《櫻井ジャーナル》

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2012.12.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアの反政府軍が民間旅客機に対する砲撃を始めた。この話は インターネットの映像サイト 「西側」のメディア も報道している。

 反政府軍の主力が外国人傭兵。シリアの戦乱を「内戦」と表現すること自体が「西側」のプロパガンダに乗っていることを意味するが、それはともかく、反政府軍はシリア国民を虐殺し、社会を破壊している。

 この現実を考えると、旅客機を撃墜しようとしても不思議ではない。もしシリア政府軍が同じことをしたなら、NATOは直接的な軍事介入の口実にしそうな話だが、反シリア政府軍なら大目に見るようだ。

 ただ、反シリア政府軍を手放しで「善玉」として描くことができなくなっていることも確か。「西側」の政府やメディアは反政府軍を「民主化勢力」として描いてきたが、戦乱の長期化によって反政府軍の実態が明らかになり、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官はSNC(シリア国民評議会)に見切りつけざるをえなくなった。そしてでっち上げたのが「シリア国民連合」。「西側」の政府は相次いでこの団体を「シリア国民を代表する唯一の組織」として承認した。「良い反政府軍」と「悪い反政府軍」がいるという新しいシナリオに変更したわけだ。

 そうした中、アメリカの国務省は反シリア政府軍を構成する武装集団のひとつ、 アル・ヌスラ戦線をテロリストと認定 した。ところが、シリア国民連合のアーマド・ムアズ・ハティーブ議長はこの認定を批判、アル・ヌスラ戦線をテロリスト名簿から外すように求めている。

 反シリア政府軍が住民を狙撃しているという情報は昨年のうちから流れていたが、今年5月のホウラでの虐殺は「西側」にとって裏目に出た。当初、「西側」のメディアは政府軍、あるいは親政府派の武装集団が実行したと伝えていたのだが、ロシアのジャーナリストだけでなく、 東方カトリックの修道院長 ドイツの有力紙 が虐殺の実行者を反政府軍だと報告、「誤報」が明らかになってしまったのである。修道院長によると、反政府軍に参加しているサラフィ主義者や外国人傭兵が住民を虐殺したのだという。

 さらに、修道院長は「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は、地上の真実と全く違っている。」と語っている。キリスト教の聖職者、 マザー・アグネス・マリアム は外国からの干渉が事態を悪化させていると批判している。まだ戦闘が続いているのは、真実を語らず、外国の勢力が軍事干渉を続けているからということだ。

 これまで「西側」に同調していた国連も反政府軍を擁護しきれなくなってきている。例えば、 国連人権高等弁務官事務所もシリアの反政府軍が捕虜になった政府軍兵士を処刑したと認め、「戦争犯罪」だと判断 したようなのだ。

 政府軍の兵士を殺害、首を切り落とす様子を撮影した映像をインターネット上に流している理由は、政府軍兵士に恐怖心を与え、離脱させることにあると見られている。要するに心理戦。こうした反政府軍を編成、資金や武器を提供、おそらく自国の特殊部隊を潜入させて作戦を指揮している国々、つまりイギリス、フランス、アメリカ、トルコ、サウジアラビア、カタールなどはこうした心理戦にも鈍感だ。

 シリアに軍事介入している国の中にイスラエルも入っている可能性は高い。アメリカのジャーナリスト、 シーモア・ハーシュが2007年に書いた記事 によると、アメリカはイスラエルやサウジアラビアと非公式の同盟関係を2006年までに結んでいた。同盟の目的には、イランを脅威だと認識、シリアのバシャール・アル・アサド体制を弱体化させることも含まれていた。そのためにサウジアラビアが資金や物資の援助を行うとも決められたという。イラン・コントラ事件の時と同じ構図だ。アル・カイダとイスラエルは同盟関係にあるということにもなる。

 生活し、自らの手で国のあり方を決める権利を中東/北アフリカの庶民からアメリカを含む「西側」の国々は奪っている。アメリカでは憲法が機能不全の状態で、監視や拘束どころか、自国民の殺害も容認されている。自由も民主主義も基本的人権も否定しているのが現在のアメリカという国だ。





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最終更新日  2012.12.30 03:29:20


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