪魔と悪霊を地獄に閉じ込めてください。魂が損なわれませんように」

本作「クロッシング」の見どころは、何と言ってもイーサン・ホークの際立つ演技力にあると思う。
無論、リチャード・ギアの淡々とした二枚目的演技や、ドン・チードルの生真面目で真摯な演技もなかなかだが、イーサン・ホークのとり憑かれたような迫真の演技は、他の役者さんたちを完全に食ってしまっている。
それは見事で、目を見張るものがあった。

作品は、リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルたち3人が演じる警官の、三者三様の生き様が、ある時、成り行きで交叉するところまでを描いている。
その3つのストーリーに、一体どんな意味があるのかは視聴者があれこれ想像を膨らませるものだが、興味深いのは、イーサン・ホーク演じる麻薬捜査官サルの人間性であろう。
サルは、子だくさんで、妻はまた妊娠している。
だが公務員の安月給では、妻子たちになかなか思うような良い環境を与えてやることができない。
金さえあれば・・・と、サルの苦悩は、家族を愛するが故に追い詰められてゆく。
敬虔なクリスチャンでもあるサルは、懺悔を繰り返しながらも、金のために、犯してはならない一線を越えてゆくことになる。


舞台はN.Y.のブルックリン。
スラム街で警官による強盗殺人事件が発生する。
ニューヨーク市警は、マスコミを恐れて犯罪多発地区の見回りを強化する。
定年退職を一週間後に控えたエディは、あまりの事件の多さと己の無力感からか、全てに事勿れ主義を押し通していた。
そんな中、エディは危険地帯の見回りと新人警官の研修教育も任されるのだった。
一方、麻薬捜査官のサルは、重いぜん息を持病に持つ妻と、子どもたちを抱えていた。

家族のために、庭付きの広い新居への引っ越しを考えてはいるが、サルの安い給料ではどうにもならなかった。
また、黒人の潜入捜査官であるタンゴは、ストリート犯罪者の中に紛れ込み、内偵するという過酷なおとり捜査に従事していた。
そのため、結婚生活は破綻し、心身ともに疲れ切ってしまうのだった。

本作のメガホンを取ったのは、アントワーン・フークァ監督だが、代表作に「 トレーニング・デイ 」などがあり、イーサン・ホークも同作品に出演している。

あるいは、警官と言えども人間であることの赤裸々な露出を試みようとしているのかもしれない。
いずれにしても、全体的にトーンの低い犯罪サスペンスなのだ。

2009年(米)、2010年(日)公開
【監督】アントワーン・フークァ
【出演】リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードル

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.11.24 05:31:48
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