全30件 (30件中 1-30件目)
1
![]()
みなさん、こんばんは。ウィンタースポーツのスケートが始まってますね。一方で織田信成さんがモラハラを訴えています。さて、織田信成さんの遠いご先祖、織田信長と深い関係があった豊臣秀吉。彼の死後あっという間に豊臣政権が滅びてしまいましたが、それはなぜだったのか?本編はある人物に焦点を当てています。八本目の槍今村翔吾新潮社 まるで七本の槍が真ん中の一本を護っているような表紙だ。もうネタばらししているレビューもあるので言ってしまうと八本目の槍は石田三成で、おそらく表紙の真ん中の槍がそれにあたる。 八本目の槍はいちばん最初に折れてしまう。いわずと知れた関ヶ原の戦いで徳川家康に敗北した。そして他の七本の槍のいくつかは、その時三成と敵対した。 いつまでも槍呼ばわりしていると失礼なので名前と短編名を以下に記す。脇坂安治 惚れてこそ甚内片桐且元 助作は夢を見ぬ平野長泰 権平は笑っているか福島正則 槍を捜す市松加藤清正 虎之助は何を見る糟屋武則 腰抜け助右衛門加藤嘉明 蟻の中の孫六 七本の槍の方が歴史ファンに名高い賤ケ岳の七本槍である。時代が秀吉に大きく舵を切ることとなった柴田勝家との一戦において名を上げた七人の事を指す。但し別の書物には「先懸之衆」として七本槍以外にも石田三成や大谷吉継も含めた羽柴家所属の十四人の若手武将の名が挙がっている。百姓からの成り上がりで譜代の家臣を持たなかった秀吉のお得意プロモーション戦術の一つで、七人というのは語呂合わせだ。 語り手も七本なのにタイトルが八本目の槍なのは、彼らの人生に三成が大きくかかわっているからだ。本人が語らずとも七人が余さず彼について語ってくれるどころか、各篇では小大名だった頃から太閤に上り詰める秀吉を見ていた彼等が、自らの立場の変化や台頭しつつある家康に対してどう対していったかも綴られる。史実では三成を襲った者もいるが、秀吉との関わりも小姓になった時期も異なる彼らは、幼い頃友情を育み、誰もが三成に一目置いていた。「だから彼等に決定的な決別があったわけではない」とする説に基づく。大河ドラマ『真田丸』などで最近再評価も進んでいるとはいえ、本編の三成がまるで未来人のような発想の持ち主になっている。明治を通り越して昭和の戦後にいる人のようで持ち上げすぎの感もあるが、勝者の歴史が行き渡っている状況を想えば、これくらいは想定内なのだろう。【中古】 八本目の槍 /今村翔吾(著者) 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店
November 30, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。韓国ドラマを見ました。子育てを終えて久々にドラマに復帰した二人の女優の火花を散らす共演が見られますよ。とにかくヒロインがかっこ良かったです。ミスティ~愛の真実~Misty時の人として注目を集めていたゴルフ界のスター、ケビン・リーが殺害された。容疑者は3人の女性、妻、元恋人、そして不倫相手。稀代のスキャンダルに騒ぎ出すマスコミ。そして、この事件は過去のある事件を浮き彫りにし、完璧に隠していたヘランの秘密を世間に暴きだすことになるが…キム・ナムジュ 百想芸術大賞主演女優賞チ・ジニ アン・ネサン チョン・グクファン第1話「謎の女」ある雪の夜、交通死亡事故が起き、警察に1人の女が出頭する。彼女は韓国のトップニュースキャスター、コ・ヘラン。しかしイメージとは裏腹にキャスターの座を巡って後輩との熾烈な戦いに明け暮れ、夫との関係も冷え切っている。ヘランへの取り調べが始まる。8年ぶりにドラマ復帰の キム・ナムジュ さんがとにかくお綺麗でした。事件から過去に遡る展開。強かな後輩、局の顔をすげかえようとする上層部に孤軍奮闘で立ち向かう決して純真ではないヒロイン。なぜ夫がやり手の検事から稼げない国選弁護人になったのかも謎。第2話「スクープか母か」夫カン・テウクの冷たい態度に業を煮やすヘラン。謎のプロゴルファー、ケビン・リーが帰国するとの情報が入る。特ダネを取るために空港に向かわなければならないヘラン。時を同じく母が危篤に陥る。スクープを取るか、母を取るか。激しく葛藤するヘラン空港へ向かう道で一旦迷うもののやはり空港へ行ってしまうのがコ・ヘラン。言われたままにしておかないのがコ・ヘラン。可哀想だな、と思い手を差し伸べようとするとぴしゃりとその手をはねのけられそうな強い女コ・ヘランがただ一人動揺する男の正体はもう2話目でばればれ。第3話「独占インタビュー」ケビンの独占インタビューに成功するヘラン。実はケビンはヘランのかつての恋人だった。いまは旧友ソ・ウンジュの夫であるケビンだが、インタビュー中にヘランとの過去を匂わせるきわどい返答を繰り返す。焦るヘラン。ヘランの過去、現在、未来が激しく回り始める。看板番組を奪われる野心家の後輩に誘い水をかけることで元彼と後輩の二人を封じるネタを手にし、おまけに記者に恩を売る。これもまた“三方よし”。しかし最も自分を信頼する親友を傷つけることに。それほど手際のいい彼女がなぜブローチを残すミスをするのか。第4話「ブローチ」ヘランへの警察の取り調べで、車にあったブローチが焦点となる。ブローチは事故の日に「ニュース9」でヘランがつけていたものだった。一方、テウクはケビンとエレベーターの中で偶然出会う。ヘランのことを面白おかしく話すケビンとテウクは一触即発の危機になり...。とにかく今日の後輩にびしびし言うシーンで家人が「コ・ヘランかっこいい!」とうるさかった。言っているのは全て正論だとか。まあそうなんだけど友達はいないタイプだ。ただこれだけ胸に一物持っている人達が揃うとプログラファーの妻がただの良妻賢母とはとても思えない。第5話「愛の代償」キャスターの座から後輩のジウォンを蹴落としたヘラン。同僚と祝杯をあげているところに義母から電話が入る。義母から差し出された1通の書類。それは、テウクが書いた離婚届け。事態の急変に戸惑うヘラン。前進も後退もままならないヘランがとった行動とは...。正な社会の実現を目指すため名刺代わりにつかうはずだった夫の事を初デートの時、実は待っていたコ・ヘラン。素直さ、健気さを前に出せば動いたかもしれないテウクの心が再び硬化するのは尋常でない目つきで自分を睨むケビンがいたから。そして事件現場に落ちていた運命のブローチが登場。第6話「対決」ヘランはケビンのドキュメンタリーを制作するために南国・タイに飛ぶ。テウクもヘランを追ってタイに向かう。テウクとケビンは2人きりで酒を共にするが、その席でケビンがテウクに手渡したのは、あのブローチだった。なぜケビンが持っているのだろうか? 「げに恐ろしきは女の嫉妬」と言うけれど男の嫉妬もなかなか。女の嫉妬も知らない所で動き出す。しかし報道官候補の段階でこれほど職場・私生活に細かくチェックが入るのにリアル前韓国法相はなぜすんなり身体検査をクリアしてしまったのか。第7話「容疑者」ある朝、ヘランはモーニングニュースの代役を命じられる。その原稿を見てヘランは絶句する。前日の夜、ケビンが交通事故で亡くなったのだ。警察は他殺説をとり第一容疑者としてヘランを捜査している。テウクはヘランを信じようとするが、警察は有力な証拠を握っていた。代役でいきなり読み上げるニュースが元彼の死。動揺する姿と今までの態度から見ればヘランが犯人でないのは確か。では誰が?弁護士としてアリバイを確認するより夫として心配して欲しかったと夫に語り一人で報道陣の前に出ていくヘランがかっこいい。今回チ・ジニさんが悶えるヒロイン枠か。第8話「スキャンダル」ヘランはケビン事故の参考人として警察に呼ばれ四面楚歌に陥る。世間は憶測と好機のまなざしであふれている。味方は夫 テウクただ1人。ヘランはついに局長に辞表を出す。しかし、局長は意外な反応を示した。ヘランはその夜の番組で覚悟のコメントを発表する。現場にいて二人を見ていたと告げないまま弁護を申し出る夫。あの部屋に入るとは限らないのに撮影されたヘランとケビンの旅先の密着写真。刑務所から出て来る男。外出したのに嘘をついたウンジュ。ウンジュと親友であることを隠すヘラン。ケビンとの仲をウンジュに隠すヘラン。秘密と謎だらけ。第9話「チップの行方」事件のカギとなるヘランの車載カメラのチップをウンジュが偶然見つける。データを確認してあぜんとするウンジュ。一方、テウクはコネを使ってヘランの地位を守るために、法律家の集まりにヘランを連れていく。その時、ヘランに「人殺し」との脅迫メールが届く。事前に友人記者から「夫を動かせばいい」と言われていたシーンさえなければ「テウクは何て優しいんだ。これで夫婦円満でめでたしめでたし」と思えたものを、敢えて出してきたことでヘランの意図的な誘惑がテウクの掟破りを引き出したという見方が出来る。ウンジュが何を見たかは視聴者に一切見せられないが次回の展開で内容が察せられる。第10話「取り引き」ウンジュはヘランへの復讐のため、ケビンのスポンサーが起こしたCMの違約金訴訟の弁護をわざとテウクに頼むなどして接近を図る。一方、ヘランはケビンのマネージャーのペク・ドンヒョンから、金と引き換えにタイでの写真データを受け取ろうとする。「あなたがしてくれたことを今度は私が返す番よ」フツーに聞き流せばとてもいい恩返し台詞だが直前にウンジュが何を見たか知っているので言葉の裏が怖い怖い。いかにも世慣れていないふりで他人の夫を巧みに夜遅く自宅に呼び込むテクはさすが。ヘランとミョンウの関係を思い出すカン刑事。第11話「女の勘」タイで撮られた写真データをこっそり渡してきたのは、ヘランの高校時代の友人で刑務所から出所したばかりのハ・ミョンウだった。ヘランは写真データを処分する。次第に近づいてゆくテウクとウンジュの姿にヘランは悪い想像をしてしまう自分を抑えることができない。ヘランの忌まわしい思い出に関わる曲を「彼女の好きな曲」と過去を知らない夫テウクに伝えるウンジュ。怖い怖い。普段感情を露にしないヘランにこんな顔をさせるのは。妻のために嫌ってきた権力側につくのも厭わないテウク。彼の献身は報われるのか?第12話「罠」テウクは、絶対的な権力を持つゴールドムーン・クラブのメンバーであるカン・インハン代表が率いるカンユル法律事務所に復帰することを決める。そしてヘランは報道官に内定する。しかし復讐に燃えるウンジュはあらゆる手段を講じてヘランへの包囲網を狭めてゆく。今までのはジウォンへの愛の鞭だったのねと思うほど彼女を見る瞳が優しい。二人で力を合わせて企業の癒着を暴いたその夜にヘラン逮捕。それにしても勝手にウンジュの家に入ったテウクもあんな証言で逮捕した刑事もいいのかそれで。第13話「緊急逮捕」ヘランはジウォンが集めた写真を証拠に、カンへ建設とファニル鉄鋼の癒着を報道で暴こうとする。チャン局長はそれを止めるが、ニュースに並々ならぬ情熱を注ぐヘランは、反対を押し切って放送する。その直後、ヘランはケビン殺害容疑で緊急逮捕されてしまう。肝心の時に酔っ払って役に立たない旦那。ヘランが泣かない代わりに本作では旦那が苦悩したり泣いたり女々しい姿を披露する。頼りなさそうな弁護士しかいない絶体絶命をどうヘランは切り抜けるのか。女性記者と組んでいた理由が明かされる回。第14話「陰謀」ケビン殺害容疑で逮捕されたヘランへの厳しい取り調べが続く。ヘランは検察の発言や派遣弁護士の態度に腑に落ちないものを感じていた。ヘランはテウクからの「カンヘ関連のニュースは放送されなかった」という伝言で逮捕の真相に気づき、すぐにジウォンを呼ぶ。ケビン・リーの最期の日にハ・ジウォンも電話していた?最初からウンジュの復讐心に端を発したあやふやな物証なき証言に不正を正そうとするヘランを止めようとする巨大企業がのっかっただけのいい加減な逮捕。こんな不当逮捕在り得るのか。覚悟を決めた局長一下メディア人がカッコいい。第15話「宣戦布告」緊急逮捕の背後に、ファニル鉄鋼とカンへ建設、そしてチョン・デハン議員らが潜んでいることに気付いたヘラン。釈放されたヘランは「チョン議員をつぶす」とチャン局長に宣言する。そのためにチョン議員が買春をしているホテルに一気に乗り込む作戦を遂行する。実力はあるが嫌われ者のキャスターVS周囲という構図が報道VS巨大権力&汚職の温床の構図になってきた。「あなたは誰」状態のテウクと茫然とするヘラン。まだ二人にはお互いに言ってない秘密がある。何かとヘランに協力していた記者との結びつきの深さが明かされる。第16話「ヘランの過去」カン刑事はケビン殺人事件を洗い直すことを決める。その捜査線上に上がったのは意外にもジウォンであった。一方、テウクはウンジュからヘランの過去について知らされていた。それは19年前の宝飾店殺人事件の犯人がヘランであったというショッキングな話であった。ヘランはウンジュの言うような殺人者ではなかった。親友の仮面を脱ぎ捨てて復讐に立ち上がるけど失敗して泣くウンジュ。チ・ジニさん演じるテウクがヘランにメロメロで恥ずい。局長と競わせる策に乗ると見せかけながら何を企むのかヘラン。そして真犯人はまだ姿さえ見えない。第17話「すれ違う愛」ヘランが起訴される。副社長からヘランは呼び出され、局長就任の提案を受ける。その代わりにチョン議員の件を諦めろという。引き換えにヘランはカンユル法律事務所による弁護を依頼する。ヘランはこれ以上テウクを巻き込んではならないと別れを切り出す。何とも思っていないから利用することもできたが愛しているから今はそれができないヘラン。愛しているから救いたいテウク。前番組の 「マイディアミスター」の失業の危機を抱えた人達から見れば贅沢な悩みだな、と思いつつもゴージャスカップルだから似合うのか。第18話「目撃者」裁判の証人にケビン殺人事件の目撃者が現れたという情報が駆け巡る。公判を1週間後に控え、テウクと検察の攻防が始まる。一方、ヘランを付け狙う人影があった。それはケビンのマネージャー、ペク・ドンヒョン。ヘランをひき殺そうと車を発進したその瞬間。刑事が気づいたのはやけに自信ありげなテソクの態度。今までターゲットだったヘランではなくあの場にそういえばいたもう一人。ウンジュとは完全に決別したヘラン。それにしても起訴されながら企画を考え局長にも物申す神経の太さ。女性でトップに立つにはこうでなくてはならないのか。第19話「絶体絶命」ヘランの公判が始まる。ケビン事件の目撃者、オ・ミンチョルによる「実行犯は男性」という証言で、一瞬法廷は静まる。しかしそれもつかの間、次の証言で場内は騒然となる。さらにカン刑事は、ヘランが19年前の宝飾店殺人事件に深くかかわっていることを証言する。刑事がやけに自信ありげなのは事件について何かつかんでいるからで一方で検事が不安げなのはそうじゃないから。局長もジウォンもヘランもぐるで検事や自社の副社長を含めた権力との戦いに突入しているような気が。第20話「偽証」ヘランへの裁判が続く。1回目の公判で現れた事件の目撃者、ミンチョルの証言はテウクの反論によって覆される。ミンチョルはかつて高校の不正入試事件の容疑者としてヘランによって「ニュース9」で取り上げられ、退職に追い込まれていた事実が判明する。 ヘランを巡る一連の疑惑は払拭できたようだけど刑事の疑いは別の人に。今回はかなりしつこく食い下がっていたようだから視聴者もわかったのでは。それにしてもいい加減な証人と状況証拠で裁判が成り立ってしまう国なのだろうか韓国は。第21話「頂きの果てに」ヘランの事件を担当しているピョン検事は公判が無罪になった責任を取らされる。ピョン検事は一転して、ヘラン側の刺客となって動き出す。報道局では事態の真実を暴く特集番組の企画が進む。ニュースをつぶそうと激しい圧力がかかるなか、ヘランは倒れてしまう。義母が妊娠するための薬を夫の留守中に持ってくるという「82年生まれ、キム・ジヨン」大ヒット中の韓国からすればドン引きする初回から始まった本作も義父が高みを目指す嫁を応援するまでになる。しかし事件の真相の方は今まであまりにも近くにいすぎてノーマークだったあの人の所に刑事の目が。第22話「疑惑」判決後も真相を追い続けるカン刑事は、テウクを疑い始める。ヘランも事件当夜の交通違反切符をテウクの引き出しから発見し疑念を抱く。カン刑事は、ブローチがなぜケビンの車に落ちていたのかをヘランに問いながら、案外真犯人は近くにいる可能性をほのめかす。 刑事も記者もウンジュも皆ヘランの影にいた人物に気づき始める。そして他ならぬヘランも。最後の最後ハッピーエンドに至るかに見せかけて主人公を奈落に突き落としてきますなぁ。第23話「真相」ヘランはテウクのクレジットカード明細を見て、事件の日にテウクが新しいコートと靴を購入していた事実を知る。真相を告白するテウク。失望したヘランはテウクの手を振り切り、一人むせび泣く。しかしなぜテウクは事件をヘランになすりつけようとしたのか? テウクお前は今まで何をやってるんだと不満が殺到したであろう回。あれだけ妻が窮地に陥っているのに誰が犯人か知っているのに責め立てたのはなぜ?とクエスチョンマークが渦巻く。短い休暇と言ったあの人がまた刑務所に入るのか?それはいくら何でもひどすぎる。第24(最終)話「永遠の愛」テウクから自首するつもりだと聞いたヘランは、「もう少し考えよう」と説得するが、テウクの自首する意志は固い。テウクは自首のために警察に向かう。ヘランは、この事実を「ニュース9」で放送してほしいと局長に依頼する。その最中、真犯人の自首の速報が入る。『赤と黒 』で殺人を犯したにもかかわらずショッピングを楽しむ令嬢がいたけどやはり富裕層は生き残るのか?と思わせてあのラスト。今まで何があっても動じなかったヘランが初めて起こす放送事故。それもまた人間らしいと人気が出そうだが彼女は復帰できるのか。ミスティ〜愛の真実〜 DVD-BOX1 [DVD]ミスティ〜愛の真実〜 DVD-BOX2 [DVD]ぐるぐる王国DS 楽天市場店
November 29, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。1997年韓国に通貨危機が起こったのを覚えていますか?その時のことを映画化した作品国家が破産する日を見ました。国家が破産する日Default出演キム・ヘス ユ・アイン ホ・ジュノ ヴァンサン・カッセル 1997年の韓国。韓国銀行のハン・シヒョンが通貨危機を予測し政府は非公開の対策チームを招集するが、国家の破産までわずか7日に迫っていた。同じころ、危機の兆候を独自に察知した金融コンサルタントのユン・ジョンハクは、一獲千金をもくろむ。一方、町工場の経営者ガプスは、大手百貨店との大型取引を手形決済の条件で引き受ける。 韓国を震撼させた1997年の通貨危機の裏側を暴いた、史実に基づくドラマ。史上最悪の通貨危機に立ち向かった人々を描く。 理性の人、情の人、どんな時でも韓国の事を考える理想の人を体現するのがキム・ヘス演じるハンン・シヒョン。リーマンショックを予測して大儲けしたアメリカ映画『マネーショート華麗なる大逆転』の男達のように、韓国破産に賭けて大当たりする人―危機をチャンスに変える人の代表がユ・アイン演じるユン・ジョンハク。最後まで政府によって情報を隠された事により、対応が後手後手に回り、最も大きな痛手を被る庶民代表がホ・ジュノ演じるガプス。 “立ち向かう”とあるが実際にはほとんどの人は危機に負けた。韓国は一度破産してIMFに助けを求めたのだ人はウォンを売るのでウォンの値打ちがどんどん下がりまともな貿易ができなくなる。聡い人はドルに換える。困った人々が売る土地や家を雀の涙のような金額で買い叩く。以後、韓国では土地の再開発が始まる。。IMFは資金援助をするがこれは紐付きの金だ。金を出すなら口も出す。韓国の社会構造にまで口を出しドラマや映画で何度となく叩かれる大企業の台頭、政治がらみの汚職はここから拡大する。 隣の国の物語、他山の石ではない。日本の借金も膨れ上がる一方なのに、見せかけの豊かさに目を晦まされて拡大する一方の国家予算に誰も危機感を抱かない。円の値打ちが下がることなどない、日本の国が倒れることなどない、と無責任な自信によって未だ国際はほとんど国内で買われているが、日本にも“その日”はやってくる。映画のラストで生き残ったユン・ジョンハクの教訓は国家を信じないことだそうだ。さて、日本はいま、どれほどの国民に信じられているのか。国家が破産する日 [ キム・ヘス ]楽天ブックス
November 28, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。ローマ法王が来日されましたね。さて、今日はアイスランドのミステリシリーズ最新作を紹介します。厳寒の町Vetrarborginアーナルデュル・インドリダソン東京創元社 エーレンデュル捜査官シリーズ最新作。過去と現在を交錯させながら物語を進めるのがシリーズの定石だが、今回は少し異なる。今回過去パートは登場するが、メインの事件絡みではない。エーレンデュルを苛んできた弟の死が、娘やエーレンデュル自身の回想で語られる。つまり、メインパートの事件とは独立している。しかしその事実こそが、エーレンデュルが現在の事件に関心を持つ理由になる。 少年が刺されて発見されるが、兄の所在が不明だ。エーレンデュル自身も、かつて弟を亡くしており、娘に“なぜ死んだか”を問われるとむきになってしまう。見つからない被害者の兄にかつての自分を重ねるエーレンデュルには、まだ我々に語っていない秘密があるようだ。 移民問題はアイスランドでは“問題”として認識されるが、日本では移民は存在しない。しかし、人口は縮小の一途をたどる日本の労働力不足を補うための、期間限定の外国人労働者はいる。彼等の永住を日本は望んでいないため、教育や社会保障は充実しておらず、何かあった時彼等が訴えていく場もない。アイスランドの人々の差別意識を糾弾する資格は我々にはない。 移民問題にはぴんとこなくても、犯人の動機は日本でもよく見受けられる。あまりにもあっけらかんと行為を話す容疑者と、事の重大さに怯える関係者。彼等はこれからが大変だ。人を殺すことはどういうことなのか。なぜいけないのか。我々がもしこのような事件に立った時、ちゃんと教えられる大人になっているだろうか。本編ではエーレンデュルの指導係だったマリオンが遂に死ぬ。アイスランドでは失踪なんて珍しくもないんだ、というスタンスのエーレンデュルに、キャッチコピーの言葉のような常に原点に返るような問いを投げかけてきたマリオン。不在は、これからの彼の人生にどう響くのか。厳寒の町 [ アーナルデュル・インドリダソン ]楽天ブックス
November 27, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。壇蜜さんの結婚相手は『東京北区赤羽』の漫画家さんです。意外でした~。さて今日紹介するのは人気がある足利将軍義輝の物語です。剣豪将軍義輝宮本 昌孝徳間書店 あ、ここに、もう一人の武蔵がいる。それほどに、本書で語られる室町幕府13代将軍義輝の人生は、武蔵のそれと似通っていた。未熟な時代に、木に吊るされる。宿命のライバルと出逢う。愛する女性と離ればなれになる。そして歴史上有名人達と次々に出逢う。全国を廻る。戦う度に強くなる。しかし、彼と武蔵が決定的に違うのは、義輝が、滅び行く象徴である室町幕府の看板をしょって立たなければならなかった事だ。そして正にその事が、彼と武蔵の運命を決定的に分けてしまう。「義輝異聞 将軍の星」「青嵐の馬」収録の「白日の鹿」にもゆかりの人を登場させている著者の、義輝への思い入れは本当に強い。本書は、その彼が主人公。誰に遠慮がいるもんか、とばかりに『情に厚く、知力に優れ、剣が立ち、敵も味方に変える人間的魅力を持つ』等々優れたリーダーの素質てんこもりの義輝のイイ男ぶりを、存分に描き出す。著者が史実の隙間を見つけ、自由に想像の羽を伸ばして書いたと思われる戦国から安土桃山にかけて勇躍する武将達と出逢うくだりは、毎度の事ながら実在・架空の人物達のプロットへの関わらせ方や、史実への絡ませ方が非常に巧く、読んでいて最も面白かった。恐らく宮本氏が好きな・忍び・達の戦いっぷりも、義輝の一対一の剣戟の迫力に負けていない。明智光秀の登場場面も実にカッコイイ。信長にイビられ、秀吉との出世競争に汲々とする姿は、かけらも見当たらない若武者ぶりだ。年を取り、地位を得てゆくに従って、或る者は不遇を嘆き、或る者は疑り深くなり、或る者達は反目する運命にある事を、史実は語っている。でもこの物語ではみんな若い。信長23才、秀吉20才、光秀29才、家康15才、そして義輝が21才。恐るべきエネルギーと斬新な発想に溢れた彼等達は、仁義も信義もルールもない世界に生きているが、夢と希望をなくしていない、まだ。そんな彼等の前に立ちはだかるのが、もうダメか、もうダメかと思いながら、いつも危機を脱する松永弾正や、忍びの者の意地に賭けて死闘を挑む磯良、そして腕や指を切り落とされながら、義輝を生涯の仇敵と追い求める熊鷹。彼等は正に、はまり役であった。中でも主君兄弟をじわじわと追い詰める松永弾正の堂に入った策略家ぶりは、もう憎たらしいほど。義輝の向こうを張る悪役として、これ以上は望めまい。史実に添っているため、変えられない結末を前にし、ほんのわずかな時期を共にした若者達の、二度と戻らない青春の日々を涙と共にカプセルにつめる。こうして愛おしく、かけがえのないものを、また一つ、心の奥底に放り込む。【中古】 剣豪将軍義輝 上 新装版 / 宮本 昌孝 / 徳間書店 [単行本]【宅配便出荷】【中古】 剣豪将軍義輝 下 新装版 / 宮本 昌孝 / 徳間書店 [単行本]【宅配便出荷】もったいない本舗 おまとめ店
November 26, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。もうインフルエンザの予防接種は受けましたか?さて、今日はそれぞれ何らかの選択をする女性達の映画を紹介します。ライフ・ゴーズ・オン彼女たちの選択CERTAIN WOMEN出演 ジャレッド・ハリス ジャレッド・ハリス ジェームズ・ル・グロス クリスティン・スチュアート ローラ・ダーン 厄介なクライアントに振り回される弁護士のローラ、新居の建設のことしか頭にないジーナ、弁護士をしながら夜間学校で市民向けに法律を教えるエリザベス、牧場で孤独に馬と向き合うジェイミー。アメリカの小さな町の中でそれぞれ懸命に生きる彼女たちのたどり着く先は…。オープニングとエンディングは、ラジオ放送のナレーション。冒頭、真っ暗な中でしゃんしゃんと鈴の音がする。やがて明るくなると、遥か向こうに灯りが。列車だ。長い長い、どこまでも続きそうな貨物列車が画面を右後方から左前方へ。 ラジオのナレーション「厚い雲の間から日差しが覗くでしょう しかし日差しというよりかすんだ光といった程度で気温上昇は望めません」エンディングのラジオのナレーション「北部はさらに寒くなる」凍てついた天気は、4人の女性達の心情と重なる。 女性弁護士のローラは、クレーマー客フラーに「この件をあなたは訴えられません」と言っても聞き入れられず、思い余って、知人の男性弁護士のもとへ。ところが彼の一言でフラーはあっさり納得。自分も同じ事を言ってたのに、と恋人につい愚痴るローラ「男に生まれたかったわ 依頼人を勘単に納得させられるIt'd be so lovely to think that if I were a man I could explain the law and people would listen and say, "Okay"」だから彼女は会議と称して安宿で恋人とつかの間の逢瀬を楽しむ。 ジーナは開拓時代の砂岩が庭にあるアルバートを、彼がお気に入りの夫と共に訪ねる。つまらない冗談にも笑ってみせて、やっとの事で「売る」という答えを引き出したのに、夫は「考えが変わっても構わない」など彼女の努力に水をかけるような発言をする。たまの休みなのに何で外出を?と不満げな娘と母親を取り持つ、はた目にはいい夫なのだが、有能すぎるジーナは夫に見切りをつけている。 4人中きっぱりと“決断”するのが4時間かけて学校を教えに来る事になったエリザベス。彼女の授業を偶然聞いたことがきっかけで、馬と牧場の男達以外社会との接点がなかったジェイミーの世界がぱっと広がる。ろくな給料ももらっていないので彼女と一緒に食堂に入ってもジェイミーはろくに注文しない。馬に載せてあげたり、彼女の愚痴を聴いたり、最大限親切にしてきたのに、辞める時にエリザベスはジェイミーに連絡もしてこなかった。実際エリザベスがそこまでジェイミーに親近感を感じていたとは思えないような描写があるので、視聴者には十分納得できるのだが、ジェイミーは事務所の住所も電話も教えなかったエリザベスを自力で探し出す。この賢明な努力に対してエリザベスは「言いそびれちゃったけど運転が大変だったから」と当惑した顔しか返せず、かえってはるばるやってきたジェイミーの方が「邪魔する気はないけど二度と会えないのは嫌だから それだけ」と遠慮する。言いそびれたのではない。初めから言う気などなかったことを二人とも知っている。 三つの短編をベースにした映画で、最も印象に残ったのがエリザベスとジェイミーのエピソードだった。女性ならばわかりあえる、とか、時間をかければ共通点を見出せる、とか、安易な解決に向かわず、一方は傷を負いながら、一方は瞬時に田舎の女性の事を忘れながら、またもとの日常に戻っていく。寒くてどんよりした天気も、晴れの日も、変わらず大陸を横切る列車のように、同じ事を続けていく。ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択 [ ローラ・ダーン ]楽天ブックス
November 25, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。GSOMIA危うい所で回避しましたねぇ。でもこの先打開策は見つかるのでしょうか?今日はドイツの有名人に関わるエッセイを紹介します。希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話フランツ・カフカヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ飛鳥新社 「晩に、わたしは千匹のハエをたたき殺した。それなのに早朝、一匹のハエに起こされた。」ちなみにこれは比喩である。実際にゲーテが蠅殺しフェチだったわけではない。だって千匹ハエがぶんぶんいる場所ってどこ?で、一方カフカはぶんぶんうるさい蠅を叩こうとした少女に一言。「かわいそうなハエを、なぜそっとしておいてやらないのですか!」え、もしかしたら「夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な“ハエ”になっているのを発見した」りすると、イヤだから?んなアホな。 カフカは優しい、ゲーテは残酷、というわかりやすい話ではない。だが、この二人はあまりに違いすぎる。カメラのネガとポジのようだ。カメラのネガとポジのようだ。本だってどう?白と黒で差をつけちゃって。 友達になったら、いつでも訪ねてきていいよ、とオールウェルカムなゲーテ。「ひとりでいられれば、ぼくだって生きていけます。でも、誰か訪ねてくると、その人はぼくを殺すようなものです。」というカフカ。そんな事言ったら誰も訪ねて行きにくくなっちゃうじゃん! 作家だけでなく政治向きの仕事もしていたゲーテは「仕事の重圧はいいものだ。」と前向き。しかしカフカは「しばらく事務所を離れていられると思うと、嬉しくてたまらないよ。」天性のナマケモノ?両親に対する見方や希望に対する考え方など、悉く二人は対立するので、実際に会っていたら“会話”が果たして成り立っていたのか。最後に二人の写真があるが、二人ともイケメンだ。絶望に走りたがるカフカにいつも付き添ってくれる友人と一度別れても再び恋人になってくれる女性がひたすら尊い。希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話【電子書籍】[ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ ]楽天Kobo電子書籍ストア
November 24, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。SF作家の眉村卓さんが亡くなりました。最近訃報ばかりですね。今日は映画の紹介です。ドイツ映画5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~を見ました。5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~MEIN BLIND DATE MIT DEM LEBEN監督マルク・ローテムント出演コスティア・ウルマン真面目で成績優秀だったサリアは、先天性の病気により10代の時に95%の視覚を失った。だが彼には、5つ星ホテルで働くという諦めることができない夢があった。目が見えないことを隠してミュンヘンの一流ホテルで見習いを始めたサリアは、親友の助けを借りながら持ち前の明るさと努力で研修課題をクリアしていく。しかし、職場で恋をしたことから慎重に築き上げてきた偽装が崩れ始め、厳しい現実の中で自分の目標も失い始める。 本当に視力が落ちたのは、さあこれから学校を卒業して未来に飛び立とう!としていた頃なので、彼の陥った絶望は並ではない。父親の「現実を見ろ。マッサージ師か電話対応か」というアドバイスも外れてはいない。実際、目が見えない状態で危ない刃物が飛び交う厨房に入ったり、道を歩くのだって危ない。今回はなかったものの、災害が起きた時には、いくらホテルまでの道を覚えていたとしても、たどり着くのは困難だ。ただ、サリヤはやり遂げた。一人の力ではなく、研修の時に助けてもらった事を機に父親のレストランで練習をさせてくれたり、何度も彼のピンチを救うマックスや、厨房で知り合ったハミード、研修の時に彼の障碍を見抜いたコックなど、働きやすい環境を整えてくれた周囲に支えられてやりおおせる。だからこれは奇跡ではない。いくつもの人の善意が積み重なった結果である。一方サリヤも奇跡的な記憶力でマックスを救い、母国では外科医なのにドイツでは皿洗いに甘んじているハミードを助ける。視力が弱い事は何もできないことではない。移民問題に対して厳しいと思われるドイツで、明らかに肌の色が異なるサリヤが能力で正当に評価されたのは素晴らしい。 視力をほとんど失ったことを隠してドイツの5つ星ホテルでキャリアを積んだというホテルマンサリヤ・カハワッテの著書「My Blind Date with Life」を映画化で大ヒット。主演のコスティア・ウルマンは、特注のコンタクトレンズで視力を抑えるという演技アプローチで役に臨んでいる。5パーセントの奇跡 〜嘘から始まる素敵な人生〜 [ コスティア・ウルマン ]楽天で購入
November 23, 2019
コメント(0)
みなさん、こんばんは。イギリスの次はドイツの小説、ドラマ、映画を紹介してみます。放送されていたアメリカドラマバビロン・ベルリンを見ました。完走しましたよ~。素晴らしい完成度です。バビロン、ベルリンBabyron,Berlin■キャストフォルカー・ブルッフリヴ・リサ・フリースペーター・クルト■スタッフ監督:トム・ティクヴァ、アヒム・フォン・ボリース、ヘンドリック・ハンドレーグテン舞台は1929年、ワイマール共和国時代のドイツ。ケルンからベルリンに赴任してきたゲレン・ラート警部は、ヴォルター上級警部と共に地下シンジゲートのポルノ犯罪を捜査している。貧しい一家を支えるため警視庁の記録係として働くシャルロッテ・リッターは刑事に憧れている。戦争によるPTSDに苦しみ薬物に頼るゲレオン。昼は記録係、夜は別の顔を持つシャルロッテ。時代の波に呑まれながらも懸命に生きる2人は、次第に革命と金塊が絡む巨大な陰謀に巻き込まれていく。第1話1929年、ベルリン。ケルンから転任したばかりのラート警部がヴォルター上級警部とともにボルノ映画の撮影現場に踏み込む。拘留された撮影監督のケーニヒは隠し持っているフィルムの所在を明かさない。貧しい家庭を支えるため、昼間は警視庁での事務員、夜は別の顔を持つシャルロッテは、ある日、殺人課の写真整理を任される。ソビエト連邦からベルリンを目指す1台の貨物列車。ロシア人に乗っ取られたその列車が国境を越えた知らせに、ベルリン在住のトロツキスト集団が歓喜に沸く。第2話ラートはフィルムの在り処を探るべく、ケーニヒに尋問を行う。しかし、尋問中にケーニヒはラートの拳銃を奪い自殺してしまう。ケーニヒは何者かに口封じをされて自殺したと踏んだラートは、引き続き黒幕の調査をする。カルダコフとスウェタは列車の“貨物預かり証”を入手。明日にはイスタンブールに行くことが決定し、トロツキストたちは旅立ちの準備にかかる。その頃、ソビエト大使館に1人の女が訪れる。女はトロツキストグループのリーダーがカルダコフであるという情報を流す。莫大な賠償金を背負い街には浮浪者が溢れ失業者は列をなして仕事を求める一方で若者は恋をし享楽的で刹那的。数少ない豊かさを享受する者もいる首都ベルリン。テロで革命を起こそうとする共産主義者も入ってきているワイマール共和国時代のドイツ。依存症のゲレオン警部が狂言回し。第3話ロシアの貨物列車がベルリンに到着。スウェトラーナは運転士に、行き先がイスタンブールからパリに変更になったと告げる。共産主義組織が5月1日にベルリンで禁止されているデモを強行するため、警察は厳戒態勢。その頃、運転士はカルダコフの下宿を訪れ、そこに滞在するラートと鉢合わせする。カルダコフの下宿を張っていたロシア人は、運転士を誘拐。彼を拷問し、貨物の中身と、イスタンブールに向かう理由を聞き出そうとする。第4話5月1日。ラートとヴォルターは、共産党のデモ隊と警察部隊の騒乱に巻き込まれる。避難した先の住宅で、2人の女性が銃撃によって命を落としてしまう。彼らが遺体に付き添い解剖室へ行くと、殺人課のベーム警部がシャルロッテを伴い現れた。警部が担当する身元確認中の遺体は、ラートが見覚えのある男だった。その頃、駅で足止めされていた貨物列車は、介入してきたソビエト政府の要望により、車庫で積荷の調査が行われることに。ある晩ナイトクラブで友人と踊っていたシャルロッテを、1人の人物が待ち受けていた。招かれざる客の登場によってトロツキストカルダロフの金塊を用いた計画に図らずも近づいていくゲレオン警部。カルダロフを裏切るスヴェトラーナの目的は。ゲレオンを夕食に招きつつ彼を探るヴォルターに脅迫されゲレオンに協力者を申し出るシャルロッテ。第5話思いもよらない人物から撃たれたカルダコフは奇跡的に一命を取りとめる。ラートはグレーフから情報を得て、あるフィルムラボを訪ねたが、ネガは保管されておらず、捜しているフィルムにもたどり着けない。多数の犠牲者を生んだメーデーの後、激化していく警察への抗議運動を鎮めるため、警視総監と行政長官は驚くべき秘策を打つ。カルダコフの行方を捜すラートとシャルロッテは、彼を知る人物を訪ねるべく2人で夜の街に繰り出す。第6話ベンダ審議官に誘われ、教会のミサに出席したラート。告解室で自分が兄の奥さんを愛してしまったことを懺悔する。その後の茶会でラートは警視総監から5月暴動の報告書を警察に有利になるような内容で書くよう圧力をかけられる。その頃ニッセン家の敷地では秘密の軍事演習が行われていた。金塊の存在をエドガーに打ち明けたカルダコフ。金塊の存在を証明すべく、カルダコフはエドガーらと共に貨物駅に向かう。アパート上階から撃たれてもガスを浴びても恐らく生き延びるであろうしぶといトロツキストカルダコフ。深夜のダンスに水遊びに躍動するローリング20sの若者たちはこの10年後命を異国の地で散らす。初めてヒトラーが台詞に登場。警察の偽の報告も拷問も越えた時代がすぐそこに待つ。第7話シュミット博士は戦争神経症に関する研究を発表するが、インチキ科学だと非難される。シャルロッテは貨物駅に潜入し、ガスの漏出で中毒者が出たことを知る。ソビエトから戦争物資の密輸を行っているのは “黒い国防軍”と呼ばれる秘密の戦闘部隊。その手先が鉄鋼会社のアルフレッド・ニッセンであることが明らかになる。一方、シャルロッテはトロツキストのアジトで、イスタンブールの配達先住所が記載された貨物書類を見つける。第8話行政長官の元へ連行されたニッセンは、殺虫剤の輸送には何らかの手違いがあったと主張するが、貨車からは極めて危険な毒ガスが検出されたことを知らされる。グレータはベンダ一家の留守中に家を抜け出して、フリッツと湖へ出かける。8時までに帰宅するつもりだったが、岸へ戻る船の最終便を逃してしまう。ラートとヴォルターは、独房で禁断症状に陥ったクライェフスキーに、クスリをエサにフィルムの在り処を吐かせ、保管場所へと案内させる。失われた帝国の栄光をいつか取り戻そうとする者、戦争のトラウマから逃れられない者、全く新しい秩序を外から齎そうとする者、民主主義を根付かせようとする者。それぞれ別の方向を向いている勢力がせめぎあう果実ベルリンにこの先ヒトラーが現れる事で彼等が向かう方向が一つになる。今回からシーズン2に突入。第9話赤の砦のメンバー15人の遺体が発見されたが、その中にカルダコフは含まれていなかった。ラートはベンダの任命により殺人課に加わり、ソビエトの政治犯罪だと思われる本件の捜査を進めるが、捜査への参加を望むシャルロッテを遠ざける。その折、建設現場でコンクリート詰めの遺体が見つかる。被害者はアルメニア人の手下で、遺体の銃痕を見たラートは、あるシーンのフラッシュバックに襲われる。ラートを訪ねてベルリンに来たヘルガとモーリツはヴォルターの家に滞在することになる。第10話シャルロッテはモカ・エフティで警視総監が何者かと話している現場を目撃する。列車をソ連に戻せと警視総監に圧力をかけていたのは、トロシンとヴェーント大佐。しかしその後、大佐はニッセンから金塊の存在を打ち明けられ、列車をソ連に戻すべきでないと力説される。そんな中、森の遺体の鑑識結果により、赤の砦のメンバーを殺した犯人が判明する。ベンダとラートはソ連大使館に向かい、ある取引をトロシンに持ちかける。ベンダの元でスパイを続けるイェニケは目を疑う会合を目撃してしまう。今回からS2。シャルロッテとゲレオンがカップルなら年齢的にぴったりだが母親の葬儀や何やでオトナの男っぷりを見せるヴォルターに靡く。ゲレオンは義姉にデレすぎて甥に見抜かれる脇の甘さを見せ妄想シーンとはいえ初のミュージカルを披露。ロシア令嬢と謎の男達の暗躍に沈む助手。ヴォルターがゲレオンの甥に銃を持たせるシーンが嫌。敵意を向ける相手がいて銃があったらその時。シャルロッテの母のドレスを「ユダヤ人が高く買ってくれる」と姉の情夫が言う場面。ドイツ人が苦しい時に札束で顔を叩いて大事なものをかっさらっていくイメージが今後の敵意に繋がる。第11話ドイツ国防軍が、モスクワ南東のリぺツクにドイツ空軍の秘密基地を建設していた疑惑が浮上。ラートはトロシンから、疑惑のある将校たちのビザ申請書を受け取る。検察官が書類だけでは証拠として不十分とすると、ラートは現地行きを志願。シュトレーゼマン外務大臣は証拠を確保したら、国防軍を裁判にかけるようベンダに指示する。頻繁なフラッシュバックに悩まされるなか、ラートは警察のカメラマンを連れて飛行機でリペツクへ向かう。第12話リペツクでの極秘任務から帰還したラートは、助手のイェニケが殺害されたことを知らされる。聖人ヨーゼフ殺害事件との共通点が発覚したことで、ラートはベーム上級警部から事件への関与について問われる。しかし、2つの事件の凶器が判明したことから、ラートはある人物に疑いの目を向け始める。イェニケの遺体から抜き取られていた手帳に何らかの手がかりあると考えたベンダの命を受け、捜索にあたっていたラートは、意外な場所で手帳を発見する。薬の効果が現れ次第に現実と空想の区別がつかなくなるゲレオン。祖国の密かな再軍備化を知りながら何食わぬ顔でフランス外相を迎える共和国外相が言うのはかつての国の名前“ドイツ帝国は複雑”。お互いの秘密を知るゲレオンとヴォルターの腹の探り合い。シャルロッテを攫ったのは誰?第13話冷蔵倉庫に監禁されたシャルロッテは、命の危険を感じつつ、イェニケの手帳を読み始める。そこに書かれていたのは、ある人物に関する子細な行動記録だった。ラートたちがリペツクで撮影してきた写真を有力な証拠に、国防軍の参謀たちへの公訴が受理され、ゼーガースらが逮捕される。尋問に対し、口を割らない将校たち。彼らが集う拘置所で語られたのはある壮大な計画であった。権力者の圧力により、参謀たちの釈放を迫られたラートは状況の打開を探るべく、カテルバッハに支援を求める。第14話逮捕されたゼーガース少将の調査が行われる。ラートはベーンケに渡された黒いファイルから、窒息剤の輸送に関わる注文請書に少将のサインがあることを発見する。ベンダはこれを明日にでも記者会見で公表することを決意。一方グレータはオットーからフリッツの死を知らされる。フリッツはベンダの命令で殺されたと聞かされ、グレータは復讐心を募らせる。そして聖体の祝日当日、国防軍による作戦が着々と進行する。ラジオ放送を聞いていたラートは、何かに気づき劇場へと急行する。死を覚悟した妻との別れが切ないヴォルター。ゲレオンの甥が口ずさんでいた「メッキー・メッサー」から映画「知りすぎた男 」のような舞台を利用した陰謀に気づくゲレオン。最も民主的なのにユダヤ人の豚と憎まれるベンダ行政長官の不穏なこの先。暗殺は止めたが容疑者は解放される痛み分け。第15話ラートはシャルロッテからの情報で、ヴォルターとニッセンが貨物列車に隠されたロシアの金塊を強奪する計画だと知る。2人が車で現地へ向かう途中、突っ込んでくる対向車を避けたラートの車は川に転落。車はそのまま川底に沈んでしまう。グレータはベンダの留守中にオットーを家に招き入れ、ベンダの書斎の机の下に爆弾を仕掛ける手助けをする。その後、逃亡するため駅に向かったグレータは、そこで信じられない光景を目にする。最終話金塊の強奪を企むヴォルターらを阻止するため、ラートはへニングたちと合流し、すでに出発した列車を追って、イェニケの手帳に記されていた127キロ地点を目指す。ロシアに向かっていた列車は黒い国防軍によって行く手を阻まれる。TY 2305の車両を発見したヴォルターは1人で車内に入っていく。中に積まれていた箱を開けると、捜し求めていたソロキンの金塊がぎっしりと詰まっていた。だがその時、手にした金塊に見入るヴォルターの前にラートが現れる。 遂に姿を現した鉤十字とカーキ色の制服によってユダヤ人の市長と行政長官は倒され新任の行政長官は部屋の消毒を命じる。共産主義者とユダヤ人がこの後国内の敵と看做される事が示唆。かつての帝国の栄光を夢見るヴォルターの壮絶な最期と強かに生きるスヴェトラーナの退廃美in巴里。ヒトラーが画面に一度も登場していないのにゲレオンが表向き殺人課刑事として裏で頼まれる任務とか共産主義者やユダヤ人への人々の態度等ドイツ人の想いがこの先どこへ向かってゆくのかわかる流れになっててうまい!信念を持つヴォルターと揺れるゲレオンはドイツの二つの姿でもある。
November 22, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。沢尻エリカさんが逮捕されましたね。来年の大河は大丈夫なのか。今日は何度も映画化された作品を紹介します。美女と野獣BEAUTY AND THE BEAST出演ダン・スティーヴンス エマ・ワトソン エマトンプソン ルークエヴァンズケビン・クライン ユアン・マグレガー スタンリー・トゥッチ イアン・マッケラン監督ビル・コンドン音楽アラン・メンケン 進歩的な考え方が原因で、閉鎖的な村人たちとなじめないことに悩む美女ベル。ある日、彼女は野獣と遭遇する。彼は魔女の呪いによって変身させられた王子で、魔女が置いていったバラの花びらが散ってしまう前に誰かを愛し、愛されなければ元の姿に戻ることができない身であった。その恐ろしい外見にたじろぎながらも、野獣に心惹かれていくベル。一方の野獣は……。 ディズニー映画お馴染みの冒頭の城が野獣の城。見眼麗しい王子様(でも化粧ばっちり)がなぜ野獣になったかという経緯から始まる。外見にばかり囚われ、自身も特に磨くこともなかった外見に自信のある王子が唯一のアドバンテージを奪われてもなお愛される存在でいられるか?-真の美は内面にあり―というテーマは過去篇と共通。 色鮮やかな衣装で着飾る村の女性達に対してブルーのスカートと白ブラウス。最初からベルは異質な存在として登場する。後に出会う王子のテーマカラーもベルが好んだブルー、ベルの父もブルーの上着を着ており、ベル陣営はブルーが基調。対するガストンは派手な赤で、相容れないことがわかりやすく表現されている。彼のお付き的存在ル・フゥもどこかに赤をアクセントに忍ばせている。 ハリポタシリーズのエマ・ワトソンがヒロイン役。あの子が大きくなって…と堂々たるヒロインっぷりに「年月が経つのは早いもの」としみじみ。脇を固めるのはいずれ劣らぬ名優たち。序盤とラストにしか人間の姿は登場しないのが勿体ない。皆にちやほやされるが、ベルを手に入れるためには手段を択ばず父親を病院送りにしようとする。野獣を正面からでなく背後から狙う。今回ガストンがわかりやすい下種野郎に描かれていて、視聴者は傲慢ながらも優しい野獣に感情移入しやすかったのでは。美女と野獣 MovieNEX [ エマ・ワトソン ]楽天ブックス
November 21, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。イギリスウィーク最後は人気ミステリシリーズです。イギリスシリーズと銘打ってますが舞台はハリウッドです。貧乏お嬢さま、ハリウッドへ (コージーブックス 英国王妃の事件ファイル 8)Queen of Heartsリース・ボウエン 前作「貧乏お嬢さま、恐怖の館へ」の関係で貴族の館に滞在中だったジョージアナことジョージ―を母親が連れに来る。今の夫と離婚して恋人と再婚するためにアメリカに行くというのだ。ついでにいいカモでも捕まえてくれば、くらいの意図は持つ母親の誘いを知りながらも旅のお供を引き受けるジョージ―。洋服は裕福な母親の恋人のツケで買い放題、豪華客船の客とくれば、のっけから貧乏モードを脱している。邦題のつけ方もムズカシイ。 さて、ジョージーのいく所事件あり。そしてなぜかお馴染みの玉の輿狙いの強かな親友ベリンダや、神出鬼没のダーシーも現れ、ジョージ―は自分が疑われているわけでもない監督殺人事件の捜査にのめり込む。 本作のもう一つのテーマはイギリス礼賛だ。最初は階級にとらわれない実力主義の自由奔放な空気に憧れていたジョージ―の母親も、最後には「イギリスがいい」と言い出すし、厄介な親戚がついてくるというものの、やはり本作が生きるのはイギリスなのだろう。但しそうなるとダーシーの「彼女にはそれ相応の生活を」という悩みは、次作タイトルになっているアレしかないのか?進みそうで進まないダーシーとの仲&結婚話、なかなか結婚しないシンプソン夫人とジョージ―母の反目など引っ張ってきたネタもそろそろ収まりをつけて欲しい。貧乏お嬢さま、ハリウッドへ (コージーブックス 英国王妃の事件ファイル 8) [ リース・ボウエン ]楽天ブックス
November 20, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。今日は、イギリス在住で「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー 」で本屋大賞第2回ノンフィクション本大賞を受賞したブレイディみかこさんの作品を紹介します。女たちのテロルブレイディみかこ岩波書店金子文子の事を最初に知ったのは映画「金子文子と朴烈」。関東大震災で朝鮮人を巡る流言飛語が飛び交い、不穏分子として捕らえられた文子は朴烈と共に圧倒的不利な裁判を戦い抜く。 彼女は無籍者として育ち、実の祖母や叔母には女中替りにこき使われた。13歳の彼女を突き動かしたのは復讐心だった。「けれど、けれど、世の中にはまだ愛すべきものが無数にある。美しいものが無数にある。私の住む世界も祖母や叔母の家ばかりとは限らない。世界は広い。」「そう思うと私はもう、「死んではならぬ」とさえ考えるようになった。そうだ、私と同じように苦しめられている人々と一緒に苦しめている人々に復讐をしてやらねばならぬ。そうだ、死んではならない。」 だが、復讐心を抱き続けながら生きるのは厳しい。やり切るのは、よほど大きな相手でないと。彼女たちが相手にしたのは国であり、社会だった。 映画「未来を花束にして」では完全な脇役だったエミリー・ディヴィソン。映画では名優メリル・ストリープがサフラジェット(参政権を女性にも与えるよう主張する活動)のリーダー、エメリン・パンクハーストを演じており、皆を平等に鼓舞していた。しかしマッド・エミリーという二つ名までもらったエミリーは、史実ではその行動があまりにも過激すぎるとして、エメリンとその娘から忌避されていた。ポストに爆弾を投げ込んだりした過激なサフラジェットの彼女は、国王の馬の前に身を投げる。この映像はYouTubeで今でも見られるそうだ。恐ろしくて見られないが、少しも迷いがなくすたすたと歩いていたらしい。皮肉な事に、死んで初めて彼女はサフラジェット活動の役に立つ。彼女の葬儀は壮大なイベントとして、世にサフラジェット達の活動を広く知らしめた。 もう一人はアイルランド独立運動の一つ、イースター蜂起で活躍したスナイパー、マーガレット・スキニダー。三人のうち彼女だけが病死という(三人の中では)穏やかな最期を迎える。一方で、これだけ「死んではならぬ」と繰り返していた金子文子が自殺という結果も納得がいかない。 本編は百年前に生きた三人の女性達の生涯を交互に綴る。章タイトルはついていない。前の章の最後の言葉が、次の章で繰り返され、三人に共通の要素があったことを窺わせる。テロルという名称は物騒で、確かに過激な行動もここには書かれている。しかし、“以前よりはましになった”が“♯MeToo”や“職場でのハイヒール”など、未だに女性だけが不自由を感じたり理不尽を味わわされている機会は枚挙にいとまがない。女たちのテロル [ ブレイディ みかこ ]楽天ブックス
November 19, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。昨日は映画でアーサー王を紹介しました。今度はファンタジーのアーサー王がどう描かれているか紹介します。アーサー王ここに眠るHere lies Arthurフィリップ・リーヴ東京創元社腕っぷしも強く義侠心に篤い英雄は、ドラゴンか悪政で民衆を虐げる暴君を倒す。もちろん美しく優しいヒロインが英雄のそばには常にいて、二人は変わらぬ愛情で結ばれる。英雄の周りには才能ある人物が溢れ、誰もが自由に発言できる円卓で平等な政が行われる。 これが英雄物語の基本パターンだ。私達は実際にそんな英雄を見たわけではない。ならばどうして私たちは彼等の物語が、何かを読まなくても言えるくらい体に沁みこんでいるのか。語り伝える人々がいたからだ。例えば吟遊詩人と呼ばれる人々が道端で人々に聞かせ、そうして時代や国を越えて英雄伝説は広まった。 ところが、実際は伝説と同じではなかった。 孤児のグウィナ(グウェンドリン)を救ったのは自称吟遊詩人のミルディンだった。彼女が泳げることを知ったミルディンは、地方のならず者たちを仕切るアーサーに箔をつけるため、アイデアを思いつく。 イギリスの伝説の王アーサーは湖の中で聖剣エクスカリバーを入手する。その時湖に乙女がいた。常人にできないことを成し遂げた者を民衆は仰ぎ見る。民衆心理を巧みに使ったミルディンによって、アーサーは瞬く間に認められていく。本来自分の中にないものは、伝説が補ってくれる。あとはいかにも名君という顔をして生きれば、富と名声と地位は享受できる。実際のアーサーが思っていたのはそんな所だろう。そんな彼の浅薄さを知りながらミルディンは彼に希望を託した。 伝説ではないギネヴィアとランスロットの不倫、聖杯を手にするパーシヴァルの生い立ちが描かれ、フィクションの存在であるグウェンドリンが絡んでいく。場合によって男となったり女となったりする便利な存在で、奥方の宮廷に入り込むことも、戦場に赴く事もできる。そのような立場に彼女を置いたのはミルディンのある思いによるものだったが、本来の意図を越えて運命は動き出す。他の登場人物達の運命と同じように。伝説なんてどこ吹く風だったアーサーが最後に伝説を生かすために為した事や、“鷺のような人”とグウェンに称されていた典雅な奥方に秘められていた情熱など、アーサー王伝説でお馴染みの人々が皆人間臭くて面白い。カーネギー賞受賞作。『中古』アーサー王ここに眠る (創元ブックランド)KSC
November 18, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。嵐のニ宮君の結婚ショックに世の中は騒然としてますね。イギリスウィークも最終回です。もっとも有名な伝説をアクション中心に描いた映画キング・アーサーを見ました。キング・アーサーKING ARTHUR: LEGEND OF THE SWORD出演ジュード・ロウ チャーリー・ハナム ジャイモン・フンスー エリック・バナ監督ガイ・リッチー 王の息子として生まれ、その跡を継ぐ者とされていたアーサー。だが、暴君ヴォーティガンによって父と母を殺され、スラム街へと追いやられてしまう。過酷な環境の中、アーサーは生き抜く知恵を身に付け、肉体を鍛える。やがて、無双の力をもたらすとされる聖剣エクスカリバーを手にする。仲間たちと共に圧政を敷くヴォーティガンを倒し、王座に就こうとするアーサーだったが……。 アーサー王伝説をベースにしたガイ・リッチー監督作品。ガイ・リッチーと言えば、爆弾飛び交い、人も空を飛んでいくアクションものがお得意。それが剣を交える騎士物?と思ったらしっかりガイ・リッチー印になっていた。何せ冒頭から象が登場して城をぶち壊しにくる。中世イングランドに象!島国なのに!そして聖剣エクスカリバーで魔術師を倒すとあら不思議、怪物も火を噴いて崩れ落ちていく。ファンタジーだろこれ。こんなに火花を散らしながら城が崩壊したり橋が落ちるアーサー王伝説は見たことがない。但し伝説が多数残されているアーサー王シリーズの中には巨人退治をしたものもあるらしい。 ではアーサーを流浪させるのは誰なのか。今回は彼の叔父ヴォーティガン。伝説の中にヴォーティガンは出てくるが血縁関係はないのでこの設定は映画オリジナル。ヴォーティガンを演じるのはガイ・リッチー版シャーロックでワトソンを演じているジュード・ロウ。線が細そうでとても剣を振り回す騎士には見えないが、ラストで最終形態に変身。冒頭といいクライマックスといいガイ・リッチーは確信犯でファンタジーをやっている。 ファンタジーといえば最強アイテム。今回は剣。主人公よりも剣が敵を倒していく呈であり、本人はそれほど強くなくてもいいのでは?但し剣を手にできるのはアーサーの血筋だけというおいしい限定企画ものとなっている。トリスタンやパーシヴァルなどアーサー王円卓の騎士おなじみの名前は出てくるが、全く伝説のエピソードを彷彿とさせない人物設定だったので名前を覚えられないこと覚えられないこと。興行成績はふるわなかったらしい。キング・アーサー【Blu-ray】 [ チャーリー・ハナム ]楽天ブックス
November 17, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。英国テレビドラマ刑事ルーサーを見ています。日本ではSeason1~4が一挙放送されました。刑事ルーサーLuther脚本ニール・クロス出演イドリス・エルバ サスキア・リーヴス第1回「アリス」Aliceロンドン警視庁の重大犯罪捜査課SCUに所属する警部ジョン・ルーサー。ルーサーは、連続少女誘拐監禁事件の容疑者を追い詰め、建物から転落させてしまう。そのことが原因で一時停職処分になるが、調査委員会の決定で職場復帰が認められる。復帰後、新たな部下リプリー巡査部長と最初に担当したのは、自宅で夫婦が殺害された事件だ。通報者は事件発生時刻に外出していた娘のアリス。現場を見たルーサーは、妙な違和感を覚える。推理の腕はぴかいちだが私生活はうまくいってなくて空回りして性格にも多少?問題あり。イギリス刑事ものの定番設定ですな。一話めにしてめちゃくちゃ頭の回るサイコパスとの繋がりができてしまった第2回「帰還兵の暴走」男性が倒れているという通報で現場に行った警官2人が射殺される。射撃の腕が正確だったことや、壊される前の監視カメラの映像に映っていた怪しい男の姿から、ルーサーは犯人は元軍人で、警察に強い恨みを抱く人物だと推理する。しかし、捜査を続けるなか、またも警官が撃たれる事件が発生。そして、犯人がネット上に犯行声明のビデオを公開する。一方、ルーサーに興味を持ったアリスは、ある場所からルーサーに電話をかけてくる。アリスは明晰で物おじしない女性ですがあの微笑みが怖いですね。自分をおとりにするルーサー、痛いなぁ。字幕版で見たら確かにめっちゃイケボでアリスの声もふわふわして可愛かった。第3回「いけにえの子羊」32歳の女性カーステンが自宅から誘拐される。幼い乳児は無事で、家の中の壁いっぱいに血文字が残されていた。ルーサーは10年前の事件を思い出す。同じように子どものいる女性が誘拐され、壁の血文字も同じだ。当時、犯人はバージェスだという密告があったが、証拠がなくて捕らえられず、後に被害者が血を抜かれて冷凍された遺体で発見された。今回もバージェスの犯行だと思われたが、警察にはうかつに近づけない事情があった。サイコパス犯人が多いな。そんな犯人に正統なやり方は通用しないとばかりに「Forget the Rulebook .Change the rule of the game」とリプリー刑事に告げるルーサー。但しゾーイの件に関してはアリスの作戦勝ち?第4回「バンの運転手」若い女性が次々に殺される事件が発生する。女性たちは夜一人で帰宅する途中で拉致されて殺されていたが、悲鳴や争う声を聞いたという情報はない。殺人が起きる間隔が徐々に短くなってきており、犯人は歯止めがきかなくなってきているようだ。犯人は被害者の女性がつけていたネックレスを持ち去っており、ルーサーは、結婚しているか恋人がいる男だと考える。一方、ルーサーが重体にしたマドセンの意識が戻ったという連絡が入る。みんな知ってるデビッド・ボウイ方式(リプリーだけ知らず、世代の差?)。それにしてもルーサーが「Loving the Alien」とかカラオケで歌うのだろうか。アリスが完全犯罪を成す(監視カメラなし?)一方でルーサーに捕まるサイコパス達。第5回「18粒のダイヤ」美術商のキャロダスと妻ジェシカが武装した3人組に襲われる。犯人たちは妻を人質に取り、2時間後までにキャロダスが所有する18粒のダイヤを持ってくるよう要求。キャロダスは助けを求めて警察のリード警部を訪ねるが不在で、対応したルーサーに犯人の要求には応えられない理由を話す。ルーサーは時間稼ぎのために、あるところから代わりのダイヤを調達する。そんななか、ルーサーの妻ゾーイが警察署に訪ねてくる。女性がダイヤモンドを飲み込んだからといって腹を切り裂く展開もあちゃーと思ったが後半悪い時に悪い所に居合わせてしまったゾーイの運命に戦慄。アリスは名前の通り頭脳明晰でどこか子供っぽい所のあるキャラだが相手がプラトニック礼賛ドジソン教授じゃなくNoRulesのルーサーだからなぁ。第6回「頭の中のクモ」ルーサーの妻ゾーイを殺害したリードは、現場を細工してルーサーが犯人のように見せかける。リードの思惑通り、警察は行方不明のルーサーを容疑者として追跡する。しかし、殺害現場に到着したリプリーは違和感を覚える。そのとき、リプリーの電話が鳴る…。一方、リードが自分に罪をなすりつけようとしていると気づいたルーサーは逃走。身の潔白を証明し、真犯人リードを追い詰める手段を考えるため、ある人物に協力を求める。長く捜査を共にしてきた同僚イアンが実は裏切っていて昨日や今日ルーサーの下についたばかりの新人刑事リプリーが彼を信じる。ルーサーを見ても動じないアリス。犯罪者なのに彼女を一番信じているルーサー。不思議な関係。第7回「彼は日の出なり」妻を失い、しばらく仕事を休んでいたルーサーだったが、警察で新設された重大連続犯罪捜査課SSUに復帰することになる。まもなく、仮面をかぶった男が、若い女性を殺害する連続殺人事件が発生。そんななか、ある女性がルーサーを訪ねてくる。彼女は、過去に夫が犯した犯罪のせいで家庭が壊れ、娘ジェニーが危険な状況にいるから救い出してほしいと頼み込む。一方でルーサーは、アリスが入院させられている病院へ面会に行く。英語版あらすじを見ているとゾーイの死後ルーサーは何度も自殺しようと試みたと書かれているけどそんな描写あったっけ。えらくフツーに戻ってきて新メンバーも登場。イギリスであんな面被りがいたら目立ってしょうがないだろうと思うのだが。今回から前後編スタイルに。第8回「バネ足ジャックの野望」リプリーが連続殺人犯のキャメロンに拉致されてしまった。だが、ルーサーは、リプリーはまだ殺されていないと確信する。ルーサーは犯人の心理を読み、キャメロンから警察に電話がかかってきても応答しないよう、部下たちに命令。その間にキャメロンの最終的な計画が何なのかを突き止めようとする。一方、犯罪組織からジェニーを救い出したルーサーだったが、逆にジェニーを殺すと脅され、組織の指示に従うよう要求される。「Well, guess what. It's come back on you like the Hand of God神の手を感じるよな?」「Cameron. No one's listening.キャメロン、誰も聞いてないよ」今日はシェンクもリプリーもいい所を持って行った回。「俺はこういう人間だし君もそういう人間だ」アリスの誘いを断るルーサー。今日からS2。第9回「ベドラム・アクシス」夜のガソリンスタンドに怪しい男が歩いてやってくる。男は突然、停車中の客の車の屋根に奇妙な図形をスプレーで描くと、別の車を破壊。止めに入った客たちに襲いかかった後、無言のまま去って行った。監視カメラの映像を見たルーサーは、男が直前に車の横でしゃがんでいたことが気になる。一方、犯罪組織から救出したジェニーを守るために、組織からの依頼を断れないルーサーは、警察内部の極秘情報を持ち出すよう要求される。いかにもVRに生きてる若者世代のような今回の容疑者たち。一切無言で無表情なのが怖い。そういえばジェニーも若者でバーガー売りの仕事をスポンジボブだと却下。現実は厳しい。ルーサーの不審な行動を見てしまったエリン。そしてジェニーがやばいことに!第10回「さいは投げられた」連続殺傷事件を起こした犯人を逮捕したはずが、再び同じような事件が地下鉄の駅で発生。そして、監視カメラに映っていたのは逮捕した男とそっくりな人物だった。双子の犯人がゲームとして競争をしていると推測したルーサーだが、どういった基準で犯行の方法や場所を決めているかが分からない。一方、ジェニーは、ルーサーの家で犯罪組織の一員トビーに襲われ、抵抗した際に殺してしまった。ルーサーは証拠の隠滅をしようとする。アリス(the ultimate weapon of revengeと英語で紹介 凄い!)の名を出してトビーを溺愛する母バーバをけん制するルーサーとジェニー。ルーサー尋問中にJapaneseWordの引きこもり登場。イギリスでも有名なのか。あんなことやってるのにラストでアイスをほおばる二人のかわいいこと。今日からS3。第11回「ショーディッチ・クリーパー」独身女性エミリーが自宅で殺害される。遺体は80年代の若者の服を着せられ、顔には当時のメイクのマスクが乗せられていた。現場に到着したルーサーは、被害者の靴が無くなっていることに気づき、約30年前に起きた未解決連続殺人事件を思い出す。しかし、この事件の捜査を開始しようとしたところ、上司から別の事件の担当を命じられる。一方、リプリーは以前の同僚で、汚職を調査する部署に異動したグレイに突然呼び出される。冒頭とんでもない場所から現れた犯人。自分を取り巻く妙な空気に気づくルーサーだが恋のチャンスも到来。車をぶつけるなんて常套手段じゃないか!憧れてきたルーサーについに背を向ける決意をしたリプリー。その決断は良い結果を生むのか?第12回「寡黙な巡礼者」ルーサーがエミリーと元刑事殺害の犯人を突き止められぬまま、同一犯の犯行と思われる殺人事件が起きる。被害者はまたも、約30年前に起きた別の未解決事件の関係者だ。だが、当時の犯人が再び犯行を行っているとは考えにくかった。一方、ルーサーとケンカをしてこの事件から外されたリプリーは、別件のキャス殺人事件の容疑者逮捕に向けて奔走する。ルーサーは、車の接触事故で知り合ったメアリーと親密な関係になる。ジャスティンを問い詰めることはせず相手のグレイに釘をさすルーサーと迷いはあっても証言でルーサーをべた褒めだったジャスティン。母親を殺されながら犯人そっくりになろうとする今回の犯人は江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』みがあった。第13回「ケイトリンに捧ぐ」若いカップルがギャングの一団に襲われているところに1人の男が現れ、ギャング2人を撃ち殺してカップルを救い立ち去る。後日、幼児虐待を見逃していた男の遺体が発見される。どちらも、被害者の口には「ケイトリンに捧ぐ」というウェブサイト開設告知のシールが貼られていた。そして世間が注目するなか、開設されたウェブサイトに男の動画が流れる。一方、ルーサーの不正を追うグレイだが、手段を選ばぬ上司に複雑な思いを抱く。「We're on the same side」トムがルーサーに、ジャスティンがトムにかけた言葉だが同じ側にいなかったがためにジャスティンが撃たれる。箍がはずれた正義の執行人が向かう先は無実の人メアリー「Someone innocent gets hurt. 無実の人が傷つく」奇しくもジャスティンが予言した通りに。第14回「ピクシー」リプリー巡査部長を撃ち殺した殺人犯マーウッドは、続けてルーサーの自宅に向かい、彼の恋人メアリーを襲う。リプリーの死に打ちひしがれるルーサーだが、なんと2つの事件の首謀者として逮捕されてしまう。ところが、移送されるルーサーの車が襲撃される。車を襲った人物は誰? マーウッドの最終的な目的は自分の妻を殺した犯人への復しゅうだったが、服役中の犯人には容易に近づけない。そこでマーウッドが向かった先は…。「大きくなったら仔馬を欲しがる女のコもいるけど私は未亡人になりたかったSome little girls grow up wanting ponies; I always wanted to be a widow.」なんて理由で今までの来し方をさらっと説明するアリスの帰還。アウトレイジなルーサーの弱点を的確に言い当てる良き相棒。「あなたの良心が私より多くの人を殺してるSeems to me your conscience has killed more people than I have.」今回アリスのもう一つの名セリフ。今回からS4。第15回「ギーク・パトロール」休職中のルーサーのもとへ刑事が訪れ、アリスがベルギーで死亡したと伝える。現場の写真を見せられたルーサーは、見覚えのある顔を発見し、自ら調査を開始する。一方、警察は、殺害した相手の臓器を食べる猟奇的な連続殺人の捜査を始める。最初の被害者の女性は心臓を食べられていた。夫が犯人かと思われたが、夫も同じように殺され心臓を食べられていた。次の被害者は舌を食べられていたが、犯人の動機がわからず捜査が難航する。最終回ルーサーの前に「アリスからの伝言を預かってきた」という女性メーガンが現れる。伝言の内容は「フクロウはステイシーが持っている」。それは、ルーサーが若いころに扱った男児殺害事件と関係がある言葉だった。メーガンは霊能力があり、死んだアリスから昨夜伝言を預かったというが…。一方、殺害相手の体の一部を食べるという猟奇的連続殺人の犯人は犯行を続けていた。ルーサーは現在と過去の事件を解決できるのか?最終回でも遂にアリスの生死はわからずTLが騒がしい。Season5 が見たいよう。LUTHER/刑事ジョン・ルーサー DVD-BOX [ イドリス・エルバ ]楽天ブックスLUTHER/刑事ジョン・ルーサー4&5セット DVD-BOX [ イドリス・エルバ ]楽天ブックス
November 16, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。あれれ、桜を見る会急転直下で中止ですか?イギリスシリーズ今日は漫画です。ホームズの宿敵が主人公の漫画の最新刊をご紹介します。憂国のモリアーティ 10 (ジャンプコミックス)三好 輝 前巻から続く理想に燃えた若き政治家(その名も)ホワイトリーと、彼を悪の道に引き入れようとする恐喝王ミルヴァートンのエピソード。BBCドラマ『Sherlock』ではマグヌッセンという、ルパート・マードックを彷彿とさせるメディア王になっていたミルヴァートンは、今回も当時のメディア王の系譜。貴族院をクライアントとし、今で言う所のフェイクニュースによって有能な政治家を失脚させようとする。 元ネタである『犯人は二人』では、脅迫を受けた夫について女性がホームズの元を訪ねるが、漫画では聖典では出てこないモリアーティががっつり関わる。正攻法しか知らないホワイトリーはあっさりミルヴァートンの罠に落ちるが、決着のつけ方が映画バットマンシリーズの第二作『ダークナイト』のハーヴェイ・デントとバットマンの関わり方にそっくりだ。 最終話は『四つの署名』でワトソンと後に結婚するメアリー・モータスンが登場するが、なぜか事件の前に結婚宣言。マイクロフトとシャーロックが通りがかりの客について推理合戦を繰り広げるのは『ギリシャ語通訳』が元ネタだが、犯罪郷の正体に気づいたシャーロックにむしろ彼等を捕まえてほしそうな素振りを見せるマイクロフトの狙いはどこに?憂国のモリアーティ 10 (ジャンプコミックス) [ 三好 輝 ]楽天ブックス
November 15, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。漫画家の吾妻ひでおさんが亡くなりましたね。昔アニメ見てました。さて、今日はアイルランドからイギリスを目指す少年の映画を紹介します。映画シングストリート 未来へのうたを見ました。シングストリート 未来へのうたSING STREET 1985年、ダブリン。両親の離婚やいじめで暗い日々を過ごすコナーは、音楽好きな兄と一緒にロンドンのミュージックビデオを見ることが唯一の楽しみという14歳。ある日、ラフィナを見掛け瞬く間に恋に落ちた彼は、思わず「僕のバンドのPVに出ない?」と口走ってしまう。慌ててバンドを組んだコナーは彼女を振り向かせようと、クールなPVを撮るため音楽活動に奔走する。 80Sと言えばミュージックTV全盛の時代。今はYouTubeでPCやスマホでいつでもどこでも見放題だが、昔は深夜SonyMusicTVという番組でMVの特集をやっていた。またそれを、家族に隠れた深夜に見るのが密かな愉しみだったりするのだった。そういう青春を過ごしてきた年代にはどんぴしゃりの選曲&ファッション。DuranDuranの「Rio」Daryl Hall&John Oates(ホール&オーツ)の「Maneater」など懐かしい曲に目を細める視聴者もいるのでは。 『ONCE ダブリンの街角で』などで知られるジョン・カーニー監督の半自伝的青春ドラマ。父親の事業の失敗でお堅いが学費が安いカソリックの学校に通う羽目になったのも、可愛い彼女を振り向かせるためバンドを組んだのも全て監督自身の体験だとか。そういえば、男性がバンドを始める動機の多くは、可愛い彼女を振り向かせるためだったような気が。 閉塞感から抜け出すために“みんなで”ではなく自分とラフィナだけが出ていく所がリアル。ドラマっぽくしたいならば、バンドのメンバー全員となんちゃってマネージャーも一緒に行くが、それぞれ家庭の事情があって家を離れられない。暴力を振るう父親、薬で服役中の父親など、男性の親が彼等の理想形になっていない。思い切って新天地で生活を始めるにしても、お手本がいないのだ。かつ、頼りにならない父親に代わって、次の当主として期待と責任が少年達に被せられる。その状況を踏み越えて行こうという動機と決意があるものだけが、すぐそこに見えるが実は遠いイギリス行きの切符を手に入れられる。監督はその一人だったということだろう。【輸入盤】シング・ストリート [ シング・ストリート 未来へのうた ]楽天で購入
November 14, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。来年のオリンピック、マラソンは急遽札幌に決まりましたね。今日からしばらくイギリスウィークと銘打って映画、ドラマ、漫画、エッセイ、小説を紹介します。映画パディントン2を見ました。パディントン2PADDINGTON 2出演ベン・ウィショー ヒュー・ボネヴィル ヒュー・グラント ブレンダン・グリーソンイメルダ・スタウントン ジュリー・ウォルターズ ジム・ブロードベンド マイケル・ガンボンマイケル・ボンドの児童文学を実写映画化した『パディントン』の続編。ブラウン家の一員として、幸せに生活しているクマのパディントン。もうすぐ100歳になるルーシーおばさんへの誕生日プレゼントを探していた彼は、骨董品屋ですてきな絵本を見つける。絵本代を稼ごうと窓ふきのアルバイトを始めるが、洗剤を頭からかぶるなど失敗しては騒動を起こす。そんな中、絵本が盗まれ、一家と共に絵本の行方を追うパディントンだが……。パディントン駅には今でも熊の銅像があるが、絵本を見て想像しているとかなり違うのでご用心を。そして映画のパディントンを見て想像して行くとこちらも違う。何せイケメンヴォイス無しだし。昨今では食べ物がなくなって森から降りてきた熊と人間の緊張感漂う事件が報道されているが、ロンドンのパディントンはあいかわらず鈍くて失敗は多いけれど真面目さが好かれて皆の人気者だ。「ドクター・フー」のピーター・カパルディ演じるカリーだけは相変わらずパディントンの天敵のようだ。ちょっとばらばらになりかけたブラウン家を結び付け、それぞれに自信を持たせた第一作に続き、本編でもブラウン家の人達は冒頭ちょっと腐っている。ブラウン氏は仕事で部下に出世で先を越され、ジョナサンはオタクと呼ばれるのを嫌いSL好きを封印している。比べて、女性達は自分のやりたい事を隠さない。ジュディは売れない新聞づくりを一人で続け、ブラウン夫人はフランスまで泳ぐべく水泳を練習中。めげない女性と、世知辛い世の中でちょっと自分の居場所を確保するのに苦労している男性の組み合わせがブラウン家だ。しかしどこかでヒュー・グラントは吹っ切れたのだろうか。昔は美形英国キャラとして一世を風靡したが、今や自分の美形を裏切るようなキャラばかりドラマでも映画でも進んで演じている。彼もまた居場所探しに懸命な英国男子の一人なのか。まあ美形がずっこけると確かに面白いのだが、今回はミュージカルシーンにも挑戦している。それにしてもピンクのしましまの時点でもう囚人服ではないな。パディントン2 ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】 [ ベン・ウィショー ]楽天ブックス
November 13, 2019
コメント(0)
みなさん、こんばんは。振り込め詐欺予防をしているにも関わらず、被害は絶えませんね。土曜ドラマサギデカを見ました。【放送】総合:2019年8月31日(土)スタート 毎週土曜 よる9時から9時49分<連続5回>【作】安達奈緒子(「透明なゆりかご」「きのう何食べた?」)【音楽】谷口尚久【出演】木村文乃 高杉真宙 眞島秀和 清水尋也 足立梨花 玉置玲央 長塚圭史 鶴見辰吾香川京子 青木崇高 遠藤憲一【制作統括】須崎岳(NHKエンタープライズ)、高橋練(NHK)【演出】西谷真一、村橋直樹(以上NHKエンタープライズ)第1回「名前のない男」ゲスト 泉ピン子警視庁捜査二課の今宮夏蓮は、がむしゃらかつ綿密な捜査を重ね、バイクを駆って犯人をどこまでも追い詰めていくような女性刑事。彼女の内偵が功を奏し、同僚の森安らは係長・手塚の指揮のもと、振込め詐欺のアジトに突入。実行犯“かけ子”たちの逮捕に成功する。しかし彼らは犯罪組織の末端に過ぎず、大金を手にする上層部の事を何も知らない。そのうちのひとりの青年に至っては、彼自身どこの誰なのか、全く手がかりが掴めない。そして青年は今宮の取調べに対し「僕らの“仕事”は社会の役に立っている」と奇妙な主張を始める…『サギデカ 』では頼れる上司 『それぞれの断崖 』では迷える男としてエンケンさんを見られる土曜日。先ごろ終わった『スカム』 同様一見カッコいい上司から“金を独り占めしてる老人は悪だ”みたいな刷り込み教育を受けた社会経験の少ない若者が捨て駒として詐欺犯に仕立てられる構図。 第2回「流転する老人たち」ゲスト 伊東四朗 筒井真理子今宮刑事は管理官の北原から、振り込め詐欺の上層部摘発を狙う「突き上げ捜査」を当面控え、末端の被害食い止めを優先するよう告げられる。反発する今宮だが手塚係長にたしなめられ、従うことに。しかし釈放された加地は今宮に「上から接触があったら連絡しますよ」と思わせぶりなことを持ちかける。一方、元・高校教師の北村という老人が、教え子の原田という女性から声をかけられ…役名のない田中泯 さんが台詞はないけど庭で素振り?みたいなのをしているだけで何かある!と 青木崇高 さんが人の好い企業家を演じているのに皆悪者認定しているのが皆どれだけ疑い慣れてるんだと。二人の共演と言えば 『龍馬伝』 の叔父甥コンビを思い出す。第3回「掌中の娘」ゲスト 古川琴音加地は番頭の指示で、店長とともに大金を遠方へ運ぶことになる。そこは加地の故郷だった。一方、お年寄りから言葉巧みにキャッシュカードを奪い取る、亜佐美という若い詐欺師が逮捕される。彼女が組織的な犯罪ではなく、両親と家族三人、生活費を稼ぐための詐欺だったことを知った今宮は、なぜか気分が悪くなってしまう。そんな折、手塚がある理由で、しのぶの焼き鳥店を訪れる。玉置玲央 さんは 『真田丸』 で織田信忠役。身元を明かすものを一切残さない姿で発見されたということは他殺。青木崇高 田中泯 のこちらも 『龍馬伝』 の叔父甥コンビはやはり…でしたね。皆さんの予想が当たっちゃった。まあできる人がただのいい人を演っても勿体ないか。第4回「金と命」店長の死に加地が関わっているとにらんだ今宮と森安は、メンバーを総動員して行方を追うが、加地の消息はぷっつりと途絶えてしまう。そんな折、戸山が、被害額は1000万円以上ばかりという高額の振り込め詐欺の動きを察知する。その被害状況を精査した今宮は、ある事に気づく。一方、新薬承認の折衝に行きづまった廻谷は、とある人物にひそかに会いに行く。成功した実業家で不規則な生活を送る孫娘が気になる廻谷を厚遇する祖母。しかし話の途中で席を立つ夏蓮より時間を見る廻谷の目的は本当に彼女なのか(好意はありそうだから相手を知った時ああいう反応だったのだろうが)。青木さんと田中さんの視線を交わしあいながら会話するシーン良い。最終話「信じるもの」加地が拉致されたのを知って、今宮は現場で動揺を抑えられず、森安にフォローを余儀なくされる。憔悴して家路につく今宮だが、焼き鳥屋の前に廻谷が待っていて、「聞きたいことがある」と言う。廻谷との話もそこそこに今宮が再び職場に戻ると、スマホが鳴る。加地が、閉じ込められている車のトランクの中からかけてきたのだ。息も絶え絶えに、車の断片情報を伝える加地。今宮と手塚らはそれを手がかりに、番頭が何者なのか、そして首魁は誰なのかを探っていく。「結果のために/結果が良ければ手段を正当化していいのか」YESと答えるかNOと答えるかでその後の生き方が決まる。現在流行している詐欺手法の考案者廻谷の言葉で思い出したのが原爆。発明したらその先の行為にまで責任は持てないという科学者が原爆を発明したのだった。
November 12, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。即位のパレードは晴天のもと行われたようですね。佐藤賢一さんの小説『ナポレオン』もいよいよ完結編です。ナポレオン 3 転落篇佐藤賢一新潮社 ボナパルト朝の皇帝という唯一無二の存在となったナポレオンは、唯一無二の存在故に、容易く弱点を見抜かれた。前巻でも書いたように、無敵はナポレオンだけ。ならば彼のいない所を他国が攻めれば良い。なまじヨーロッパ諸国を支配下においたため、守るべき領土が広大になる。他国に攻められていた時は、国民も国を守る英雄としてナポレオンを歓迎した。しかし領土が広がったが故にあちこちに転戦する王を見れば「話が違うじゃないか」となり、国内もにわかに不穏な空気を帯びる。 「身の丈」を知り、ほどほどの所で他国と手打ちにしていれば、歴史は変わっていたかもしれない。しかし、連綿と続く王朝の一員でなく、一代で成り上がった英雄故に、ナポレオンは戦に勝つことで存在理由をアピールしなければならなかった。「軍と離れてはいけなかった」と作中である人物に言われてしまうが、戦わなくなったナポレオンは、少なくとも彼以外の人物にとっては、ナポレオンではなかったのだ。当人はハプスブルグ家皇女との間に子供も生まれ、戦うだけではない人生を切望していたのに、何とも皮肉なことだ。 皮肉といえば、ナポレオンが帰還を望んだ時には「彼がいると他国が攻めてくる」と頑として拒んだフランスが、亡くなって王政がうまくいかなかった時に、精神的支柱として彼の帰還を認めた件もそうだ。彼は本当は家族と共に葬られたかったのではないか。ナポレオン 3 転落篇 [ 佐藤 賢一 ]楽天ブックス
November 11, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。ノーベル平和賞はエチオピア首相がもらいましたね。トランプ大統領なんてとんでもない!さて、今日は失敗にまつわる世界史の本を紹介します。とてつもない失敗の世界史Humans:A Brief History of How We F*ucked It All Upトム・フィリップス 河出書房新社失敗しないで生きたいと誰もが思うものの、生まれてから死ぬまで一度も失敗しない人はいない。「他山の石」という諺もあるように、我々は先人の間違いを数多く見て来て、それを自分の糧にしようと心がける。にもかかわらず、似たような失敗をしてしまう人間は、実は学ばないイキモノなのか? なぜ失敗してしまうのか。理由その1.今まで一度もやったことがないから。原因としてはこれが一番多い。例えば「オーストラリアでウサギを増やすと狩りが楽しいな~」などと兎を持ち込むのがこのパターン。ところが、ウサギが予想以上に増えてしまって、土地の生態系や自然環境をも変えてしまった。理由その2.どこぞの首相のように自然に対しても「The situation is under control」(状況はコントロール下にある)と自らを神のごとく勘違いしているから。中国で雀が増え、穀物を食べられて困っていた。そこで雀さえいなくなれば豊かな収穫がもたらされると考えて、雀撲滅作戦を展開。ところが、雀がいなくなっていなごが増え、さしずめ旧約聖書のエジプト人に襲い掛かるイナゴの災いのような惨状になってしまった。理由その3.他人は失敗したが、自分だけは失敗しないと思い込むから。わかりやすいのはヒトラー。ナポレオンがロシアを攻めて攻めて攻め込みすぎて、冬将軍到来の最中兵站を長くし切った所に反撃されて敗退したのを知っていながら、自身も当初の予定とは異なり戦線を拡大しすぎて敗北。ロシアを攻めて攻めて攻め倒した国はいまだかつてない。 まあ失敗も悪い事ばかりではない。カップルがエレクトリカルパレードや花火でうっとり見上げるシンデレラ城は、失政を繰り返したバイエルン王ルートヴィヒのノイシュヴァンシュタイン城がモデルなのだ。狂王と呼ばれた男の創造物がディズニーと結びついているのは何とも皮肉。 直近の自分がしでかした失敗をくよくよ悩んでいた読者も「あ、全然セーフ。OK。」と気が楽になるはず。ところで、最後の写真があれになった意図って、現代社会最大の失敗があの人ってことなのかな?さて直すのは誰?とてつもない失敗の世界史 [ トム・フィリップス ]楽天ブックス
November 10, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。イラストライターであり、映画監督でもある和田誠さんが亡くなってしまいましたね。さて、今日は医療に焦点を当てた世界史についての本を紹介します。世にも危険な医療の世界史Quackery:A Brief History of the Worst Ways to Cure Everythingリディア・ケイン ネイト ・ピーダーセン文芸春秋 最初から成功する手術も薬もない。治験やら大学病院のような所で手術をするなど、何にでも初めてはある。しかしその初めてが治療でなく、人の命を縮めるようなものだったとしたら? 現代で有名なのは、アメリカ一有名なあの一族の女性が犠牲になったことでも有名なロボトミー手術。人の脳をいじくり回すなんて、何て恐ろしい! 近世で有名なのは瀉血。かのモーツァルトもやられていた。悪いものが入っている血をただ外に出せばいいなんて!そのかわりに新しい血が入っていくわけではないから、どんどん体から血液が失われていくというのに。有名人がなぜ?と思うかもしれないが、有名人だからこそこのような対応が取られたのだ。 「悪いものは体から出せばいい」という発想で行われた方法が多い。水銀は下から、アンチモンは口から悪いものを出すという発想から生まれたが、そもそも飲んだもの自体が毒なのだから治癒できるはずがない。 「老人がなかなか死ななくなったから少子高齢化の日本は大変」などとやや嘆き節のように語られる現代の日本医療事情だが、本編を読めば、必ず現代に生きていてよかったと思うはず。家族にとっても、自分にとっても。世にも危険な医療の世界史 [ リディア・ケイン ]楽天ブックス
November 9, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。犬養毅首相の末裔である緒方貞子さんが亡くなりましたね。今日も浅野忠信さん出演作品を紹介します。映画幼な子われらに生まれを見ました。幼な子われらに生まれDear Etranger原作重松清出演浅野忠信 田中麗奈 宮藤 官九郎 池田 成志 寺島 しのぶ 新井 美羽監督三島有紀子脚本荒井晴彦 再婚した中年サラリーマンの信は、2人目の妻・奈苗とその子供たちと、平凡でも幸せな家庭を築こうと努力していた。だが、奈苗の妊娠をきっかけに実の父親に会いたいと言いだした長女が反抗的な態度を取り始め、父親としての信の存在を否定する。長女を実の父親の沢田に会わせる信だったが、現在の家族に息苦しさを感じ……。 映画を一緒に見た人は「こんなややこしい事になるくらいなら、再婚なんてしなきゃいいのに」と言っていた。ちなみに当人は配偶者と死別して子供がいる。映画の二人は二人とも再婚で、もう一度しんどい想いをしてもいい、という思いで一緒になった。でもその先に子供を含めた家族がどんな風に変わるかは予測できなかった。 長女が父親に「本当のお父さんじゃないんだから」と言い放った時、最近起こった事件を思い出してはっとした。失職中の義父が同じ台詞を言った少年を殺した事件である。少年はその言葉が義父を傷就けるのは知っていたが、義父をどれだけ傷つけるかを知らなかった。映画の中の長女は12歳で、どちらも知っているし、義父が彼女を叩かないのも見越している。演じているのが浅野さんなので、いくら何でも怒るのじゃないかと思ったが、重松作品の父親はずーっと怒らなかった。ただ、一度だけキレて「子供をおろせ」と妻に言い「結局この人だって前の時と同じだったじゃないか」と長女に言われてしまう。 大人だってわからないのだから、思春期はもっと自分の気持ちがわからない。なぜきつい言葉ばかりを優しい義父に浴びせてしまうのか、自分の歯を折った父と暮らしたいと言うのは義父を傷つけたいだけなのか。それとも信が会っている、見るからにしつけの行き届いているもう一人の娘への嫉妬か。それらのどれか一つではないが、全てを含んだ名前のつけられない感情だ。 大人だからっていつもいつもにこやかにできるわけでもない。大人らしくない言葉を吐くこともある。それでも、迷える子供に手を差し伸べられるのは、不完全な大人の不器用な、でも優しい言葉だったりする。幼な子われらに生まれ【Blu-ray】 [ 浅野忠信 ]楽天ブックス
November 8, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。皇居参観に行ってきました。今日から二日間浅野忠信さん出演作品を紹介します。遠藤周作原作が海外の映画になりました。映画沈黙 -サイレンス-を見ました。沈黙 -サイレンス-The Silence出演リーアム・ニーソン アンドリュー・ガーフィールド 洞口 依子 イッセー尾形浅野 忠信 窪塚 洋介 キアラン・ハインズ 塚本 晋也 加瀬 亮 青木 崇高原作遠藤周作監督&脚本マーティン・スコセッシ17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の日本。高名な宣教師の棄教を聞き、その弟子のロドリゴらは長崎へと潜入する。彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、弾圧を逃れた"隠れキリシタン"と呼ばれる日本人らと出会う。しかしキチジローの裏切りにより、遂にロドリゴらも囚われの身となり棄教を迫られる。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。うーんこのポスターの黒い人影怖いよう。もしかして神なんだろうか。学校の教科書にも登場し、この作品から何を見出せばいいのか大いに悩んだ『沈黙』。リアリストなので、“結局見えない神が赦した”という事にして自らの信仰を捨て拷問される人も救ったのだろう、などと考えると優ししくない。ここは苦しむ民のためにたった一つ出来ることを選んだロドリゴの究極の選択だったのだろう、よしよし、と肩を叩くのが常道だと思われる。神の沈黙をキリストのように「見捨てた」と思えば無神論者になるし「神は許したのだ」と思えば引き続き神を信じられる。原作を読んだのが随分前だったので本はどうなっていたのか知らないが、一番自分の意見に正直だったのはキチジローではないかと。そういう感情は演者によってもたらされたのかもしれないけど、自分の身が助かると思えば異国の宣教師を迷わず差し出す。それが日本で生きていく唯一の術だから。それでも信仰を捨てられず何度もロドリゴのもとに戻ってくる。それに比べるとロドリゴがやや格好つけている、もったいぶっているように見えてしまった。まあもともとそういう対比的なキャラクターに設定していたのだろう。そしてやはり、棄教すると決めるまでの心の動き(神が関係する)は映像よりも書籍の方が勝っているなと。日本が舞台でこれだけ日本人が出ていると、外国人監督が撮っているという感覚がないが、撮影は日本ではできなかったらしい。映画 沈黙‐サイレンス‐ プレミアム・エディション【初回生産限定】 ブルーレイ1枚+DVD3枚 全4枚セットNHKスクエア キャラクター館
November 7, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。年末調整の季節になりましたね。お金は大切です。でも踊らされてはいけませんよね。さて、今日は訳ありのお隣さんに関する映画を紹介します。ユージュアル・ネイバーTHE HARVEST出演マイケル・シャノン サマンサ・モートン監督ジョン・マクノートン 父を亡くし、祖父母が暮らすニューヨークの郊外の家に引き取られたマリアン。新しい環境になじめず孤独な日々を過ごしていた彼女は、家の近所に立派な屋敷があるのを発見する。そこには外科医の母キャサリン、看護士の父リチャードと暮らす少年アンディがいた。彼は重い病気を患っていて学校にも行けず、母によって自宅治療を受けていた。マリアンとアンディは友だちになるが、彼ら一家には恐ろしい秘密が隠されていた…。父を亡くし、祖父母が暮らすニューヨークの郊外の家に引き取られたマリアン。新しい環境になじめず孤独な日々を過ごしていた彼女は、家の近所に立派な屋敷があるのを発見する。そこには外科医の母キャサリン、看護士の父リチャードと暮らす少年アンディがいた。彼は重い病気を患っていて学校にも行けず、母によって自宅治療を受けていた。マリアンとアンディは友だちになるが、彼ら一家には恐ろしい秘密が隠されていた…。えーと、これ、サブタイトルがついて紹介されている場合もありまして、『マッド・マザー 生贄の少年』となってます。これはさすがにネタバレしすぎ。DVDを売らんかなの販社がつけそうな。放送時の『ユージュアル・ネイバー』=普通の隣人くらいがちょうどよかったのに。原題はThe Harvest=収穫。で、何を収穫するかというと…果物や穀物ではないんですね。秘密があった家庭だからいいけど、もし本当に重病の少年がいて、近所のよく知らない女の子が息子と話してたら、そりゃあ溺愛気味の母親は怒るだろうな…と思わせておいて、実は溺愛ではなく執着だったという。医師として評判を経て一定の地位を築いているキャサリンが一見正しく見えて、社会的にも父を亡くして不安定なマリアンが全く信用されないという設定が救いのない状態でいいですね。 マイケル・シャノンとサマンサ・モートンのアカデミー賞ノミネートコンビが訳ありの両親を演じる。それこそフツーなら、マイケル・シャノンの方が怪しげなのに、一切揺るがず視線を逸らさず瞬きすらほとんどしないサマンサ・モートンの方が怖くなってきます。クライマックスはややあっさりしすぎ、という声も。近年少年少女の家庭内での虐待があるので、あまり他人事としては見られませんでした。もちろんこういう目的でというのはないでしょうけれど。ユージュアル・ネイバー [ チャーリー・ターハン ]楽天ブックス
November 6, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。三連休も終わりましたね。八千草薫さんが亡くなりましたね。さて、今日は韓国文学を紹介します。中央駅キム・ヘジン彩流社ソウルでは、無料でボランティアガイドが名所観光をしてくれるサービスがある。その中に「近現代建築紀行」と銘打ったコースがあり、ソウル旧駅が含まれる。旧駅を見た日本人は東京駅によく似ていることに気づくはずだ。それもそのはず、この駅は満鉄が当時の京城を朝鮮半島の玄関口にしようと意気込んで作った。しかし戦争が終わってみれば、日本が押し付けた建物に過ぎない。昨今のソウルでは、新しく発展してゆくもののすぐ横で、古いものが悉く振り捨てられていくのは珍しくないのに、破壊されず「文化駅ソウル284」として残してくれただけ儲けものだ。 タイトルは“中央駅”だが、「歩く歩道」があり新しい駅舎が「古い駅舎の隣に新しく建てた」「古い駅舎が博物館や展示館に生まれ変わる」などという記述を読むと、本編に登場する駅のモデルは京畿道の中央駅ではなくソウル駅と思われる。はて、ホームレスなんていたっけと思い出してみたが、旅行客が行き来する時間にそうそう主人公のような人がたむろしていては駅の景観上よろしくないので、きっと何らかの配慮がなされたのだろう。但し、本編に登場するような、足を切断した人がカートの長いものを転がしながら仁寺洞を横切っていたのは見たことがある。戦争による切断だそうだ。本当かどうかはわからない。全て現在形で書かれているので時代は特定できないが、本編に書かれていること総てが、フィクションでも過去でもない。 主人公が何度か不法滞在者を強制排除する場面が登場し、『こびとが打ち上げた小さなボール』『野蛮なアリスさん』でも描かれたような、急速な土地開発により生活空間を奪われる庶民の姿が、本編でも描かれる。が、単純に奪う者を恨めばいいというわけではない。富者が貧者を排除するのではなく、富者が貧者を使って、同じく貧者―どこまで行っても底が見えない人―を排除する構図になっているからだ。金を得ては泥酔し、簡単に金を盗まれる主人公を情けないと一刀両断するのは簡単だが、だからといって、主人公がいざその気になったとしても、簡単に蜘蛛の糸が垂らされてくるような世の中ではない。失望の記憶が諦念に変わり、やる気を削いでいくまでの時間は、そう長くはかからない。そんな主人公たち打ち捨てられる者の心には、空港への直通列車が走る新駅やモニュメントと化した旧駅ではなく、「がっちりと抱え込む闇」しか見えなくなる。ラストのこれから起こる事件のモデルは、二〇〇九年の龍山事件ではないか。だとすれば、主人公はもう一つ、今までにない闇を抱え込む。「過去や未来なんてない」ものと考え「今目の前に見えるものだけを見る」のは一見潔いように見えるが、彼の目の前にあるものが何だか分かればそうも言えなくなる。棄ててしまった過去や未来のなかに、もしかしたら光があった/あるかもしれないのに。 いくつか脱字があるので完成版では修正をお願いしたい。中央駅(仮) [ キム・ヘジン ]楽天ブックス
November 5, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。大臣の失言&辞任が続いてますね。気が緩んでいるようです。さて、今日は東野圭吾原作の映画を紹介します。祈りの幕が下りる時The Crimes That Bind原作東野圭吾監督福澤 克雄出演阿部寛 溝端淳平 田中麗奈 山崎努 松嶋菜々子 伊藤蘭 小日向文世 音尾 琢真春風亭 昇太 春風亭 昇太 キムラ 緑子 烏丸 せつこ 中島 ひろ子 滋賀県に住む女性が東京都葛飾区で殺され、松宮ら警視庁捜査一課の刑事たちが担当するが、捜査は難航する。やがて捜査線上に女性演出家・浅居博美の存在が浮かび上がり、近くで発見された焼死体との関連を疑う松宮は、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が記されていることを発見する。そのことを知った加賀恭一郎は心を乱し……。東野圭吾の人気ミステリー小説を「半沢直樹」などの演出を務めた福澤克雄が映像化。『新参者』シリーズの完結編。実際に捜査をするのは溝端淳平演じる加賀の従兄だが、捜査のヒントが加賀一辺倒になっている気がした。まあ、これはスーパースター加賀が活躍する物語だからそれでいいのか。二組の親子のドラマが主眼。一つは、死ぬ前まで蟠りを抱え続けた加賀と父、もう一つは死ぬ前まで信頼と愛を繋げた博美と父。博美が加賀に会いにさえいかなければ、加賀の鋭い勘に引っかかることもなかったのだが。 小日向文世さんは最初は気弱な男を演じることが多かったが、最近は「白コヒさん」「黒コヒさん」と言う呼び名もあるように、悪役のオファーも来るバイプレイヤーに。で、白コヒ全開なのが今回の役。妻から押し付けられた借金と、娘がしでかした行為の総てを引き受けていない人であり続ける。ようやく見つけた幸せにすがるも、相手の死により疲弊感がどっと襲って最後に自分ができる唯一のことをする。この親子の真相がわかると共に、加賀も父の複雑な心境を知る。死んでから親の真意がわかるというのはきつい。加賀のような賢い人間なら特に。テレビ放送なのでエンドロールは放送されなかったが加賀は日本橋を離れ再び捜査一課に戻るもよう。小説はこれで終わりになるのかな?春風亭 昇太さんが捜査一課の役を演じているのだけれど、ちょっと浮いていた。祈りの幕が下りる時 Blu-ray 通常版【Blu-ray】 [ 阿部寛 ]楽天ブックス
November 4, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。ラグビーワールドカップ、遂に南アフリカ優勝ですね。じゃあ日本はいい線いったってことじゃないですか!すごいすごい!ところで皆さん、あのヒトラーがどんな家に住んでいたかご存知でしょうか?ヒトラーの家: 独裁者の私生活はいかに演出されたかHitler At Homeデスピナ・ストラティガコス/著北村京子/訳作品社タイトルにもAT HOMEと書いてあるが、この言葉と全く似合わない人物が、写真に写っているあの人だ。死ぬ間際に結婚したとはいえ、彼と家庭とはイメージとして全く結びつかない。少年少女と撮影した写真は残っているが、あくまでイメージづくりで、本当の所彼は自分以外誰も好きではなかったはずだ。 さて、そんなヒトラーでも家は必要だ。一国の指導者として国内外の有力者を招く必要もある。収容所を作る一方で、彼は建築家のパウル・トローストに家のデザインを任せた。オリンピックさえ宣伝に利用したヒトラーが、家を除外するはずがない。パウル亡き後妻ゲルダがインテリアデザインを担当するが、彼女が拘った食器や家のデザインは、世界中から非難されているヒトラーを「派手な生活を好まない常識人」としてアピールするのに役立ち、雑誌で広く喧伝された。 寵愛した建築家としてはアルベルト・シュペーアが有名だが、その頃既に大家だったトローストの方が先にヒトラーに気に入られていた。シュペーアが終戦後転向したのに対して、ゲルダは終生ヒトラーびいきを通した。どうしてこうも、既婚にせよ未婚にせよ才能ある女性達がヒトラーに惹きつけられ、世間で騒がれていた彼の行状をも嘘だと信じてしまうのか。 彼の住まいの中で最も有名なのはオーバーザルツベルクの山荘、ベルクホーフだ。窓を広くとって山が見えるように設計されている。チャップリンが映画で皮肉った巨大な地球儀はここにあった。撤退するSS軍が火をかけ、更に進駐軍が掠奪を行ったのちバイエルン州に返還された。歴史資産として残す選択肢もあったが、聖地化される恐れがあったらしく、結局ヒトラーの命日に爆破解体されてしまった。これが正しかったのかどうか、という問いが本書で投げかけられている。収容所は残し、ベルクホーフを残さない理由は何か。誰が残す残さないを決めるべきなのかはっきりとした“モノ”があった方が人々の記憶には残る。しかし残すことによって全ての人が同じ反応をするわけではない。そこが厄介だ。同じ敗戦国である日本はどんな選択をしているのか。ヒトラーの家 独裁者の私生活はいかに演出されたか / 原タイトル:HITLER AT HOME[本/雑誌] / デスピナ・ストラティガコス/著 北村京子/訳CD&DVD NEOWING
November 3, 2019
コメント(2)
![]()
みなさん、こんばんは。今年の千葉は立て続けに台風に襲われて災難ですね。知り合いも連休中千葉の実家に戻るとか。今日は宇宙を舞台にした映画を紹介します。メッセンジャーMAGELLAN 太陽系の涯てを目指す探査船にたった一人! 10年のミッションの先に待ち受けるものとは! ! 土星の衛星タイタンから発せられる謎の電波をNASAが受信した。同時に海王星からも類似の周波数の電波が発せられていることが判明。地球外生命体からのものではないかと考えた国防省は、ネルソン大尉に単独での調査と発信源の回収を命じる。10年にも及ぶそのミッションには何が待ち受けているのか! ? 宇宙空間を孤独に漂う恐怖! 静謐を極める神秘の世界のなかで男が最後に下した決断! ! 10年ものミッションをたった一人で遂行する主人公の孤独と恐怖。極限の環境のなか、未知なる生命体との接触を試みるが、次第に精神の均衡を保つことが困難となった男が最後にとった行動とは! ? えーとですね。すっごい文言で煽ってくれてるのですが、最後の決断!!最後に取った行動!?ってわけがわからなかったですよ。だって具体的に何かがコトバで語られるわけでなく、映像が流れてきて、主人公が勝手に納得して「僕はそうする」って決めちゃうんですよ。10年も離れ離れになるとわかってて送り出した妻はどうするんだ。離婚くらいしてけじめをつけていくべきだろう。派遣する側もあまりにも一人に依存しすぎる。そもそも一人で宇宙船にいると、誰も反対しないのだから、思う通りに実行できるのは当たり前。それこそ人間をいきなり派遣するのではなく、無人ロボットを派遣すればメンタルが動揺する可能性はゼロでしょう。精神に異常を来した場合だけではなく、重大な負傷をした場合も想定して、自力ではない方法で帰還できる術を装備しておくべきでは?ネット上でのレビューでは主人公が拾っていく弾をドラゴンボールと呼んでいて笑った。メッセンジャー 【DVD】楽天で購入
November 2, 2019
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。昨日は朝起きたら首里城が燃えていてびっくりしました。映画『戦場のピアニスト』を見たことがありますか?あの映画に出て来るドイツ人将校は実在の人物だったのです。「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校:ヴィルム・ホーゼンフェルトの生涯Ich sehe immer den Menschen vor mir:Das Leben des deuschen Offiziersヘルマン・フィンケ白水社映画『戦場のピアニスト』より。悪夢のような1か月を想像上のピアノに向かうことで乗り切ったウワディク・シュピルマンは、ある日とうとう独りのドイツ人将校ホーゼンフェルト大尉に見つかってしまう。ウワディクが自分はピアニストだと言うと、将校はピアノのある部屋へ彼を連れて行き何か弾くよう命じる。2年ぶりの演奏を静かに弾き始めるピアニスト、暗闇の中にショパンが響き渡る―。 ピアニストも将校も実在の人物だ。ピアニストは一躍注目を浴びたが、シンドラーや杉原千畝らに比べてホーゼンフェルトは知られていない。彼は、いきなりあの現場に遭遇して、咄嗟に行動できたのではない。素地があったのだ。 両親とも教師だったホーゼンフェルトは、ワンゲル好きの大学生からごく自然に教師の道を選んだ。しかし厳格な教師だった父親とは別の道を選ぶ。「宿題に取り組む子どもたちに対して、両親は苛立ったり、叱ったり責めるべきではない。『バカだな』とか『こんなことではお先真っ暗だ』などと言ってはいけない。そのような叱責はなんの役にも立たない。むしろ、子どもは勇気をそがれ、多くを失ってしまう。叱るより褒めるべきである。」「教師は支配者、君主、暴君だ。その家来である生徒は授業の構成には関与しない。子どもたちは臣下であり、彼らには卑屈さが染みついている。自ら考えることなく命令に従う。不誠実、媚び、偽り、ごまかし、判断力の欠如。彼らには自分の意見も個性もない。」「私は若者たちの魂を揺り起こし、彼らの思考に新しい方向性を与えたい。彼らは一日中、目の前の仕事だけに没頭している。ある者はホウキを作り、ある者は森で木を切る。職人もいる。どれも力そのものを必要とする仕事だが、知力は使われないままだ。」ところが、理想に向かって邁進する教師は、祖国が始めた戦争によって兵士になる。「ヒトラー氏は、何のために子どもたちを必要としているのかしら?大砲の餌食になるがオチでしょう。もしあなたが、もうひとり男の子か女の子が欲しいと言うなら賛成するわ。夫が望むなら、という女たちはたくさんいるでしょう。だけど、子どもは決してこの『輝かしいドイツ』のために生まれるべきではない。」当初からヒトラーに懐疑的だった妻アンネマリーの影響もあり、彼は次第にヒトラーやナチスに批判的な目を向けるようになる。彼の克明な心情の変化が後世に伝わるのは、彼の日記や書簡が残されているからだが、戦況が悪化すれば検閲も厳しくなったはずで、よくも粛清されなかったものだと安堵する。 もともとユダヤ人に対しても、彼等に対する行為についても強い憤りを感じていたホーゼンフェルトは、シュピルマン以外にも多くのユダヤ人を救っている。戦争の行く末を見通していたからといって、後に自分がいい想いをしたかったのではない。人間として当然そうするべきだと思ったから、そうしたのだ。多くの人たちが正義を知りながら流されていったのも事実だ。しかしホーゼンフェルトのように、抗するには大きすぎる権力の中に在りながらも、自分に出来ることを選び取ることができた人がいたことは、ドイツにとって誇りである。「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校 ヴィルム・ホーゼンフェルトの生涯 [ ヘルマン・フィンケ ]楽天で購入
November 1, 2019
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1