2005/07/10
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--------------------20話のつづき--------------------






俺たちは永遠と続くような階段を、ゆっくりと注意深く降りる。

しかしこの階段、こんなに長かったっけ?

みんな口にしなかったが不安の色は隠せない。

やはりこの学校はおかしい・・・・・

どんどん変化していっている。これも、残りのマメオの力の影響だろうか・・・?

なんとなくどんどん空気が重なっているようだ・・・

おれの第六感がそういっている。かなり的外れな時が多いが・・・

そんなことを考えているうちに階段の終わりが見えてきた。



モコトが廊下に響き渡るくらいの大声で叫ぶ!!

みんながモコトを殴る。もちろん8割がたの力でだが・・・

「す・・・すまん・・・・ゴボボッ」

モコトが床にうずくまり悲しげな顔で言う。

モコトに物事を分からせるには、もはや暴力しかないのだ・・・この一日でおれたちは学んでいた。

致し方ない・・・なんせ俺たち全員の命がかかっているのだ。



その後、俺たちは無言で長い廊下をひたすら進んだ。

ここまでくれば、後は逃げるだけだ。

もう少し・・・もう少しでこののろわれた学校から抜け出せる。

その時、ふとした違和感が背筋を凍らす。

しかし・・・・・なんだ?何かがおかしい。



「ま・・・ま・・・・窓がねぇて・・・・」

ハッとした!俺たちは辺りを見渡す。

そうだ!どこにも窓が無い!!!

これでは逃げられないではないかっ!!!どないなってんねん!!!

「ぶごぉぉぉっぉぉおぉおぉおおおおん!!!おおおん!!」



「モコト!!だまれ!!奴に見つかる!!」

拓飛がモコトの口を無理やりふさぐ。

駄目だ!拓飛!そんなんではモコトには効かない!!

そう言おうとした瞬間、拓飛が小さな悲鳴をあげる。

見ると拓飛の手から赤い鮮血が滴っている。

「拓飛!!大丈夫か!!」

みなが駆け寄る。

どうやら取り乱したモコトに噛まれたようだ。幸い傷は浅いようだ。

「大丈夫だ!!だいじょうぶ・・・」

拓飛は平静を保って言った。

「す・・す・・・すますますまん・・・・こ・・・拓飛・・・」

タックにボコボコに殴られて、やっとのことモコトは事の重大さに気づいたようだ。

「大丈夫だ。とにかく同じ方向に進めば必ずどこかに突き当たる。そこから逃げ口を探そう。」

モーテルがいつになく真剣に、そして力強く言った。

混乱を避けるための早めの対処のようだった。

おれたちはとにかくまっすぐに続く廊下を歩いた。

どこに二人目のマメオトコが潜んでいるか分からない。

そんな恐怖がみんなの足取りをさらに遅くした。



どれくらい歩き続けただろう。

ゆうに30分は歩いているだろう。時刻は午前4時になろうとしていた。

おかしい・・・これだけ歩いても突き当たる気配がない。

廊下は真っ直ぐに闇の中へと続いている。まるで俺たちを飲み込もうとするかのごとく・・・

その時タックが叫び指差した!

「オーマイガッ!!!ガッ!!」

その先には少し固まりかけた血の痕跡が残っていた。

血は点々とその廊下の先へと続く。

モコトが震えながら近づく。

「こ・・・これは・・・・・・・さっき拓飛が流した血じゃねーか?」

てめーが噛んでおいてよくも平然と言えるものだ。

俺はあたりを見渡す。

すぐ近くに階段があった。俺たちはあそこから降りてきたのだ。

なんてこった・・・・・

また同じ場所に戻ってきたって事か??

「これじゃ、いつまでたっても出られねーよ!!!!!!!ごごごごごごご!!!」

あの冷静なタックまでもが取り乱す。

「ボンバイェッ!!イエッ!!!」

モーテルが訳の分からんイノキイズム的な奇声出しながら、胸の前で腕をクロスさせそのまま近くの壁めがけてダイブした。

モーテルが突っ込んだ壁は見事に崩れ落ちた。

なんちゅうこっちゃ・・・壁が壊れるなんて・・・・

でも・・・・この学校ではありえないことがありうるんだ。

そうなんだ。驚くことばかりが起きる。

「つっ・・・つつつ・・つっ・・・・」

後ろで弱々しいうめき声が聞こえる。振り返れると拓飛が泣いていた。

こんな拓飛ははじめて見る。俺のライバル拓飛・・・マメオを倒した拓飛・・・

あの拓飛がこんなに小さく見えるなんて・・・

「だっ・・・だぁて!!!だっ・・・だぁて!!!だっ・・・だぁて!!!」

リョウは頭を壁にしこたまぶつけている。

その横でモコトは腕を組み、ジッと目を閉じ険しい顔をしている。

何でこんな時は取り乱さないんだろうか?つーかリョウを助けろよ!

やはりモコトは狂っている。



「リョウやめろ!!!!」

リョウの混乱ぶりが一番やばかったのでおれは必死にリョウにしがみつく。リョウは頭から大量の血を流している。

「みんなとにかく落ち着くんだ!!」

おれが大声でみんなを制する。おれだって・・・おれだって泣き叫びたい気分だ。

しかし、ここで泣いていてもどうにもならない。

とにかくもう一度脱出方法を考え直さなくては・・・

その時・・・

「お・・・おい!!みんな来てみろよっ!!」

後ろの方で慌しい声が響いた。見るとモーテルが興奮気味に手招きしている。

「なんだ?何があった!?」

おれは良を羽交い絞めにしたままモーテルのところへ向かう。

「こっ・・これを見てくれよ!」

興奮冷めやらぬ様子でモーテルが指差す。

モーテルは先ほど破った壁の穴を指差す。

外に出られるのか!?そう思ったが違った。

穴の向こうは部屋になっていた。

驚くほどゴージャスな部屋だ。ヨーロッパ中世を髣髴とさせる家具の数々、至る所に金らしきものが使われている。

煌々とした明かりが暗い廊下に漏れている。

俺たちは導かれるように中に入った。

中は広く20畳はゆうにある。

冷房が効きひんやりとした空気が俺たちのほてった肌をしずめてくれた。

「ここでもう一度作戦を練ろう。」

おれが言った。みなが賛成した。

俺たちは冷蔵庫にあったジュースを取り出して大きなソファーに身をゆだねながら現状を確認しあった。




現状で分かっていることは4つ。





1つはここがおそらく1階だということ。階段を降りきったのだから単純にここが一階だと思いたい。

2つ目はここのメイン廊下が螺旋状になっているだろうと言うこと。これはほぼ確実だった。

先ほどリョウとタックがもう一度この廊下に印をつけながら回ってみたところやはり一周してしまったからだ。

3つ目はまだ残りのマメオトコが復活していないだろうと言うこと。これは確信がもてない。

だがこの1階に来てからまだ一度も出てきていないと言うことは、まだ復活していないのだろう。

そう思いたい。願いたいし、頼みたい。

4つ目は・・・・・モコトはやはりいかれているだろうということ。ここはかなり念入りに注意を呼びかけた。

マメオトコ達から逃れるためにはモコトの抑制が必要不可欠だ。

モコトの突拍子もない行動が、命取りになる可能性は高い。





余談だが、この話しをしている時もモコトは真剣なまなざしで、頷いていた。

とても良いことだ。しかし!!!

自分のあまり良くない話を他人事のように真剣に聞く姿勢がそもそもおかしい。

本当に分かっているのだろうか?・・・・・心配でしょうがない。

まあとにかく結果はというと、脱出するには途中で外側に分岐している廊下をしらみつぶしにあたるという原始的な方法しか見つからなかった。

と、その前にこの部屋をしっかりと調べる必要もありそうだ。





取りあえず皆でこの部屋を調べた。

だが特にめぼしいものはなかった。期待はずれだぜ。

おれはふぃーっとへんなため息をついて、近くのタンスにもたれ掛かった。



ゴゴッ



変な音がしてタンスが少し動いた。

なんだぁ?変な感触だぜ。

ちょっと力を入れてみる。

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ

とたんにタンスが動き出した!

そしてそこにはポッカリと地下にのびた階段が現れた。




















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Last updated  2005/07/11 06:26:46 PM
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