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2005.01.08
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カテゴリ: 江戸時代を知る
筑摩書房
古典日本文学全集27
1960.8.5

 馬琴の作の現代語訳。完訳ではなく、「この訳文では物語の展開に無関係な考証の類はすべて割愛した」と訳者の解説にある(p416)。
 子どもの時に、子ども向けに書き直したのを読んだことがあり、源為朝が主人公であちらこちらをさすらうということだけ覚えていた。それは琉球のところは入っておらず、解説で続きがあるということを知って読んでみたいと思ったものだ。
 とにかくまあ長い話で、よくこんなものを考えつくものだ。
 解説によれば「 水滸後伝 」を粉本としているということで、確かに、李俊を為朝に、シャムの国を琉球に置き換えているとは言えるが、形は似ていても中身は全く違う。
 「水滸後伝」では再び梁山泊の縁者が集って終わるのに対し、「弓張月」は主人公の死(というより昇仙)を以て終わり、家族は離散状態のままだ。

 為朝はとにかく行く先々で子供が生まれ、それぞれ非業の死を遂げたり、他家で成長したり琉球の王となったり。
 思わぬ人が思わぬところで結びついていたりして話は複雑。
 最初から全体の構想はあったのだろうが、人気が出てのばしていくうちに思いついたものもあるだろうに、大きな破綻がないのは立派なものだ。

 訳者解説のほかに、幸田露伴『馬琴の小説とその当時の実社会』、真山青果『馬琴と女』、中谷博『「椿説弓張月』とその影響」、花田清輝『「為朝図」について』を収録。





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Last updated  2005.01.08 13:30:05
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