森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.02.14
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ホンダの創業者の本田宗一郎氏とソニーの創業者の井深大氏は共通点が多い。
まず子供の時から好奇心が旺盛であった。

本田氏はいたずら小僧であったという。
両親は厳しくしかりつつも基本的には暖かく見守っていた。
その中でも、おおいに興味を示したのがアメリカから来たアート・スミスの曲芸飛行だったという。その感激は一生続き、後に自ら操縦桿を握るほどになった。
それと自動車との出会いである。
村に自動車がやってきたとき、圧倒的な存在感、エンジンの爆音、ガソリンとオイルの匂い。
したたり落ちたオイルの匂いを嗅ごうと、地面に鼻をくっつけ、それでも足りずに手にこってりとオイルをまぶして、その匂いを胸いっぱいに吸い込んだという。
15歳で東京にあった自動車修理工場に入社している。

いつかは自動車を作ってみたいという夢は1962年(昭和37年)に実現している。

井深大氏もとてもやんちゃであったという。
親戚の家では、彼が来るたびに時計や機械仕掛けの玩具などがバラバラにされたという。
金屏風に大きな落書きをするという豪傑ぶりも発揮している。
やがて彼がやってくると聞くと、動くものはすべて隠されるようになったという。
母親は、休みのたびに上野の国立博物館にたびたび連れて行っている。
そのかいあって、さまざまな装置を自前で作るほどになっていたという。
その後早稲田大学理工学部に入学している。
大学では学生発明家として有名であったという。

二人とも物つくり、技術開発に対する、並々ならぬ情熱を持っていた。
それ夢を実現するために、生涯にわたって、失敗を繰り返しながらも挑戦し続けた。


二人とも販売戦略、経営基盤の確立、財務、資金繰り、会社経営、設備投資、組織改革、新たな事業展開という面の関心や能力は薄かったからである。天は二物を与えずということです。
それらを目指すためにとった対策が共通している。
自分の片腕となる参謀を迎え入れたのである。この参謀たちが経営の土台を確立していった。
ホンダの参謀は藤澤武夫という人である。ソニーの参謀は盛田昭夫という人だ。
物つくりに情熱を燃やす人とそれをバックアップして裏から支える人が、あざなえる縄のごとく一心同体となって、成長していったことが功を奏したのは紛れもない事実です。


この話を聞いて森田理論の不安と欲望の事を考えた。
好奇心を膨らませて、自分のやりたい目標や夢に向かって取り組むことは素晴らしい。
しかしその欲望が独り歩きすると、ザルで水を掬うようなもので、失敗する可能性が高くなる。
目標や夢を達成するためには、水を漏らさないバケツのようなものが必要になります。
しかし目標や夢に注意や意識が向いている人にとっては、これが意外と難しい。
守りがお留守になるということです。
そういう時は、第三者の協力を仰いだ方がよいということです。
自分にないものを持っている人の協力が欠かせないということです。

夫婦でも、同じ神経質性格の人よりも、例えば発揚性気質の人の組み合わせがよいということです。同じ性格の人は気心も知れて、幸せな人生になりそうですが、長い目で見ると決してそのようにはならない。自分の足りないところを配偶者に補ってもらう。
相手の足りないところは、自分の方から補ってあげる。
絶えず小さな言い合いや小競り合いはしているが、大事には至らない。
そしてぎりぎりのところで、夫婦関係をなんとか維持している。
そういう人間関係を子供たちはよく見ています。
そんな親の関係を見て、子供たちも人間関係の持ち方を学び成長していくのです。
そういう状態が普通の夫婦関係であり、自然なのではないかと思うわけです。
つまりバランス、調和を目指さないと、存在自体が破壊されてしまうということになります。





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Last updated  2024.06.03 22:41:15
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