hongming漫筆

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1999.07.07
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カテゴリ: 欧米露の本




 「ふ・た・り・は、あーおいむぎ」というのは遠い昔に聞いた伊藤咲子の歌だ。当時、『青い麦』というタイトルの小説があることは知っていて、それから取ったのだな、とは思っていたが、読むのは今回が初めて。
 読んでいるうちに『肉体の悪魔』を思い浮かべ、フランス人というのはよくもまあ、こんな事ばかり考えていられるものだ、とも思ったが、重要なのは何が書いてあるかではなく、どう書いてあるか、ということなわけで、翻訳を通してではあるが、日本人との違いをいろいろ考えさせられた。
 例えば、
「夜明け方から、やがて熱した地表が、耕した畝(うね)の、脱穀された麦の、湯気を立てる堆肥(たいひ)のにおいを、爽(さわ)やかな海の風に吹き払わせる時刻になるまでここ数日の八月の朝には、秋の匂いがしみていた。生垣(いけがき)の裾(すそ)には、いつまでも消えずに露が光っていた。」(p35)
 などという文章だけでも、感覚の違いが伝わってくる。
 物語は、十六歳の少年と十五歳の少女の恋愛の物語なのだが、混乱・当惑・嫉妬というものが詳細に描かれている。こういうのを翻訳するのは大変だろう。 





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Last updated  2005.04.01 21:48:53
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