森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.12.04
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(学習テーマ) なすべきことに手をつける

(学習のねらい)森田では神経症を治すためには、不安には手をつけないで、日常生活に注意を向けて「なすべきこと」を丁寧にすることを勧めています。
どんなことに気をつけて取り組んでゆけばよいのでしょうか。
この部分の内容は森田理論全体像の「生の欲望の発揮」に含まれています。

(内容説明)
レベル1 気が進まなくてもイヤイヤ、仕方なく手足を動かしていく。
森田では月給鳥という鳥になったつもりで会社に出かける。
家事では超低空飛行を心がける等といいます。
レベル2 実践課題を作って取り組んでみる。

レベル3 気づいたことを逃さないようにメモして課題のストックをためていく。
できることから手をつけていく。雑仕事、雑事を大切にする。
コツはものそのものになりきって行うということです。
注意点は、今できることは一つしかない。完全にこなそうと思わず、6割できればよしとする。
変化に臨機応変に対応して、優先順位を意識する。これは、森田では無所住心の考え方です。
レベル4 規則正しい生活を心がける。
自分の不安や心配事よりも仕事、勉強、家事、育児に力を入れていく。
レベル5 物、自分、他人、お金、時間をできるだけ有効に活かして使う。
森田では「物の性を尽くす」といいます。
レベル6 人の役に立つことを見つけて行動する。
レベル7 好奇心を活かして、やってみたい趣味等に取り組んでみる。

レベル8 大きな目標、課題を設定する。コツコツと地道な努力を重ねていく。
目標達成に向けてチャレンジしてみる。

注意点があります。
症状を治そうと思ってする行動は、かえって症状を強化してしまうということです。
森田先生は言います。

高良先生は言います。
対人恐怖の患者さんが、作業用の竹を買いに行った時のことを日記に書いている。
「竹を買いに行ったけれども、今日の竹買いは失敗であった。」
なぜかというと「途中で対人恐怖を強く感じたから」
だいたい竹買いが成功であったか失敗であったかは、思い通りの竹を買えたか、しかもよい竹を安く買えたかどうかであって、この患者は竹買いのことは全く没却されて、対人恐怖がでたかどうかが重点になっている。
これらの事例は、行動することによって自分の苦痛を回避したいという野心があるのです。
野心があると注意が症状に向いてゆく。
症状に注意が向けば、ますます感覚が強まり症状が強くなるのです。
「わしは風呂を焚くときには、風呂焚きになり切る。
どうしたらゴミの整理がうまくできるか。
どうしたら少ない燃料でもっともはやく風呂をわかすことができるか、真剣に研究し、工夫する。
風呂を焚くときには風呂焚きになりきり、診察する時には医者になり切り、将棋をさすときは将棋さしになり切る。
つまり何をやっても、自分の全力をつくすのだ。
そこには価値批判はなく、風呂焚きも診察と同じように興味があり、張り合いがある。
これがもし、下手な価値批判にとらわれ、風呂を焚くより原稿を書いた方が得だ、原稿を書くより診察のほうがもうかる、診察よりも病院の経営をやった方が利益が多い、という具合に損得を基準にして考えてゆくと、しまいには何もすることがなくて手をこまねいているか、あるいは詐欺をやった方が早道だ、というようなことにもなりかねない。
風呂焚きでも、飯炊きでもなんでもよい。
価値批判を抜きにしてとにかく手をつけさえすれば、いつとはなしに興味がでてきて研究と工夫を重ね、仕事はそれからそれへと発展して、社会に役立つ働きができるようになるのだ。」

(話し合うテーマ、課題)
あなたは今どんな段階ですか。できたらそこからランクアップさせてみましょう。
行動することについて気がついたことを発表してください。
「ものそのものになりきる」ためにはどうしたらよいと思われますか。





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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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