森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.01.21
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カテゴリ: 認識の誤り
為末大氏のお話です。

あるところに、小さな杭につながれているゾウがいました。
ゾウの力があれば、杭を引き抜いて抜け出すことができます。
ですが、ゾウは逃げようとしません。
なぜか。このゾウは子ゾウのときから、鎖でつながれていました。
小さな子ゾウの力では、杭を引き抜くことはできません。
何度も試みますが、どうしても杭は動かない。
そのうちに、「杭を外すことは絶対にできない」とあきらめてしまいます。
そして、二度と、杭を引き抜こうとは思えなくなった。


大きく成長した今なら、簡単に引き抜くことができるのに、そう思い込んでしまっていたのです。
このエピソードは、思い込みが限界を決めていることを示唆しています。
僕たちも、このゾウと同じ状況かも知れません。
限界の檻から抜け出す力を持っているのに、いつの間にか「自分にはできない」と思い込んで、可能性を狭めています。
(心のブレーキを外す 為末大 三笠書房 74ページ)

為末大氏は、強い思い込みを持って何事も決めつけてしまう人は、自分の可能性を閉ざしてしまうと言われています。

幼い頃に大きな犬に追いかけられて、怖い思いをした人は、大人になっても犬が怖いという気持ちで身構えてしまいます。
危害を加えるとは思えないような犬を恐れているのですから、傍から見ていると随分滑稽に見えます。
しかし怖いという思いにとりつかれているので本人はどうすることもできないのです。それは脳が何者かに洗脳されて、乗っ取られてしまっているようなものです。

参考までに新興宗教が信者を洗脳する方法を見てみましょう。
洗脳方法としては、まず狭い部屋に閉じ込めます。

睡眠不足にして精も根も尽きたような状態にします。
大音響の音楽をなどを流して、逆らう気力を奪い取ります。
次に暴力や強迫により恐怖感を植えつけて服従させます。
そしてパニックになったところで、教祖様が優しい声掛けや援助の手を差し伸べます。正常な思考能力が発揮できない状態になって教祖様の言いなりになってしまうのです。
このような手順で洗脳されてしまうと、人間の脳は簡単に他人に乗っ取られてしまうのです。


どんなことに注意すればよいのでしょうか。

森田理論では他人のうわさ話を無条件に信用してはいけないといいます。
またネットの情報をそのまま鵜呑みにしてはいけないと言われています。
自分の目で検証したものだけを真実として取り扱う。
自ら検証していないものを真に受けることは大変危険です。
自ら足を運んで事実をこの目で確かめるという態度が重要になります。

次に事実は大雑把に取り扱うのではなく、具体的に細かく見ていくことが欠かせません。
もし、「みんながそうだと言っている」「それは社会の常識である」「以前からそういうやり方だ」「いつもミスや失敗を繰り返している」「絶対に間違いない」「それは絶対に正しい」などという言葉を頻繁に使っている人は要注意です。
これらの言葉は事実を軽視ないしは無視しているのです。
先入観、決めつけ、思い込み、早合点で事実と観念を混同してしまうと森田でいう「思想の矛盾」で苦しむことになります。





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Last updated  2025.01.21 06:37:17
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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