森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.04.10
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世界的な経済大国のはずの日本が今や、格差社会、貧困率の上昇、高い自殺率、少子高齢化など、若者が将来に不安を感じる問題で溢れている。
その解決のヒントを、デンマークの学校教育から見てみよう。
日本では小学校6年、中学校3年である。
デンマークでは、小中一貫教育を行っている。国民学校と言われている。
期間は9年間である。予備として1年間延長できるようになっている。
その後、高校に進む者と職業別専門学校に進むものに分かれる。約3年間である。
高校に進んだものは、大学に進む人も多い。大学教育は19歳から27歳ぐらいまでである。
どのコースに進んでも教育費はゼロである。
学力があれば無試験で入れる。ただし卒業するときは試験がある。

1クラスは19人である。教育内容は面白い。
算数では足し算、引き算、割り算、かけ算、パーセントぐらいを学ぶ。
微分や積分、三角関数などというものは日常生活には不要です。
ですから、そういうことは教えていない。
それらの数学を必要とする人は、将来測量士、エンジニア、建築士などです。
そういう職業につきたい人が高校や大学で学べばよいという考え方です。
英会話は必要なので、すべての人が卒業までには日常会話ができるようになります。
教科としては国語の時間が1番多いようです。その次は算数です。
デンマークでは教科ごとに教師が異なります。
授業で日本と大きく異なるのは、美術と体育の時間です。
美術の時間は、みんなで足並みをそろえて一定の技術を習得するといったことはなく、それぞれが表現をすることに時間を割いています。

体育の授業では、何をやりたいかを子供たちで話し合い、好きなスポーツをします。
あるグループは屋内でバスケットボールを、あるグループは野外でサッカーを楽しんだりするのです。
個人競技で優劣を争い合うようなことはしていません。
だから、運動が苦手な子供も、体育の時間は大好きです。
国民学校を卒業する時には試験があります。一定のレベルに達しているかどうかを見るためです。

教科は学校で教えますが、しつけは親の役割だと国民みんなが認識しています。
デンマークはどんな仕事に就くにせよ資格が必要になります。大工さんや接客業も資格が要ります。
「親は農業しているから」といっても、資格がなければ親の仕事を引き継いで農業することはできません。
学校の先生になろうとすると、高校、大学で専門教育を受けて資格を得る必要があります。
デンマークでは国民学校に在学している時から、将来自分がどんな仕事に向いているのかを見極めることが大切であると考えています。
そのために、 14歳ぐらいになると、自分の友達の親の仕事を見にいきます。
たった1日か2日ですが見学すると刺激を受けます。
15歳ぐらいになると、今度は自分がなりたい職業の職場実習に行きます。
1週間から2週間程度全員が行くのです。どんな職業があるのか、収入はどれぐらいになるのか、そのための資格を得るためにはどのコースに進む必要があるのか。
これらは国民学校の高学年になると、必修科目として学習する必要があるのです。
そのための進路のためのガイドブックは充実したものを用意しています。
子供たちはその本を見ながら、自分がなりたい職業に就くには、高等学校に進学する必要があるのか、職業別専門学校へ進学するのかといったこと調べます。
例えば理学療法士になるには、高等学校を卒業して、さらに上級専門学校を卒業しなくてはいけないんだということを学ぶのです。

日本でいう中学生の頃です。日本ではこういう事は全く考えられません。
高校に行くにしても、 「とりあえず高校ぐらいは出ていておきなさい。
その後のことはそのあとで考えればいい」という考え方です。
高校では大学に入るための、数学、国語、漢文、古文、英語、日本史、世界史、地理、倫理、現代社会、物理、化学、生物、地学などの教科を無理矢理に暗記させられます。
これでは途中で脱落してしまう生徒が多いのは無理からぬところです。
またそれらの教科が将来大人になったときに実践的に役に立つということはほとんどありません。
それなのに、様々な国の学力を比べてみた場合、日本の学力は今やデンマークの後塵を排しています。
また、森田理論で言われているような対人関係のあり方、人生観などについてはまったく触れられません。とにかく、生徒同士を競争させて優劣をつけることに躍起になっています。
社会に出ると、競争の中でいかに生き残っていくかという事を教え込んでいるのです。
最後まで競争で勝ち残る人はごくわずかです。ほとんどの人は途中で脱落してしまうのです。
自信をなくさせて、生きることは意味がないことだということを教えているようななのではないでしょうか。
デンマークの教育を見ていると、国民学校を終えた時、ほとんどの人が社会的な基礎力、自立心、社会性を身につけているように思います。デンマークの子供たちは、学習することが楽しいといいます。
日本の子どもたちは、テストの点数が悪いと自己嫌悪しますが、デンマークでは、テストの点が悪いと先生の教え方に問題があるというふうに受け止められています。
デンマークではテストは理解の進捗を見るためであって、生徒の優劣を判定するものではないのです。
時代は刻々と変化しているにもかかわらず、旧態依然とした教育を子供たちに押し付けている日本の教育制度に問題はないのでしょうか。
(格差と貧困のないデンマーク 世界一幸福な国の人づくり 千葉忠夫 PHP新書720参照)





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Last updated  2024.04.07 12:56:17
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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