《櫻井ジャーナル》

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2012.12.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 年明け後には 法制審議会が通信傍受/盗聴法の対象犯罪を拡大する検討に入る

 歴史的に見て当局がターゲットにしているのは戦争や原発に反対する人びと。監視強化を容認させる理由として「犯罪の捜査」や「市民の安全」などの看板が掲げられているのだが、これはイラク攻撃前の「大量破壊兵器」と同じで幻影。

 勿論、法律がどうであろうと、公安警察は「通信の秘密」を守る気はない。発覚すれば問題になるだけの話。ただ、法律の歯止めが緩めば、それだけ簡単に監視できるようにはなる。

 公安警察の活動目的は支配体制を守ること。社会的な強者に富を集中させる不公正な仕組みを維持、強化しようとしている日本の支配層としては、庶民の不満が高まることを視野に入れ、反乱の芽を早い段階で潰し、中心になりそうな人物や団体を取り締まる準備をする必要がある。

 実は、すでに1970年代からアメリカでは個人情報の収集と分析に力を入れはじめている。学歴、カネの動き、投薬、運転に関する情報、航空券などの購入記録、住宅ローン、クレジット/カードの利用状況、そしてインターネットに関するデータなどが追跡されてきたのだ。電子メールの場合、アメリカの電子情報機関NSAはターゲットを追跡するだけでなく、ほぼ全ての電子メールを記録している。

 少し前、東京メトロの駅員がIC乗車券の「PASMO」を使い、ある女性を追いかけていたことが発覚した。個人でもこの程度のことは簡単にできるわけだ。

 GPSを搭載した携帯電話も追跡に利用できる。スマートフォンに記録された利用者の氏名、所在地、電話番号、IDなどの情報が外部に漏れていることも明らかになされ、問題になった。

 こうした個人情報や通信内容のセキュリティ・レベルを下げさせてきたのはアメリカの捜査機関や情報機関だ。1994年にアメリカでは盗聴を容易にするため、CALEA(法執行のための通信支援法)なる法律が制定された。1993年から毎年、アメリカはヨーロッパ諸国の捜査機関ともこの問題に関する会議を開いている。



 そうした動きの延長線上に日本の組織的犯罪対策法もある。当然、住民基本台帳ネットワークも同じ流れの中。

 この法律を制定するにあたり、中心的な役割を果たしたのが原田明夫。法務省刑事局長や事務次官を経て検事総長に就任した人物だ。インターネットに関する知識を持つ人が少ないと言われる検察官僚の中にあり、1970年代後半にはアメリカでこの問題を調査している。その当時、原田は一等書記官として駐米日本大使館に赴任していた。実際に原田の下で動いていたのが敷田稔だ。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 1970年代からイギリスのジャーナリスト、ダンカン・キャンベルなどはこの問題に警鐘を鳴らしているが、日本ではマスコミも「左翼」も鈍感だった。原田も注目していた監視システム、PROMISをアメリカの司法省が横領したという判決をワシントン破産裁判所が1988年に出すと、この問題は一層、注目されることになる。

 システムのプログラムが司法省からアメリカやイスラエルの情報機関に流れ、トラップ・ドアが組み込まれて世界中に売られたことが明らかになったのだ。日本の公的な機関や都市銀行で購入したところもあると言われている。

 1990年代になると通信傍受や個人情報の収集に関する問題は世界的な大騒動になるのだが、日本は「ガラパゴス状態」で、話題になっていなかった。いや、マスコミは話を持ち込んでも報道することを拒否していた。

 その間、通信傍受/盗聴法の準備が進めら、1999年に成立している。日本のファシズム化にマスコミは協力していたわけだ。原発推進と同じように、これもマスコミによる「権力犯罪」への加担と言えるだろう。





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最終更新日  2012.12.25 13:30:09


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