《櫻井ジャーナル》

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2010.03.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカ政府がインドネシア軍への支援を強化する動きを見せ、反体制派の暗殺を繰り返してきた特殊部隊への訓練も再開しようとしていると調査ジャーナリストのアラン・ネアンは伝えている。この特殊部隊は昨年後半、アチェ州(スマトラ島の北端)で独立派の活動家9名を暗殺した事件にも関わったという。

 ネアンによると、この暗殺は軍や情報機関も参加した作戦の一環で、暗殺チームのメンバーを現地の警察は拘束しているが、それ以上のことはできないでいる。バラク・オバマ政権は「テロとの戦争」を実行するため、こうした暗殺作戦の実行者たちと手を組むことを決め、資金を提供し、武器を供給し、軍事訓練を実行しようとしている。すでにCIAは動き始めているようだ。

 確かにインドネシアでは爆破事件が起こっている。バリ島のナイトクラブやジャカルタの高級ホテルが爆破されて数百名が殺されたことは日本でも報道されているが、その一方で軍や警察はイスラム武装勢力も利用し、数十万の市民を殺害している。東チムールにおけるインドネシア軍の虐殺を記憶している人も少なくないだろう。

 そもそも、インドネシアに「テロ」を持ち込んだのはアメリカである。1950年代に貴族階級出身のインドネシア人をアメリカの大学、例えばカリフォルニア大学のバークレー校、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、コーネル大学などへ留学させ、手なずけ、「近代的エリート」を育成した。

 こうした留学生は「バークレー・ボーイズ」とか「バークレー・マフィア」と呼ばれているが、後にスカルノ打倒の中核部隊になった。また、インドネシア国内の大学に通う学生も軍から訓練を受けていた。

 そして1965年10月1日、小集団の若手将校が6名の将軍を誘拐のうえ殺害、ジャカルタの主要箇所を占拠し、自分たちはCIAの支援を受けた反乱軍の一部だと放送、スカルノから権力を奪取すると宣言した。

 この宣言をはさみ、9月から10月にかけてアメリカにとって好ましくない人々を親米派が虐殺し、翌年の3月にスカルノは排除された。この間、犠牲になった市民の人数は30万から100万人と推計されている。日本では長い間、「共産党のクーデター未遂事件」だとされていたが、その実態はアメリカを黒幕とするクーデターだった。

 さて、活動家殺害の報告をインドネシア軍は否定し、ネアンを逮捕すると脅しているのだが、軍を信用しろという方が無理だろう。オバマ大統領の訪問延期も、事件と関係があるかもしれない。

 さて、歴史的に日本の大企業、官僚、政治家はインドネシアと利権で結びついている。こうした権力者の手先として生きてきた日本のマスコミは1965年の出来事もきちんと報道してこなかったが、今回は・・・やはり期待することはできないだろう。





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最終更新日  2010.03.25 02:44:07


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