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2007.01.05
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カテゴリ: その他の読書録
我利馬《ガリバー》の船出

 初めて灰谷健次郎の本を読んだ。
 有名な人だから名前は知っていた。本屋で著作をたくさん目にした。
 しかし、読んだことがなかった。
 どうも、私とは合わないような気がしていたのだ。
 今回、たまたま近くにあったので読んでみた。

 主人公が十代の少年なので、少年向けのものかと思ったら、大人向けのものだった。
 「生まれ変わりたいと思うことだけが生きがいの人間」が、自力でヨットを作り上げ、何もかも捨てて海にでる。そして、「ガリバー」のような経験をする。
 主人公の造形は深い。

 「自分の氷菓子をぼくにしゃぶらせてくれる弟が、給料日前のなけなしの生活費をくすねて買い食いをする。」というのが実に現実的だ。
 人間の内面は現実的だが、主人公が経験するできごとはファンタジーだ。
 どのように結末をつけるのかと思ったら、「これで終わるはずがない」という終わり方になっていて驚いた。
 「あとがき」によると、これは物語の序章なのだそうだ。
 しかし、続きが書かれたことはないようだ。

 さて、読み終えた後、これからも灰谷健次郎を読む気になったか、というと、ならなかった。自分から積極的にこの人の本を手にすることはないだろう。

 私が読んだのは、新潮文庫(1990年2月)版だが、絶版。1997年に、作者が、范権を新潮社から引き上げたため。

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Last updated  2007.01.07 10:06:08コメント(0) | コメントを書く


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