森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.01.02
XML
「神経質の無神経」と言われることがある。

それはどういう意味なのだろうか。神経質性格の人は細かいことが気になります。
そのことに注意や意識を集中させていると、普通の人が当たり前にやっていることがお留守になってしまうということではないでしょうか。
特に神経症に陥って苦しんでいる人ほど無神経だとみなされてしまうことがあります。

たとえば、甥や姪の結婚式などに招待されても赤面恐怖が気になって欠席したりします。
親戚の葬式なども神経症を理由にして取りやめたりします。
あるいは大勢の前でプレゼンする予定の日になって、突然症状のために仮病を使い休んでしまう。
身体的欠陥を気にしてひきこもり生活を続けている。
飛行機に乗ることがイヤなので、いろいろ理由をつけて海外出張を断る人がいます。

叱られることを恐れて、ミスや失敗を隠蔽し、発覚したときは修復困難な状況に追い込まれている。
知っている人と会ったのに全く挨拶をしないで知らん顔をしている。
雑談の場などに、一人だけその輪に加わらないで苦虫をつぶしたような態度をとっている。
自分のことを否定されたりすると、すぐに不機嫌になり感情を爆発させる。

このようなことが度重なると、あの人は普通の人とは違うという見方をされる。
無神経で他人の気持ちが読めない要注意人物だというレッテルを張られてしまう。
自分はそんな気持ちはない。本当はみんなと仲よくしたいと思っていても、その思いが空回りしている。

どうしてこのようなことになるのか。
1、 神経症に陥ると意識や注意が自分の気になる症状一点に絞られて、周りの物は見れども見えずという状態になる。
2、 症状と言う大きな問題を抱えているために、周りのことが気にはなっても手をつけずにそのまま放置してしまう。
3、 苦しみや葛藤に耐えきれなくなって、つい破れかぶれな衝動的な行動で解放しようとする。


周りの状況が見えていないのです。
また症状を解決しないと他のことに手がつかない状態になっています。
そしてどうにもならない苦しみを和らげるためについ衝動的な行動をとりがちです。

これでは人間関係が壊れ、仕事や生活が回ってゆかなくなるのも無理はありません。
その状態を他人がみれば、普通の人と違う無神経な人とみなしてしまうのです。


神経質性格はよい面を活かしていけば全く問題はありません。
むしろ神経質性格を持っている人はたぐいまれな素晴らしい素質の持ち主だと言えます。
その性格を仕事や生活に活かしていけばこんなに育みあいのあるものはありません。
神経質性格を活かして仕事等で大きな成果をあげている人もたくさんいます。
また鋭い感性を活かして音楽、絵画、書道等の分野で認められている人もいます。

でも一歩活用の仕方を間違えるとこのように無残な状態になってしまうのです。
無神経というのは自分も苦しいし、他人にも迷惑がかかります。
神経質性格のこまやかさ、感性の豊かさを殺してしまうものです。
無神経という汚名を返上するためには、森田理論を学習して、生活面に応用していくことだと思います。
特に不安、恐怖、不快な気持ちを持ったまま、日常生活や対人折衝を続けていくという森田の基本は是非とも身につけてほしいものだと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.01.02 06:30:05
コメントを書く
[人間関係、不即不離] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: