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正式名称は知らない。
誰が決めているのかも知らない。
でも突然、
「今日、牛乳持って帰っていいですよ〜」
と言われる日がある。
しかも普通にうれしい。
冷蔵庫を開けて、 「あ、牛乳ある」 と思える安心感はかなり強い。
だから私は遠慮なくもらう。
もちろんもらう。
むしろ少し早歩きでもらいに行く。
牛乳を手に入れた日の夕飯は、だいたい決まっている。
ミルクスープか、シチューだ。クラムチャウダーもいい。
牛乳というのは不思議なもので、 ただ飲むより、 「料理に使える」 と思った瞬間に急に豊かさが増す。
冷蔵庫の残り野菜を切って、 ベーコンを入れて、 コンソメを入れて、 最後に牛乳を注ぐ。
それだけで、 なんだか“ちゃんとした生活”になる。
シチューの日なんか特にそうだ。
じゃがいも、 にんじん、 玉ねぎ。
煮込まれている鍋を見るだけで、 「冬を生きている」 という気持ちになる。
別に冬じゃなくても作るけど。もうすぐ夏だけど。
それにしても、 「牛乳をもらって帰っていい日」という文化、 かなり好きだ。
給料アップとか、 豪華福利厚生とか、 そういう派手さはない。
でも、
「余ったのでどうぞ」
みたいな優しさには、 妙な生活感がある。
人間は案外、 そういう小さいことで機嫌よく生きられる。
牛乳一本で、 今日の献立が決まり、 帰宅後のテンションが少し上がる。
十分すぎる効果だ。
そして帰り道、 エコバッグの中で揺れる牛乳を見ながら思う。
今日はミルクスープにするか。
いや、シチューか。
そんなことで少し楽しみになれる日は、 たぶん悪くない日だ。
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