森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.05.10
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
「動物学校」というリブズ博士の書いたおとぎ話があります。

昔々、動物たちは、新しい世界の様々な社会問題を解決するために、何かしなければならないと考えて、学校を設立することにした。
科目は、かけっこ、木登り、水泳、飛行であった。
学校を円滑に運営するために、すべての動物にこれら4科目の履修が義務付けられた。
アヒルは、水泳の成績は優秀だった。先生よりもうまかった。
飛行もいい成績だったが、かけっこは苦手だった。
それを補うために、放課後居残りをさせられた。
やがて、足の水かきがすり減り、水泳も平凡な成績に落ちた。
しかし、学校は平均的な成績でいいとされていたので、アヒル本人以外は、誰もこのことを気にかけなかった。

リスは木登りは上手だったが、飛行の授業では、木の上からではなく、どうしても地上から飛べと先生に強制され、ストレスがたまる一方だった。
疲労困憊の末、肉離れを起こし、やがて木登りもⅭ、かけっこもⅮにまで落ちた。
ワシは問題児で、厳しく更生する必要があった。
木登りの授業では、いつも一番早く木の上に到着したが、先生の指示する方法にどうしても従おうとしなかった。
結局、学年末には、泳ぎが得意でかけっこもまあまあ、木登りも飛行もそこそこという少々風変わりなウサギが、一番高い平均点を獲得して卒業生代表に選ばれた。
学校が穴掘りを授業に取り入れてくれなかったことを理由に、モグラたちは登校拒否し、その親たちは税金を納めることに反対した。
そして子供を穴グマのところに修行に出すと、後はタヌキたちと一緒に私立学校を設立し成功を収めた。(7つの習慣 スティーブン・R・コヴィー キングベア出版 417ページより引用)

自分の長所や強みを伸ばすことに焦点を当てないで、欠点や弱みを人並みに引き上げようとしていると、元々持っていた自分の長所や強みは、しだいに精彩を欠いていくという話である。

私は高校時代、生物と倫理と古文だけは成績が良かった。
10段階評価でいずれも9だった。
しかしこれらは受験科目で特別重要視されているのではなかった。

みんなが見向きもしない授業に格別な興味を抱いていたのである。
特に倫理は古今東西の偉人の哲学が面白かった。

ところが受験科目に指定されていた化学、物理、世界史はさっぱりだった。
化学に至っては、赤点でレポートを提出して何とか単位を得るありさまだった。
高校は単位の取得は、選択制ではなく、すべての教科で基準点をクリアすることが求められた。


いろんな経験をして今思う事は、いろんな教科をまんべんなく学ぶことはよい事だと思う。
しかし平均的な人間として教育された人が、自信をつけて、職業人として、人間として大きく成長して行けるかというとこれは疑問であると思う。

医者でも、弁護士でも、ファィナンシャルプランナーでも一般的な最低限の知識は必要である。
ところが、一般的な知識だけでは人様に役に立つような仕事をすることはできない。
自分の専門分野を決めて、一層の研究や経験を重ねていかないと人から信頼されることはない。
資格を取得した後が問題になるのだ。

たとえば、ファイナンシャルプランナーであるが、一般的知識としては、金融資産運用設計、不動産運用設計、ライフ・リタイヤメントプランニング、リスクと保険、タックスプランニング、相続・事業承継の分野がある。それぞれの分野のすべてに合格して、初めてファイナンシャルプランナーという名称を使用することが許される。
特にCFPという資格を取得すのはたやすい事ではない。

しかし、資格を獲っただけでは開業しても飯は食っていけない。
ここがまさに出発点になるのである。
私のように資格を獲った段階で満足していては、その資格はまさに「死格」となってしまう。
優秀なファイナンシャルプランナーは、専門分野については、他を寄せ付けない知識や経験を積み重ねているのである。専門分野については、問題解決の高度なノウハウを持っている。
さらに、関連各所との強力なネットワークを作り上げている。

例えば金融資産運用設計では、証券アナリスト、金融関係の様々な資格も持っている。
不動産運用設計では、宅地建物取引主任者、不動産鑑定士などの資格も持っている。
タックスや相続税については税理士や公認会計士の資格を持っている。
つまり一般的な知識を身につけた上で、専門分野に特化して、どんどん深堀しているのです。
自分の専門分野については、どんな難しい案件が持ち込まれても解決に導いてくれる。
自分の長所や強みをどんどん磨いて、その地域で絶大な信頼を得ているのである。

これらのことから言えるのは、すべての分野で一流である必要はないということです。
そのようなことに取り組む必要もない。
唯一資格取得の受験校の講師として役立つくらいである。
それよりも、一つの分野に特化して技なり技術を磨き上げていくことが極めて大切になるということです。ですから、苦手な分野を普通のレベルに引き上げることに力を入れるよりも、自分の長所や強み、興味のある分野に最大限のエネルギーを投入した方が、自他ともにハッピーになるということなのです。自分の苦手な部分は、他の人に花を持たせるくらいの気持ちを持ち合わせるとちょうどよいくらいだ。





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Last updated  2024.06.03 20:37:40
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