森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.08.07
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レイノルズ博士のお話です。

私たちアメリカの森田療法によりますと、神経症が治る過程には、次のような段階があります。
1番の段階は部屋が汚くても、それに掃除機があっても、自分の悩みでいっぱいですから何もしない。
イヤー、汚いなあという感じで、それは悩みの最低の状態です。

次の段階では、自分の悩みから逃げたいから掃除機を使って掃除をする。
それは気をそらすためですが、これは最低よりはよいです。
部屋はちゃんときれいになるし、一時的には治るのです。

次の段階では部屋が汚いから掃除をする。
症状があってもなくても、部屋が汚いからきれいに掃除をする。

2番目と3番目の違うところが分かりますか。大事なポイントです。


実はもっと良い段階があるのです。
ちょっと宗教的な感じになるのですが、 部屋が汚い、いつの間にか掃除機が動いている。 そして部屋はきれいになる。
というように、そこには自分という気持ちが全くないのです。

「症状があってもなくても、部屋が汚いからきれいに掃除をする」というのは、 ​​感情と行動は別物​​ と考えるということだと思います。
感情と行動の分離とも言いますね。

森田先生は修養の程度を小学校卒業程度、中学校卒業程度、大学卒業程度に分けて説明されています。
小学校卒業程度は、「気分の悪いままにこらえて働くことができる」段階だと言われています。
不安や症状、感情や気分は天気と同じ自然現象なので、我々が思うままに自由にコントロールできるものではない。
その時の状況にもよりますが、仕事がある、人と会う約束があるという場合は、どんなにおっくうでも足をひきずってでも行動しなければなりません。

最初は嫌で仕方なかったのに、弾みがついて時のたつのを忘れるほどのめり込んでいたという経験はほとんどの人が持っています。
(森田全集 第5巻 652ページ)

レイノルズ博士の「部屋が汚い、いつの間にか掃除機が動いている」という段階は、何も考えなくても身体がすっと動いている状態です。
この次に何をしようかと考えてから行動している訳ではないのです。
私の体験では基本的に毎日同じ時間に同じ行動をしているという習慣が出来上がってくると、自動的に身体が動くようになります。


1994年9月号の生活の発見誌の載っていた記事をご紹介します。
「生活が不規則でバラツキが多くがまんができない、気分本位になりやすい」という方は次のようなことを心がけるとよい。
​決まった時間に起きて、食事をとり、眠る。​
そういうことができてくると、気分に振り回されにくく、ちょっとのことはがまんできるようになります。
ちょっとのがまんが非常に大切で、これが大きながまんへとつながり、症状やそれにともなう不安・恐怖・苦痛がありながらもそれに耐えて必要な行動がとれるようになっていきます。





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Last updated  2025.08.07 06:36:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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