森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.05
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障害児が生まれた場合、それを受け入れることは難しくなります。
みんなが元気な健常児を生んでいるなかで、どうして自分だけがこんな目に遭わないといけないのか。
神さまはどうして私にこんな過酷な仕打ちをするのか。
普通でないことは絶対に受け入れられない。世間体が悪い。戸籍が汚れる。
うちの血筋にそんな人はいなかった。兄弟姉妹が結婚できなくなる。
次第に現実に向き合うことができなくなり、現実否定をするようになる。
運命を呪い、育てていく自信がないといって、祖父母に養育してもらう。
施設に預けて養育放棄してしまう。面会も間隔があくようになる。

介護について森田先生は次のように説明されている。

例えば母親が腹が痛いときに、初めはうるさいと思いながらも世話をしている間に、ついその気につり込まれて、母が気の毒になり、自分もその痛みに同感して、ハラハラするようになる。
(森田全集 第5巻 554ページ)

自分も仕事を持っていて手一杯なのに、母親の介護も引き受けることは大変なことです。
寝たきりになって下の世話までしなければならないとなると考えただけでもしり込みします。
労力的にどうにもならない人は仕方ありませんが、ここで大切なことは、 不快な感情を持ったまま母親に寄り添い、必要最低限の介護をしていくことです。

母親と触れ合うことが大事になります。
すると母親と自分との間に心の交流が生まれます。
子供の頃の懐かしい思い出がよみがえり快の感情も湧き上がってくるでしょう。
自分が病気になったときや困ったときに誠心誠意支えてくれたことなども思い出すでしょう。

最初はイヤイヤしていた介護が当たり前の日常茶飯事となり、感情の交流が始まります。
面倒だと思っていた介護がかけがいのない母親との触れ合いに変わってきます。

共感や受容の気持ちは、介護の必要な人に寄り添い、世話をしているうちに自然に生まれてくるものです。
ロジャーズは「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しくなるのだ」と言いましたが、愛情は実際に介護に取り組むことではぐくまれてきます。

犬や猫を飼っている人は、かいがいしく世話をすることによって、家族同様の愛情を育てています。
食べ物を与え、下の世話をしてやることで愛情が深まり、自分の癒しに繋がっていることがわかります。

私はメダカを飼い、ベランダでアジサイなどの季節の花を育てています。

また田舎では自家用野菜の手入れに余念がありません。
この連休は田舎に帰り、ミニトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、カボチャの植え付けをしました。
土つくり、黒マルチ張、風よけネット張り、ミニトマトの雨除けと二日がかりの作業となりました。
今はタマネギやジャガイモが大きく成長しています。
世話をする対象をいくつも持っていることは、精神の安定に大いに役立っていると思っています。





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Last updated  2025.05.05 06:42:28
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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