森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.05
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(学習テーマ) 精神拮抗作用について

(学習のねらい)ここでは日々の生活の中に調和、バランスが崩れるとうまくゆかないということを学んでいただきたいと思います。
森田理論の基本の考え方は、生の欲望の発揮です。でも欲望が暴走すると大変なことになります。
普通は不安が欲望の暴走を止める抑止力として働いています。
欲望と不安はどちらも大切なものです。
欲望と不安はバランスをとって前進することが大切になります。
この部分の内容は森田理論全体像の「欲望と不安の関係」に含まれています。

(内容説明)
森田先生は次のように説明されています。

対立する純な心を、理知でもって調整することが大事である。
例えば、時間がたてば腹がへり、ご馳走を見れば食べたくなる。これが純な心である。
その時、今日は下痢をしているから人前で行儀を悪くすると笑われると考えるのが理知である。
この純な心と理知の調整によって人はその行いが正されて、初めて理想にもかなうようになる。

今日誰かの日記に「先生に叱られて、非常に恐ろしかった」と書いてある。
ちょっと見ればなんでもないが先生に対する反抗気分と不従順を表している。
先生に叱られて恐ろしいのは、当然であり、人情である。
この純なる心そのままであると同時に、一方には、森田先生に接近し、話を聞き、指導を受けたいという心が対立している。
この恐ろしくて逃げたいと、近づいて幸福をえたいという二つの心が相対立するときに、我々の心は、微妙になり、臨機応変、最も適切になり、いわゆる不即不離の状態となるのである。

神経質者の考え方というものは、先生は恐ろしいという心を否定、圧迫し、一方には近づきたいという心に、いたずらにむち打ち、勇気をつけようとして、無理な努力を工夫し、その結果は、かえって神経の働きが萎縮し、偏りたるものになる。

私の場合でゆうと、呉先生は私の恩師であるから当然最も恐ろしい人であった。

先生がお出かけのとき、車へ同乗を頼むことはなかったが、先生の方から「誰か一緒に乗らないか」といわれるときには、蜘蛛の糸にかかった昆虫に蜘蛛が飛びつくように、決してその機会を逃すようなことはなかった。

患者とともに4、5人で町を歩いていると、私は息切れがするので、きわめてノロノロと歩いているのに、患者はいつまでも、ぴったり後ろからくっついてくる。
私はじれったくて「いつまでも、僕のあとへくっついて来る人の気が知れない。」といったら今度は私の方からすっかり離れてしまって5、6間の間隔をおいてソロリソロリと歩いている。
私はまた私の付き添いの娘をやって「離れてしまうような気のきかないものは、なんとも仕様がない。」と言わしてやった。患者はどうしてよいかまごついてしまう。

私の話が始まる。

見失いはしないかと心配していると、またどこからともなく帰ってきて、主人の足元に絡みついてくる。
これが犬の自然な心で、いわゆる不即不離の働きである。
すなわち犬は退屈のために主人を離れるが、それかといって、絶えず主人を見失ないはしないかという事が気にかかるから決して離れてしまうことはない。
しかるに君たちは先生の先に追い越してしまうと無礼になるという理屈にとらわれ、反対に離れてしまえばまったくよりつかない。

(話し合うテーマ、課題)
精神拮抗作用について気づいたことをお話しください。
自分の生活の中でどういうふうに活用したいと思われましたか。






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Last updated  2015.12.05 06:57:11
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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