森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.03.24
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
現代人は、親から経済的にも精神的にも自立して、自分の力で暮らしていきたいという気持ちは希薄なようである。
少子化であるので、いずれは親の家が自分のものになる。
親の不動産や財産を引き継ぐことになる。
自分一人ぐらいなら一生食いはぐれはない。
だから、あえて正社員になって、気の進まない仕事をしようという気にならない。
残業時間のない、バイトやフリーターのような仕事のほうが気が楽だ。
できればデイトレーダーのように「手っ取り早く稼げる」ような仕事を見つけたい。
責任感のある仕事、人間関係に翻弄されるような定職につくことはまっぴらごめんだ。
結婚して子供を育てることは面倒だ。

自分を犠牲にして苦労を背負い込むより、刺激はあまりないが現状に甘んじるほうがよい。
めんどう、煩わしい、しんどい、時間がかかることは最初からしり込みしているのだ。
また、失敗するかもわからないことにあえて挑戦することはリスクが大きいし怖ろしい。
行動しなければ失敗はないのだから、極力手を出さないことが習慣化している。

しかし何もしないで生活することは大変苦痛である。暇を持て余すようになる。
いつも自分を適度に刺激して、虚無感、イライラ感を取り除くために、テレビのバラエティ番組を見て笑う。スポーツ観戦、映画、観劇、カラオケ、グルメ、外食、お酒、ギャンブル、旅行などで息抜きを心がけている。何らかのはけ口がないと身が持たないのだ。
「さて何をしようか今日も土日祝」という川柳があったが、こういう気持ちは要注意だ。

こうなると、日常茶飯事に真剣に向き合うことはばかばかしいと思うようになる。
日々の生活に真剣に向き合うことがなくなり、目先の刹那的刺激ばかりを求めるようになる。
そういう生活をしていると、感情はどんどん衰退して鈍感になってくる。感性が衰えてくるのだ。
その弊害は大きい。日常の小さな出来事に喜びや楽しみを見つけることはできなくなる。

いくら頑張ろうとしても、意欲ややる気が出てこなくなるのだ。
より刺激の強いものにしか反応しなくなる。
次第に失感情、無感動、無関心、無気力な状態に陥っていく。
この状態は、思考力、発想力、想像力、創造力、判断力、分析力を担っている前頭前野が休眠状態にあるということだ。
大脳の前頭前野は、絶えず活用していないと、廃用性萎縮現象を起こしてしまう。

これはまずいと思っても切り替えができなくなる。
最後には早期認知症の発症へとつき進んでいく。

森田理論では、仕事や勉強、日常茶飯事に丁寧に取り組むことをお勧めしている。
東北大学の川島隆太教授は、大脳が廃用性萎縮を起こさないための脳の体操を勧めておられる。
これらに真剣に取り組めば、大脳が鍛えられてあふれんばかりの感情が湧いてくる。
大脳の前頭前野がフル回転して、次々と気づきや発見、工夫を思いつくようになる。
次第に感情が高まり、意欲ややる気がでてくる。弾みがついてくるのである。
それに沿って行動を起こせば、人生はどんどん活性化していく。
その路線を目指すことが、心身共に健康な人生を送るということではなかろうか。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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