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2010.05.28
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カテゴリ: その他の読書録
どくとるマンボウ追想記
 一冊読むと後を引く北杜夫。
 どうもこの本は読んだ記憶がない。息子が買ったらしい。
 最後まで読むとわかるが、これは、「どくとるマンボウ青春期」に書いた時期より前のことを書いたものである。
 生まれたときから、松本高校に入学するまで。
 「楡家の人々」に書いた時代なので、そのことが何度も出てくる。
 小説を事実そのままと思う人が多いらしく、小説は現実とは異なる、ということを何度も書いている。

 「教練」は苦手だったが勉強はできたということが語られる。
 ほかの本で読んだことも出てくるが、追想に重複は避けられない。

 表記の面で、ほかの本では見られないような「々」の使い方が引っかかる。
父母の部屋々々(p9)


高々度を保って飛来した。(p176)

 これは「高高度」と書くべき所ではないか。

 北杜夫の追想は、父が斎藤茂吉であること、自分が小説家であることなど、さまざまな鬱屈を抱え、それでもユーモアを表に出そうとしているところが、読んでいて興味深い。
 若いときには、ユーモアにしか目が行かなかった。

 自分の記憶だけに頼らず、かつての同級生数人に確認を取ったりしている。
 その時代の史料でもある。

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Last updated  2010.05.30 22:16:35
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