森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.04.13
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小説家の遠藤周作さんは好奇心が旺盛な人だった。
そしてユーモアの持ち主であった。
そのせいか、遠藤さんにはとても友人が多い。
文壇では安岡章太郎、吉行淳之介、阿川弘之、三浦朱門という人たちがおられた。
今日は遠藤周作さんのユーモアのエピソードを紹介したい。

その1、
国際線の飛行機に乗って初めてアメリカに海外旅行をするという人がいた。
その人は、遠藤さんに酒を飲ませて外遊の心得を尋ねた。
酔っ払った遠藤さんは次のようにアドバイスした。

カナダに近くなった頃、機内放送があって日付変更線を通過するという。
その時、真下を見下ろすと、海に1直線に赤い線が走っている。
それが日付変更線です。
それを真に受けた友人はスチュワーデスにチップを渡した。もちろん丁重に拒否された。
日付変更線を通過したときは、窓に顔を当てて赤い線を見ようとしたが、何も見えなかったという。

その2、
大阪で仕事して新幹線に乗ったときのこと。
駅で見送りをしてくれるはずのNHKの人を探したがいない
自分の指定席に白い布で包んだ弁当が置いてあった。
NHKの人がわざわざ用意しておいてくれたのであろうと早合点した。
豪華な弁当だった。さすがはNHKだなと感心しながら食べていた。

彼は不思議そうに私の周りを見て、隣の座席に座り、こういった。
「その弁当、ワシのと違いまっか」
「いや、これは、私の席に置いてあったのです」
「そんならワシの弁当やで。大阪の料亭で作ってくれたもんや。それを君は食べているのか」
「申し訳ありません」

「君はエビも食べたのか。卵焼きも半分食べてるじゃないか。そこの卵焼きはうまいのだ。いったい君は何と言うことをする人や」

その3、
遠藤さんは生前自分の葬式の演出を考えていた。予め自分で吹き込んでおいたテープを流す。
「本日は私の為、皆様、お集まりくださいまして誠にありがとうございます。ただいまから遠藤周作の葬儀を行います。どうぞご起立ください」
「それでは葬儀委員長にかわりまして、私が私の悼辞を述べます。ああ、悲しいかな、遠藤周作は今や霊界にあり、そちらからただいま、お集まりくださいました皆様にお礼を申しております。
皆様から多分の香典も頂戴しました。金田老人、キョロキョロするでない。黙って私の悼辞を聞きなさい。それから、泉君、君の香典が500円とはちょっと少ないんじゃないかね。もう2枚ぐらい追加しなさい。生前随分、奢ってやったんだから」
こういうテープを30分続け、 「それでは皆様にお礼の意味で、今晩、次の方々の枕元を訪問したいと存じます。
今晩、次の時刻に、必ず次の方の枕元に立つでしょう。どうぞお待ちください。
午前1時、田中貴美子さん。午前2時、岡本花子さん、午前2時半、山口ヨシエさんと女の人の名前を言う。
きっと、場内で名指しされた女性が、きゃーとかうわーとか言って面白がろう。
よい思いつきだと思い、晩飯の時、老妻に話すと、軽蔑したような目でじっと私を見た。

この話は、 「老いてこそ遊べ」河出書房新社にある話です。
この本には笑い転げるほどいろんなエピソードが紹介されていた。
興味のある方はご覧ください。

私たち神経質者は好奇心旺盛な人がとても多いが、ユーモアという面では縁遠いという人が多い。
どちらかというとまじめで、苦虫を潰したような人が多い。
ましてや、誰かがダジャレを言うと、軽蔑したような目で見下すこともある。
私はすばるクリニック伊丹仁朗先生から、ユーモア小話の作り方を学んだ。
自分でもたくさん作り、ユーモア小話や川柳などの収集もしている。
ストレスが溜まってつらいときは時々読んでは気分転換している。
これらは、人生においてはあく抜きのような働きをしているような気がしてならない。
周囲の人にも披露して笑いを振りまく事を心がけている。
これらを心がけていると神経症の悩みから一時的に離れることができるようです。





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Last updated  2024.04.04 22:37:45
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