森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.02.13
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生活の発見誌2021年1月号に私がいつもお世話になっている臨床心理士の刀根良典氏の記事があります。題は、「症状森田から自己実現森田へ」です。(発見誌1月号16ページより)
森田理論学習の意義についてとても分かりやすく的確に説明されています。
この記事は永久保存版として切り抜いて活用したいと考えています。
内容の一部をご紹介します。

森田療法を症状を治すためだけと考えるのは、レストランでフルコースのフランス料理を注文したのに、スープだけ飲んで店を出るようなものだと説明されています。
スープの後からコックさんが腕によりをかけた様々な料理が出てきます。
それを食べないで店を出るのは実にもったいないことです。
またそんなことをする人はいないでしょう。
ところが森田理論学習の世界ではよくありがちなことなのです。


神経症の症状があるので目の前のことから逃げてばかりの自分になる。
そんな自分では嫌だ。自分の人生はもっとなんとかならないのか。
今の自分は本当の自分なのだろうか。もっと違う生き方があるのではないか、等々。
多くの人々にとって、神経質性格に起因する「生き辛さ」を何とか克服したい、という切実な動機から森田理論の学習が始まったのではないかと思います。

しかし、神経質の症状、「生き辛さ」の克服は森田理論学習の入り口にすぎません。
さらにその先には「自己実現」という目指すべき道があります。
「自己実現」とは社会的な成功をおさめ、人から認められることではありません。
そうではなくて、「あるがまま」の自己という、この世にただ一つしかないかけがえのない自分の命を大切に慈しみ、成長させ、そして開花させ、自分の納得のいく人生を生きるための指針を得ることです。

森田理論学習は、症状や「生き辛さ」の解消に留まっていてはもったいない。
人生100年時代を生きる神経質者にとって、神経質性格を存分に活かし、確固たる人生観の確立し、自信を持って生き抜くために生涯学習として取り組むことに意義がある。

この見解に対して私は全面的に賛同するものです。

「かくあるべし」という観念偏重の弊害を理解する。
事実本位の生き方を身につける。
不安で制御しながら生の欲望を発揮していくことなどを学ぶ。
そして森田理論を実際の生活に応用して素晴らしい人生を築いていきたいものです。
さらに言えば、人間関係の在り方、子育てや教育、人間と自然との関係性、環境問題、日本や世界の経済や政治、金融政策、外交や国防、欲望の暴走社会の見直しなどを森田理論を踏まえて再考していきたいものです。

そして、私たちの子孫や混迷を深めつつある人間社会、地球環境にとってやさしい時代を築いて後世に引き継いでいきたいものです。
これが森田を学んだ現代に生きる私たちの役目なのではないでしょうか。





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Last updated  2021.02.13 06:20:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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