hongming漫筆

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2005.06.13
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カテゴリ: その他の読書録
 新潮文庫。1991.6.25

 戦後、朝鮮戦争までの平和な時期に高校生活を送る主人公。
 遠縁に当たる美少女との出会いや、映画研究会の仲間との騒動。
 朝鮮戦争が、暗い時代が再び来ることを思わせ、結末はベトナム戦争中。
 「あとがき」によれば、これは作者の「最初の、そしておそらく最後の〈青春物語〉である」ということだ。
 しかし、「イエスタディ・ワス・モア」なども青春小説ではないのだろうか。
 作者は、舞台となった時期の細部を描かずにはいられない。
 ヒット曲名、公開された映画、人々の風俗。
 物語を書くことよりも、あの時代を再現することに情熱を注いでいるようにも見える。

 「ずっと畑が続いててね、田舎よ」というせりふがある。(p249)
 実は一時期住んでいたことがあるので懐かしかった。

 「Red roses for a blue lady」という歌が出てきて、その大意を示すところにこうある。
「ゆううつな彼女《レディ》のために紅いバラを包んでくれ。この町でいちばんかわいい娘《ギャル》に届けておくれ」(p237)
 今では「ギャル」という語は普通に使われているが、戦後すぐに知られていたのだろうか。
 私は、1979年に、沢田研二の「OH!ギャル」という歌を聴くまで知らなかった。
 「ガール」の俗語だということを辞書を引いて知った記憶がある。
 歌にすでに「ギャル」という語が使われているのか、作者が「ギャル」にしたのか知りたいと思って検索したら、歌詞が見つかった。
 「Send them to the sweetest gal in town」となっている。
 もとの歌で「ギャル」だったのだ。

 それにしても、小林信彦の本が、古本でしか手に入らないのには驚く。

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Last updated  2005.06.13 10:16:55
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