森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.04.12
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登山家の小西浩文氏のお話です。

1996年秋、私は標高8848mのエベレストの無酸素登頂に挑みました。
パートナーはロブサン・ザンブ―という高地民族の男性でした。
標高7500mの斜面を登っていた時、私たちの遥か上、標高8000mの地点で大雪崩が発生したのです。
幅200mもある見たこともない巨大な雪崩が、時速数100キロという信じられないほどのスピードで目の前に迫ってきました。
私は間一髪で一命を取り留めましたが、ロブサンは大雪崩に巻き込まれて帰らぬ人となりました。

しかし今思うと危険を知らせる予兆があったのです。
それはロブサンが6500m地点で、私に5300メートル地点にあるベースキャンプに引き返して、仕切り直さないかと提案してきたのです。
ロブサンはかすかな予兆を感じていたのだと思いますが、私はそれを拒否しました。そのあげくの大惨事です。

私のこの辛い経験を通して言えるのは、すべての事象には必ず何らかの前触れがあるということです。
それは多くの場合、微かな兆しのようなもので、気づかずに終わってしまうことが多くあります。
しかし、その兆しをキャッチすることは危機管理の上ではとても重要なのです。

(1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書 藤尾秀昭監修 致知出版社 271ページ)

これは森田理論にも関係のある話です。
感情の法則3に「感情は同一の感覚に慣れるに従って、にぶくなり不感となるものである」とあります。
湯船につかるとき、初めは熱いと思ってもしばらく経つと適温と思うようになります。湯船から出るころには少しぬるいと感じることもあります。

これは感情の法則3を生活の中で応用する方法を教えてくれています。
すばらしいひらめきや思いつきも、何もしないでそのまま放置していると、時間の経過とともに忘却の彼方に飛び去って消えてなくなります。
そうなると、感情の法則3は宝の持ち腐れとなります。
細かいことに気づかない人と何ら変わらないということになります。

神経質者は高性能レーダーを標準装備しているようなものです。
それを有効に活用するためには、最初の小さな気づきを見逃さないようにすることが肝心です。
面倒くさいと思ってもメモしておくことです。走り書きでも構いません。

神経質性格のプラス面をとことん活かすことが我々の取り組むべきことだと考えます。





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Last updated  2025.04.12 06:36:33
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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