森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.10.18
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カテゴリ: 感情の法則
それでは、「条件反射制御法」の実際についてみてゆきましょう。

たとえば、人を見ればつい悪口を言ってしまうという「癖」を治したければ、
「私は今、人の悪口を、言わない、大丈夫」
と言いながら、最初に胸に手を当て、つぎに離して拳を作り、その後、親指を拳に握りこむ等の、簡単で特殊な動きをします。

これをすることで、「ハマり」行動を意識、その精神活動の一部が作動し、大脳が刺激を受けます。この言葉付きの動作を「制御刺激」と呼びます。

初めのうち、「制御刺激」をすると大脳は刺激を受け、「ハマり」の行動に向かって「第一信号系」の反射連鎖が作動します。
しかし、「制御刺激」は意識的に行っているので、その「ハマり」行動を成功させません。
失敗させるのです。定着していたある行動を司る「反射連鎖」を作動させ、しかし、失敗させることを反復するのです。
そうすると、失敗する行動は進化を支えないので、徐々に弱まっていきます。
そのうち、「制御刺激」をすると「ハマり」行動が止まる合図となります。

以後は、「ハマり」行動への「欲求」が生じても、条件付けされた「制御刺激」をすることで「欲求」が数秒で消え去るようになるのです。

信じられないかもしれませんが、1日に20回以上、この作業をすれば、ほとんどの人は2週間ほどで、「制御刺激」とその後の「反応」が脳に条件付けられます。

1日20回、「制御刺激」を行うわけですが、 「制御刺激」と次の「制御刺激」まで、20分以上の間隔をあける、というルールがあります。

つぎに注意点について説明します。
1、「ハマり」行動をやめたいという希望や誓い、念じるものにはしません。
「私は今、飲みに行きたくない、大丈夫」とか、「私は今、確認行為をしないようにしよう」とか、「私は今、キレませんように」はダメです。

2、「制御刺激」の言葉は、自分が「ハマり」行動ができない環境にいることの確認、少なくともそれをしていない事実を確認するものにします。
たとえば、「私は今、ガスの元栓の確認行為をしない、大丈夫」「私は今、アルコールは飲まない、大丈夫」「私は今、キレない、大丈夫」などです。

3、もっともドキッとする「言葉」を探し、キーワードに選びます。
「私は今、暴言をはかない、大丈夫」よりも、「私は今、上司であるAさんに暴言をはかない、大丈夫」の方がベターです。

4、不安や心配ごとにとらわれている時よりも、比較的ほっとしている時間に「制御刺激」をすることです。ご飯を食べた後やきれいな景色を見ている時、友達から優しい言葉を言われたとき、犬と散歩している時、などです。

5、「制御刺激」の言葉には、「私は」「今」「大丈夫」を必ず入れるようにしてください。



第一ステージは以上です。ここでは要点のみを紹介しました。
病院で治療として行う場合は、疑似と呼ばれる第二ステージ、想像といわれる第三ステージ、維持といわれる第四ステージがあります。ここでは詳細の説明は割愛します。
くわしくお知りになりたい方は、下記の書籍をお読みください。
(「やめたいのにやめられない 悪い習慣 をやめる技術」 小早川明子著 平井愼二監修 フォレスト出版)

神経症で苦しむような人は、不安にとりつかれて生の欲望の追及は抑圧されるといわれます。





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Last updated  2021.10.18 06:34:32
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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