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みなさん、こんばんは。いよいよ一月も終わりですね。早かったです。そして明日は雪が降るのか。草津も蔵王も心配ですね。今日紹介するのは昨日紹介した評伝の下巻です。スターリンの娘(下):「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯STALIN'S DAUGHTER:The Extraordinary and Tumuluous Life of Svetlana Alliluyevaローズマリー・サリヴァン白水社米国に亡命したスヴェトラーナは『友人に宛てた二十通の手紙』の出版にこぎ着ける。しかしソ連側の妨害が入ったり、ニューヨークタイムズに抜粋として紹介された著書に、自分が許可したはずのない、スターリンに抱かれた幼い彼女の写真がキャプションで添えられたりして、彼女を悩ませる。「私が言ったり書いたりすることよりも、私について広まっている嘘の方を人々は信じるのだ。父親の名前があまりにも忌わしく私の上にのしかかっており、私はいまだにその名前の陰で生きるしかない。」 スターリンの政治を身近に見ていた者として「善なるものは決して滅びないことをあなたがたが忘れないように願う。善なるものは暗黒の時代にも人々の心の中で生き続け、誰も思いつかないような場所に隠れている。それは決して死に絶えず、完全に消滅することはない。この傷ついた地球の上では、すべてのものが真と善のおかげで、また真と善の名によって生存し、呼吸し、花をつけ、実を結ぶのだ。」 など、なかなか鋭い事を書いてもいるのだが、どうしてもスターリンの娘という立場がクローズアップされがちで、本当の文才を見抜いてくれた人がどれだけいるのか。 など、なかなか鋭い事を書いてもいるのだが、どうしてもスターリンの娘という立場がクローズアップされがちで、文才や作品単体の評価につながらない。 皮肉なことに、父という独裁者の元を離れて来たスヴェトラーナが、もう一人の独裁者に手もなく絡め取られてしまう。独裁者とは、高名な建築家で日本にも縁の深いフランク・ロイド・ライトの三番目の妻、オルガ・イヴァノウァ・ヒンゼンブルグだ。膨大な印税を手に入れたスヴェトラーナに狙いを定めた彼女は、スターリンの隠し財産の噂も信じており、自分の言う事を聞く男を彼女の夫としてあてがった。そしてフランク・ロイド・ライトが設計し弟子たちとともに建設した設計工房「タリアセン」の維持や、自分やライトの弟子達のために、夫を通じてスヴェトラーナの資金を流用していった。この辺りの事はライトやスヴェトラーナのウィキペディアにも書いていないので、今回かなり踏み込んだ取材がなされたということだろう。お嬢様らしく金を与える事に頓着せず、困れば誰かが助けてくれるだろうくらいに軽く考えていたスヴェトラーナは、晩年財産を失い老人ホームに入る事になる。彼女自身の甘さが招いた事とはいえ、周囲のやり方があまりにもえげつない。ソ連と西側諸国を行ったり来たりさせられるなど、成熟しきっていない母親に振りまわされた娘が彼女を看取ってくれたことが、せめてもの救いであったろう。スターリンの娘(下) 「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯 [ ローズマリー・サリヴァン ]楽天ブックス
January 31, 2018
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みなさん、こんばんは。冷戦時代のソ連を率いたスターリンは知っていても彼に娘がいたことを知っている人は少ないのでは?今日と明日はその評伝を紹介します。スターリンの娘(上) 「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯STALIN'S DAUGHTER:The Extraordinary and Tumuluous Life of Svetlana Alliluyevaローズマリー・サリヴァン 白水社 ロシア革命の後、ロマノフの血縁は姿を消した。にもかかわらずクレムリンの皇女と呼ばれた女性がいた。1926年、スターリンとその妻ナージャの間に生まれたスヴェトラーナ・アリルーエワが、その人だ。国を動かす男の娘ならば、わがまま放題に育ったのでは?と思いがちだ。幾分かはあたっているが、辛い経験もしている。 まず、生みの親が彼女が6歳の時に死んでいる。死因は諸説あるが、この本では自殺という形を取っている。最高権力者の妻が自殺などというスキャンダルを広めるわけにはいかないため、スヴェトラーナは長い間母の死因を知らずに育った。 また、ソヴィエト革命の指導者達は、自らを労働者と農民の同盟を代表するとみなした。この観念は、鎌とハンマーをあしらったソビエト連邦の国旗や国章に表れている。それなのに、スターリン達は庶民はまだ飢えているにもかかわらず、貴族の館を自分の別荘にした。「ポルシェヴィキ党の教義に従えば、私有財産というものは存在しなかった。それは、つまり、すべての財産が、早いもの勝ちで誰かの物になるという意味だった。」 そして始まった新たな政治に関しても、 「権力を誇示する際にスターリンが武器としたのは、雄弁よりもむしろ沈黙だった。人々を支配する道具として、沈黙は雄弁よりもむしろ効果的だった。スターリンが沈黙すると、人々はその本意を測り知ることができずに恐怖に陥ったのである。」 のように、何やらどこぞの国の忖度のような描写も見られるちぐはぐなものだった。 スターリンが息子に語ったという台詞がある。「お前はスターリンじゃない。その意味では、この私でさえスターリンじゃない。スターリンとは、ソヴィエト権力そのものだ新聞に報道されるスターリン、肖像画として掲げられるスターリン、それこそが本当のスターリンなのだ。お前はスターリンではないし、私だってスターリンではない。」 同時代を生きたとはいえ、連綿と続く大統領制度の中の一人であったルーズヴェルトとは異なり、これから国の骨格を作り上げていかなければならなかったスターリンが、皇帝の代わりを求める民衆のために意識して虚像を作り上げた。父を否定することは国を否定することに繋がるが、自分は彼の実像を知っている。苦悩の末娘は、西側への亡命を希望する。彼女が無事米国入国を果たすまでの描写は実録スパイ小説のようだ。これでめでたしめでたし、となってしまうなら下巻は要らないので、おそらく彼女の苦難はまだ続くのだろう。【楽天ブックスならいつでも送料無料】スターリンの娘(上) 「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯 [ ローズマリー・サリヴァン ]楽天ブックス
January 30, 2018
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みなさん、こんばんは。大相撲は栃の心の優勝ですね。あれこれ騒動がありましたが大相撲も今日で終わりです。映画殺人者の記憶法を見ました。初日の初回だったので混んでました。殺人者の記憶法MEMOIR OF A MURDERER出演ソル・ギョング キム・ナムギル オ・ダルス かつて連続殺人を犯し、アルツハイマー病を患うビョンスは、接触事故に遭った後にテジュという男と出会う。その異様な雰囲気から彼が殺人鬼であると直感したビョンスは、警察に通報しようとする。だが、テジュが警察の人間であったことから誰もまともに取り合おうとしない。たった一人でテジュの凶行を食い止めようとするが、アルツハイマー病による記憶の喪失に苦しめられるビョンス。そして、新たな殺人事件が発生し……。 冒頭、雪の森の中を歩いている男ビョンス。眼は明らかに落ち着いていない。自分がなぜそこにいるのかもわかっていないようすで、ゆっくりと辺りを見回す。 そこから時間も場所も飛ぶが、どれだけ飛んでいるかは提示されない。警察に連れてこられてしゅんとしているビョンスの髪型が冒頭とは異なるので、前の画面と繋がっていないことだけわかる。知り合いの署長との受け答えは危なっかしい。そこへ娘がやってくる。 原作を読んでいる者は、ここで「娘」としてやってきた女性を見て「あ!この映像は信用ならない」と思うはずだ。原作はビョンス視点で事のあらましが語られ、ラスト近くでこれまで伝えられてきた情報が見事にひっくり返る。その時娘の正体が明らかになるのだ。 ところが映画では彼女は「娘」としてその後も現れる。それでも私達は油断できない。原作と同じように、私達はビョンスのフィルターを通して見た情報しか見せられていないからだ。普通の映画とは違う、と思いつつも、署長やビョンスが通う詩の学校の先生が登場すると、彼等が喋っている事は少なくとも本当なのか、ビョンスがレコーダーに記録している時に入ってくる他人の話は本当なのか、と少しずつ映像を全て信じる方へ流されていく。 映画はビョンスがアルツハイマーと言う設定以外はかなり変えてきているので、下手に原作を読むとこの先も騙される。「笑っていても心の中は笑っていない怪しげな男」テジュを演じたキム・ナムギルも、数々の視線によって様々な感情を表現できる俳優だが、ソル・ギョングも負けていない。うつろな表情、記憶が戻っている表情をとりわけ眼で表わす。この映画は二人の俳優の目線対決だ。そして勝者はいない。なぜなら最大の敵は記憶を失いつつある自分だから。殺人者の記憶法 [ ソル・ギョング ]殺人者の記憶法:新しい記憶 [ ソル・ギョング ]楽天ブックス
January 29, 2018
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みなさん、こんばんは。今はまっているのは、日曜日深夜11時から始まるアメリカのドラマTHIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これからです。ちょっと変わった形式を取っていて、親世代と子供世代の物語が並行して描かれるのです。THIS IS US出演マンディ・ムーア監督ケン・オリン他第一話「誕生日」Pilot誕生日が同じ36歳の男女3人の物語。アメリカで大ヒットした話題作が日本初登場。主役の1人、ケヴィンの声は俳優・高橋一生。ある夏の日、36歳の誕生日を迎えた人気俳優ケヴィンは、浮かない顔だ。コメディードラマで道化役を演じることに疑問を感じていた。肥満に悩みダイエット中の女性ケイトは、バースデーケーキを見つめる。エリートビジネスマンのランダルには、捜していた父親が見つかったという知らせが入る。「すっぱいレモンからレモネードを作る話」がめっちゃいい話だったなぁと思ったらそういうことか。あの時の子供が36年経って出生、キャリア、恋愛に悩む大人になったと。第二話「ビッグ・スリー」The Big Threeドラマの降板を宣言したケヴィンだが、まだ契約が残っているのでテレビ局に謝って復帰するようにエージェントに諭される。ケイトはダイエットがうまくいかずイライラが募る。ランダルは、ようやく出会えた実の父ウィリアムが病気で余命わずかだと知り、専門医の治療を受けさせるために家に滞在させる。しかし、妻のベスは頻繁に外出するウィリアムに不審を抱く。ビッグスリーの中で、子供の頃から一番苦労人のランダルが一番大人になったんだろうな、という事が並行して描かれる過去パートで分かる。演出のケン・オリンには深夜で放送されていた「Thirtysomething」というやはり30代がメインの名作があった。第三話「秘密」Kyleニューヨークで舞台に挑戦すると決めたケヴィンは、気分はもうすっかりニューヨークに。だが、誰かに手伝ってもらわないと引っ越し準備もままならない。偶然ケイトの歌声を耳にしたトビーはその美声に魅了され、もっと歌ってほしいと頼む。ケイトは子どものころは人前で歌ったこともあったが、大人になってからは肥満を気にして目立つことは避けているという。ランダルは父ウィリアムを連れて予約していた病院へ。若き日のウィリアムのノートの文字がしっかりした活字体からどんどん乱れていくカットを重ねることで彼のドラッグ中毒が酷くなっていくことを描写していてうまい。子供を失くしなさぬ仲の子供を育てる苦労を共にしたジャックとレベッカがなぜ別れたのか、まだ語られないドラマ。第四話「プール」The Pool舞台出演を目指してニューヨークへやってきたケヴィン。初めてのオーディションを受けるが…。ケイトはトビーとレストランでデート。そこでトビーが美女と話しているのを目撃する。ランダルは娘テスが学校の劇で主役を演じるのを楽しみにしていた。そんなとき、父ウィリアムが隣人たちとトラブルになりそうになる。一方、過去の時代。ピアソン家では猛暑なのにクーラーが故障。父ジャックの案で家族そろってプールに行くことに。肥満気味ケイト、白人社会の中で生きるランダルに比べ白人で普通のケヴィンが両親の中でもつい見過ごされがち。36歳になったケヴィンがあれだけケイトに依存するのも「見ていて欲しい」願望の表れ。「お前は何も間違ってない息子よ」実の父親の言葉に励まされるランダル。第五話「スーパーボウルの夜」The Game Plan舞台のオーディションに合格したケヴィンはセリフを覚えるのに必死。豪華ホテルに独りでいるのが嫌でランダルの家に居候する。ランダルは代わりに妻とホテルに泊まることに。ケイトはアメフトのテレビ観戦が好き。恋人のトビーに一緒に見ようといわれるが、必ず一人で見る習慣にしていると断る。一方、過去の時代。アメフトの優勝チームが決まる日。ジャックと妻レベッカはバーで試合観戦するが、あることでケンカになってしまう。原題はThe Game Plan Plan=アメフトの試合運びのことだが親世代の家族計画(Plan)、ケヴィンの演技プラン(Plan)、ケイトのアメフト鑑賞プラン(Plan)もかけていて、もっと大きく出るなら人生のプラン(Plan)のことも言い当てている。第六話「レッスン」Career Days初舞台の稽古に励むケヴィンだったが、役作りがうまくいかない。相手役のオリヴィアはケヴィンをあるパーティーに誘う。ケイトは新しい仕事が決まり、意気揚々と働き始めるが…。ランダルは、娘の学校で保護者が自分の仕事を発表する会に出ることに。一方、過去の時代。ジャックとレベッカは学校に呼ばれ、優秀なランダルの才能を伸ばすため、レベルの高い私立学校への転校を進められる。1人だけ違う学校に行かせるべきか悩む。ウィリアムがまるでその名の通りシェイクスピアみたいな名演出家だった。登場する毎にいい味。ケヴィンに「君はいつもそうだ 自信がない」とどんぴしゃりなアドバイス。ラストのケヴィンの台詞「ごちゃごちゃでワイルドでカラフルで終わりがない」は人生のとても良い説明。 独立して企業すれば自分の好きな事が出来たろうけれど、子供達のために好きではないデスクワークをしてネクタイを締める暮らしを選んだジャック。そんな父をかっこいいと思っていたランダルが御揃いでネクタイを締めていたショットから現代に映る場面転換の見事さ。第七話「世界一の洗濯機」The Best Washing Machine in the Whole Worldケヴィンとランダルは少年時代から何かにつけてぶつかり合っていた。そんなぎくしゃくした関係は大人になっても変わらず…。ケイトは必死にダイエットを継続しているが、思うような結果が出ない。一方、過去の時代。ケンカしてばかりのケヴィンとランダル。ケヴィンは同じ部屋が嫌だと地下室に移ってしまう。そんな2人が対抗するアメフトチームで試合をすることになる。レベッカは昔のバンド仲間に誘われ音楽活動を再開する。OpeningとLastに同じ画面が登場。Openingでは声だけだったからわからなかったがLastでは映像も映り時を遡っていたことがわかる。洗濯機の性能はどんどんよくなるけれどそれはジャックの仕事が忙しくなることを意味しレベッカと話す時間が減り夫婦に距離が。同性同い年の兄弟ゆえに、一番近いライバルとして、かつ一番認めて欲しい相手としてお互いを意識しすぎてきたランダルとケヴィン。仲裁してくれた両親が側にいなくなり、今は不器用ながらも互いが歩み寄る事が出来る。第八話「感謝祭」Pilgrim Rick感謝祭はランダルの家に家族が集まり祝うことに。ケヴィンは共演者のオリヴィアを招待。ケイトはダイエットをやめたトビーと一緒にいるのがつらくて、少し距離をおきたいと告げたところだった。ランダルはみんなで家族伝統のお祝いができることを喜んでいた。ベスは実父を隠していた事実をランダルに話すようレベッカに迫る。一方、過去の時代。ピアソン家では感謝祭をレベッカの実家で過ごすのが恒例だが、楽しみな日ではない。ランダルがピアソン家の感謝祭を淀みなく実行していく現在と、このスタイルが生まれた日―ジャックとレベッカが親達のおしつけるスタイル(ケイトのちくちくするセーター→自分達に合わない)を捨てて新たなピアソン家の感謝祭を始めた過去を重ねる効果が良い。過去の感謝祭は最低だったけれど家族の堅い絆が生まれた日だった。一方現在の感謝祭は条件も食べ物も完璧だったけれど一番堅かった信頼の絆がぷつんと切れた日だった。毎回ウィリアムがメンター(mentor)みたい。今回は死についての台詞。第九話「家族旅行」The Tripランダルは母レベッカが実父のことを隠していたことに怒りが止まらない。ピアソン家の持つ古い山荘を売ることを知ったケヴィン、ケイト、ランダルは、最後の思い出作りのために山荘へ出かける。一方、過去の時代。9歳のランダルは実の親が誰なのかが気になり、街で黒人を見つけては声をかけてしまう。ジャックはランダルの心の穴を埋めるために、探偵を雇って両親を探してみたらどうかとレベッカに提案する。マジックマッシュルームで父との再会を果たすランダル。レベッカがウィリアムをランダルに会わせまいとしたのは二番目の答え「実の親が(捧げる詩を書きためるほど息子を思う)いい人だった」から。ケヴィンの株が段々上がってきた。オリヴィアへのツッコミ鋭い。第十話「クリスマス」Last Christmasクリスマスイブ。ケヴィンの初舞台は、主演女優のオリヴィアが行方不明となり中止の危機に。胃のバイパス手術を受けると宣言したケイトは、母レベッカと一緒に詳しい説明を聞きに行く。ランダルは妻ベスと会社のパーティーに出席するが…。一方、過去のクリスマス。ジャックとレベッカは腹痛を訴えるケイトを病院へ連れて行く。盲腸ですぐに手術をすることになるが、そこで思わぬ人と再会する。原題はLast Christmasなのでトビーはもしかしたら。ランダルが一人の男性の自殺を止めて折角「イヴに悪い事は起こらない」のおまじないを繋いだのに。クリスマスがテーマのドラマは許しをテーマに持ってくる。娘に父親の性癖を教えられるランダルの表情がツボだった。第十一話「戸惑い」The Right Thing to Doケヴィンの初舞台の稽古は劇作家のスローンが相手役を務め順調だった。だがそこに行方不明だった相手役のオリヴィアが突然戻ってくる。ケイトの恋人トビーは心臓の病気で手術が必要だったが…。ランダルは父ウィリアムの恋人の出現に戸惑う。一方、過去の時代。ジャックとレベッカは子どもの誕生を楽しみにしていたが、3つ子だと知らされビックリ。引っ越したばかりの家は狭く、精神的にも金銭的にも不安な日々を過ごすことに。原題はThe Right Thing to Doやるべきこと(それが正しいから)、ケヴィンのオリヴィアへの台詞にあった「正しいこと」とも。ジャックの父やレベッカの母のように一緒にいてもぶつかる親子もいれば離れていたからこそ想いやるランダルとウィリアムのような親子もいる。完璧主義の母親の影響から抜けきれず何事も「段取りよく」「完璧」にあろうとするレベッカを、父親を見ていて「完璧」な親などあり得ないと知っているから相手に対しても寛容なジャックがフォローする場面が目立つ。傍目から見れば十分理想のカップルに見える。第十ニ話「小さな奇跡」The Big Day過去の時代。1980年の夏。3つ子の出産予定日が近づくなか、レベッカは体が思うように動かせずイライラを募らせる。つい夫ジャックに当たり散らし、1人にしてほしいと家から追い出してしまう。だが、レベッカはあることに気づき…。消防隊員のジョーは妻との関係を修復したくて、教会で神父に奇跡を起こしてほしいと願う。妻に先立たれた医師カタウスキーは、その喪失感から立ち直れぬ日々を過ごしていた。第一話を別の側面から見たThe Big Dayは三組の夫婦を登場させ夫婦に訪れる危機とそれをどう乗り越えるかを年代毎に描く。出産という最初の試練に立ち合うジャック&レベッカ、夫婦の危機に直面する消防夫ジョーとサマンサ、愛する人と死別して一年のドクターK。第十三話「愛の告白」Three Sentencesケヴィンはトビーに恋愛相談をし、思い切った行動にでる。ケイトは胃のバイパス手術を受けることに迷いが生じ、紹介された減量合宿に参加することに。ランダルは職場での強力なライバル出現にあせる。そんなとき、実父ウィリアムが突然、会社にやってくる。一方、過去の時代。ピアソン家の3人の子どもたちはいつも一緒に誕生日を祝っていた。ところが10歳の誕生日は、家に友達を呼んで別々にパーティーをしたいと言い出す。 原題はThree Sentences今まで恋愛経験多い割には誰でもいいのか状態のケヴィンという印象だったのが今回でがらりと変わる。十歳の頃から好きだった彼女に言いたいことはやっぱりとても長い3センテンスになってしまった。このドラマって皆の中にあるノスタルジアを引っ張って来る。親に守られていた頃、たとえ兄弟でも自分とは違うと分かって来る頃、親の必死のフォローが功を奏してそれに気づかずいられた頃、家族だけで世界が完結していた頃。国は違えど皆くぐり抜けてきたはず。第十四話「忍び寄る不安」I Call Marriageケヴィンは別れた妻ソフィーとの再会を果たし、関係を修復しようとする。ランダルは実父ウィリアムの病の進行で不安にかられるなか、仕事のストレスまでがのしかかってくる。減量合宿でダイエットを続けるケイトを励ますため、トビーが差し入れを持ってやってくるが…。一方、過去の時代。ジャックとレベッカは市役所で結婚式を挙げる。愛情いっぱいの2人だったが、時が経ち、2人で過ごす時間が減ってすれ違いが増えてきていた。2話でべスが言及したランダルの悪習が出てしまう。仕事も良き夫・父・息子役までいっぺんにやろうとして他人が差し出す助けの手をも深読み。最初の夫婦の危機を乗り越えたジャックとレベッカの株が爆上がり中。第十五話「ジャックの息子」Jack Pearson's Sonケヴィンの主演舞台がいよいよ初日を迎える。緊張のため落ち着かないケヴィンはあちこちに電話をしたりして気を紛らわせる。ランダルはウィリアムの介護と仕事に追われ、精神的に追い詰められていく。ケイトとトビーは2人の関係を見つめなおす。一方、過去の時代。バレンタインデー。ジャックとレベッカは恒例のディナーへ行く予定だ。だが、その前にレベッカのバンドのライブがあり、見に出かけたジャックだが…。完璧な父、完璧な夫だったジャックにも遂にほころびが出た時と、時を同じくしてランダルにも危機が。大事なイベントを控えた二人のジャックの息子達二人の一日。ミゲルに会って亡き父を思い出せたケヴィンと、ジャックのように家族皆を支えなければならないプレッシャーと闘うランダル。 第十六話「メンフィス」Memphisランダルは、息子に自分の故郷を見せたいという実父ウィリアムの願いをかなえるため、2人でメンフィスへ向かう。親子水入らずの旅で2人はいろんな思い出を語り合う。一方、過去の時代。ウィリアムは母親と2人で暮らす優しい青年だった。母が祖母の看病のために町を離れ、残ったウィリアムは遊び人のいとことバンドを組み、好きな音楽を続けていた。ウィリアムが作ったオリジナル曲のおかげでバンドは人気になるが…。生みの親ウィリアムの「窓を開けて音楽をかけろ。アフロにしろ」というアドバイスを受け、死を怖がるウィリアムに育ての親の「両頬をはさんで眼を見て安心させる」仕草を返すランダル。受けたことを誰かに渡す、返す。始まりと終わりが見事に繋がる。まさに人生。「お前は私の宝物」生まれる前に父はいないが母親に愛されて育ったウィリアム。母親思いで音楽の才能にも伴侶にも恵まれ素晴らしい人生を送るはずだったが母の死が彼の気力を奪う。今回そんな彼に光が射すショットが多く、まるで天国からの光のようだった。第十七話「完璧な一日」What Now?改めて舞台の初日を迎えるケヴィンは、高名な評論家に再び来てもらうため、直(じか)談判をしにいく。ランダルはウィリアムのお別れの会を開くことになるが、故人の遺志により、内容は子どもたちに任せられることに。お別れ会に参加したケイトは、つい亡き父ジャックのことを考えてしまう。一方、過去の時代。ジャックとレベッカはぎくしゃくした雰囲気のまま、レベッカがバンドのツアーに出発。そんな両親を心配したケイトは…。心の弱った人が寄りかかれる膝かけ」ウィリアムの息子一家への気配りっぷりが行き届いた17話「What Now?」まさかのオープニングでもう戻ってこないだろう部屋を見回したり天国のジャックと息子談義に花を咲かせたり、去ったのにしっかりウィリアムの回だった。第十八話「幸運の女神」Moonshadow過去の時代。ジャックはレベッカと仲直りするため、彼女のツアー先にライブを見に行くため車を走らせるが…。一方、2人が出会う前の時代。歌手を夢見るレベッカは町のバーで歌いながらレコード会社にデモテープを送る日々を過ごしていた。そのころ、28歳のジャックは実家の屋根裏に住み、近所の人の手伝いや車の整備でわずかな金を得ていた。友人と一緒に整備会社を持つのが夢で、早く金を貯めたいとある計画を実行するが…。ジャックの「子供達は大丈夫だ」いう台詞にかぶせて大人になった子供達のその後が映される。かつての養父と同じ決断をするランダル、母の歩んだ道を追うケイト、まさかのロン・ハワード本人出演で映画のオファーをもらうケヴィン。ジャックとレベッカがお互いの本音をぶつけあうシーンは台詞がかぶっていて俳優も声優もさぞ大変だっただろう。お互いに愛し合っていて、相手の良さもわかっているのに、だからこそぶつかってしまう二人。どちらかと言えばレベッカが正論を言い過ぎてしまうかな。THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから DVDコレクターズBOX [ マイロ・ヴィンティミリア ]
January 28, 2018
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みなさん、こんばんは。一週間たっても雪が解けません。そしてほっぺたに当たる風が寒い!なんてことだ。さて、今日紹介するのはドイツのミステリシリーズ最新作です。穢れた風 刑事オリヴァー&ピア・シリーズWer Wind Satネレ・ノイハウス創元推理文庫ドイツ警察のオリヴァー&ピアの上司と部下コンビシリーズ第五作は最大のピンチかもしれない。何と、かねてから下剋上を噂されていたオリヴァーが、本作では殆ど捜査をしていない。まあ後半は外部圧力によって事件に関わることが出来なくなってしまうが、そうでなくても彼の心は事件には向いていない。どうも彼は側に女性がいないとダメなタイプのようだ。支えてくれる人は部下として、支えたい相手はパートナーとして。 こんな頼りない上司を持ったピアこそ大変で、ゆったりしていられたのは冒頭の数ページくらいだ。中国旅行からパートナーと戻って来た途端に電話が鳴り、殺人事件の捜査に取り組む。合わない同僚が去っててきぱき仕事をこなす彼女はなかなかカッコいい。友人とラブラブの元ダンナも仕事そっちのけで恋愛に走るので、ピアは男運があまりよくないのか。現在のパートナーと末長く幸せになってもらいたいものだ。 今回の事件のテーマは環境保護だが、利権に群がる企業や個人の汚職を暴こうと立ち上がるジャーナリストが現れる。ドイツのジャーナリズムもなかなか信頼されている存在かもしれない。 さて、ある決意を秘めたオリヴァーの爆弾発言で終わる本書だが、相手は一筋縄ではいかない。ある行為の最中相手の思惑も知らぬげに満足げな様子を観察されているのだから、とても太刀打ちできないだろう。さて、次巻二人はどうなっているのか。【楽天ブックスならいつでも送料無料】穢れた風 (創元推理文庫) [ ネレ・ノイハウス ]楽天ブックス
January 27, 2018
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みなさん、こんばんは。草津といえば温泉が有名なのに、何と噴火が!びっくりですね。こちらでは意外な俳優がおとぼけ役を演じていますが、こちらも意外だったでしょうか。チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密MORTDECAI出演グウィネス・パルトロー ジョニー・デップ ユアン・マグレガー ポール・ベタニー ジェフ・ゴールドブラム うさんくさいちょびヒゲをたくわえたうんちく好きな美術商チャーリー・モルデカイは、今日も怪しげな美術品を闇組織に売りつけては大金をせしめている、言ってしまえばペテン師ディーラー。一応は美術の知識はあるし、ロンドン郊外には瀟洒で広大なマナーハウスを所有しているものの、如何せん、莫大な借金と税金滞納で破産寸前だ。イギリスの諜報機関MI5に依頼されたゴヤの名画の捜索に乗り出す。屈強な用心棒ジョックと共に盗まれた名画の行方を追うが、その絵にはとんでもない財宝の秘密が隠されていることがわかり、マフィアや国際テロリストも絡む大争奪戦となる。 キリル・ボンフィリオリの小説「チャーリー・モルデカイ」シリーズを、ジョニー・デップ主演で映画化。『シークレット ウインドウ』でジョニーとタッグを組んだデヴィッド・コープが監督を務め、グウィネス・パルトロー、ユアン・マクレガーらが共演。 ティム・バートンと組んで気に入ってしまったのか、なぜか変キャラを好んで演じたがるジョニー・デップ。『パイレーツ・オブ・カリビアン』みたいに嵌ればシリーズ化されるんだろうけど、今回のは単発でいいかな。 ポール・ベタニー演じる最強かつ絶倫の部下と弱っちい主人コンビの取り合わせ、とても出来る諜報員なのになぜかモルデカイの妻に機密をしゃべってしまうアラステア・マートランド警部補、キスアレルギーの愛妻など笑える所は仕込んであるのだけれど、全てにスピード感がない感じ。裏で名画すり替えが行われていて、表ではオークションが行われている場面なんか、盛り上げようによってはとんでもなくスリリングなのに、そうはなっていなくて残念。原作小説の方が面白かったりして。【楽天ブックスならいつでも送料無料】チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密【Blu-ray】 [ グウィネス・パルトロー ]楽天ブックス
January 26, 2018
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みなさん、こんばんは。まだ雪が解けないで残っています。危険です。さて、今日も西部劇です。強面男が出てきますよ!襲われた幌馬車THE LAST WAGON出演リチャード・ウィドマーク監督&脚本デルマー・ディヴィス音楽ランディ・ニューマン 物陰に潜んで水辺にやって来る男を待ち伏せるもう一人の男。銃で撃たれて水辺の男は死に、撃った男は逃げる。 その男を演じているのがリチャード・ウィドマーク。逃げるシーンは延々6分続く。決闘で相手を撃つのではなく、自分だけ物陰に隠れて撃つのは卑怯者のやる事だ。ならばウィドマーク演じる彼は悪人なのか。そう思わせるのは他ならぬウィドマークが悪人顔だからだ。 もう名前を呼ぼう。彼はコマンチ・トッド。コマンチ族に育てられた白人だ。ハーパー4兄弟を狙って殺していき、残った保安官のブル・ハーパーに捕まった。相手が保安官ならもうウィドマークの悪役は決定。ブルに捕まり、地面を引きずられていく所を、偶然通りかかったノーマンド大佐率いる幌馬車隊にいたジェニーから「獣のような扱いだわ」と非難される。行動を共にする事になった幌馬車隊とトッドだが、夜に幌馬車隊が襲われる。出かけていて無事だったビリー、ジェニー、ジョリー、クリント、リッジ、ヴァリントの6人は、崖の下に落ちた馬車につながれたトッドを発見し助ける。トッドの提案で6人は死の谷を抜ける決死行に向かう。 さてここで視聴者は、疑いながらも土地勘があって一番の大人であるトッドを頼らなければならない若者達と同じ立場に放り込まれる。ここからのロードムービー的な流れは、形を変えた陪審員裁判だ。 ビリー&ジェニー 捕まっていた当初からトッドに同情的 ジョリー 自分を認めてくれたトッドに好意的という3人に対して残りは懐疑的。 クリント 自分を助けるために保安官を殺したトッドに感謝しているが彼を信じきれない→中間的立場 リッジ トッドを端から信じておらず手錠の鍵を渡さない 自分に能力があると信じ切っているよくいる若造 ヴァリント 先住民と暮らしていたトッドを先住民との混血である妹同様軽蔑している大佐の娘として甘やかされたためわがまま さてこの反対&留意票が、トッドの賢さ、リーダーシップ、優しさを知るにつれ、変化していく姿が描かれる。旅という共通体験を通じて世代間の溝が埋まり、それぞれが成長していくロードムービーの定番と言えよう。 一番可哀想なのはジェニーの話にしか出てこない婚約者。弟の面倒まで見てくれる気前がよく、お堅い商売の人で、彼自身には何の落ち度もない。なのに散々待っていざ着いてみたら、婚約者は別の人と恋に落ちているという…。一度も画面に出てこなかったのはせめてもだ。【中古】 襲われた幌馬車 /リチャード・ウィドマーク,フェリシア・ファー,デルマー・デイヴィス(監督、脚本),G.B.ギルガット(脚本、原作),ライオネル・ニューマン 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店
January 25, 2018
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みなさん、こんばんは。いやぁ、関東地方雪が積もって大変でしたよ。今日から二日間は西部劇を紹介します。西部劇といえばこの人、ジョン・ウェイン。荒野の馬車道Sagebush Trail出演ジョン・ウェイン ジョン・ブラントが無実の罪を着せられ、刑務所を逃亡する。自分に罪を着せた真犯人を捕まえ、身の潔白を証明するためだ。警官の手を逃れて、地元の悪党一味に加わるが、その一味の男“ジョーンズ"と次第に友情を築き始める。ところがそのジョーンズこそが、ブラントが罪をかぶった殺人の真犯人であることを知る。さらに2人は同じ女性サリーを愛してしまうことに。次第にジョーンズもブラントが単なる無法者ではないと思うようになり…。 映画自体の長さが60分で監督しているのはサリ―役を演じているナンシー・シューバート。そのせいなのか、あまり血まみれになるような陰惨なシーンはない。むしろ「え、こんなに甘くていいの?」という描写が目立つ。例えば現金を運んでいる駅馬車襲撃計画を悪党達が立てるが、ブラントが先回りして金を奪ってしまう。後からきた一味は「金を奪われた。犯人の顔は見てない」という馬車の男達をあっさり通してしまうのだ。例え今回強盗しなくても、彼等が他の事件で悪事を働いていたかもしれないではないか。だから顔をはっきり見られた相手を逃しておくはずがないのに、甘い。 サリ―も地元ッ子で信用されているとはいえ、容疑者のブラント達と連絡を取っているらしい事がわかっているのに、保安官達は本当にブラント達がいる場所ではなく、やすやすと彼女の言葉に騙されて炭鉱に向かってしまう。 ラストも罪を告白して満足げに息を引き取るジョーンズを置いといて、サリ―とブラントはキスしてラストシーンって、いかにも定番っぽくてあっさり。ただ60分で全てをおさめるとなると、各シーンが詰め詰めになってしまうのかも。 ジョン・ブラントを演じているのは若きジョン・ウェイン。曲芸乗りみたいに馬に乗ったり扱いが巧みで、不遇時代に射撃と乗馬と格闘技を練習。
January 24, 2018
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みなさん、こんばんは。今東京で特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」展が開かれていますが、本作はこの特別展とコラボしています。阿・吽(7)おかざき真里 桓武天皇危篤の報に自分の望みを捨てて帰国した最澄。しかし朝廷の頂点にいるのは、皇太子・安殿だった。 猫や鷹が死んでいたが、対象が人間になった。何の話かと言えば安殿の殺意である。第三巻でも表面は陽気に見せていたが、裏では密かに、皆に馬鹿にされていることや、自分が父親の期待に添わない息子である事に苦しんでいた。その矛先が物言わぬ相手に向けられていたが、今回は陰口を聞いていた女官に向けられた。次に彼の殺意が向かう先は、目の前で聡明さを見せつける異母弟・伊予親王だ。桓武天皇の父も熾烈な後継者争いを勝ち抜いてきたが、息子達の争いも水面下では始まっている。末っ子の気楽さから、安殿の視界から外れている神野親王(のちの嵯峨天皇)だが、譲位後朝廷内で絶大な権力を振るった点を考えれば、まるっきり野心がないわけではなさそうだ。 一方、空海の野心は願った時には完結しているようだ。霊仙から碁の名人に例えられている彼は、真理を究め名を授かる。長安の白居易や橘逸勢との交流が本当に楽しそうなので、このまま唐にいる道もあるのではと思うが、「虚しく往きて実ちて帰る」方を選ぶ空海と彼等の別れも、そう遠くはないだろう。 どれほど持てる力を尽くしても、自分ではどうにもならない力に阻まれてしまう最澄の孤独と悲しみを、勤操が慰めるシーンは、彼が最澄の死に際しても対立し続けた南都六宗の僧のひとりであることを考えると感慨深い。阿・吽(7)【電子書籍】[ おかざき真里 ]
January 23, 2018
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みなさん、画家のミレーを知っていますか?彼のミューズとなった女性の評伝を紹介します。エフィー・グレイ ラスキン、ミレイと生きた情熱の日々The Passionate Lives of Effie Gray,Ruskin and Millaisスザンヌ・フェイジェンス・クーパー岩波書店 19世紀半ば、決死の思いで列車に乗り込む一人の女性がいた。協力者は家族のみ。女性の名は、エフィー・ラスキン。ヴィクトリア時代を代表する評論家・美術評論家であり、ラファエル前派の画家たち精神的・経済的スポンサー、ジョン・ラスキンの妻だ、その時は、まだ。彼女はこれから実家に戻り、ラスキンとの婚姻の無効を裁判所に訴え出る。 「原因はエフィーと画家ジョン・エヴァレット・ミレーが恋愛関係に陥ってしまったからだ」と先に不倫があったような書き方をされているが、実は夫のラスキンは成人した女性とは性的関係を結べない体質だった。そのため原因となる行為をしていないのだから、エフィーからラスキン家の後継は生まれるはずもない。現代と違ってあからさまに相談できる内容ではなく、夫は関係改善に務めるどころか、彼女が婚外恋愛を楽しめばいいような機会までつくる。「うちのダンナ様は素敵!」とアルバート殿下とのラブラブを赤裸々に綴った国のトップのヴィクトリア女王とは大違いの日常生活を送っていたエフィーは、当初の予定とは異なり夫の両親との同居を強いられ、次第に追い詰められていった。 「悪妻」の誹りを受け、「ミレイにラファエル前派の理念を放棄させた」裏切り者と非難されてきた彼女が、「婚姻の無効」を証明するために屈辱的な検査を受けなければならない場面は胸が痛む。ましてや夫には世間の評判もあり、社会全部が彼の味方のようなものだ。不倫相手と噂されているミレーが下手に助けようものなら、かえってエフィーの不利になる。国のトップが女性であっても、まだまだ女性は不利な立場から抜けられない。 但し情熱の行方はここまでで、エフィーは子を育てる母と妻としては存続できるが、いつまでもミレーのミューズではいられない。その代わりに、いっときミレーのミューズとなったソフィーのエピソードが哀れを誘う。彼女もまた情熱を持った女性であり、その情熱故に身を滅ぼしていった。 惜しむらくは、本編で紹介されたほんの一部しか図版が紹介されていないことだ。おそらく膨大な数になったためページ数などの関係で割愛したのだろうが、文章表現では限界がある。やはり併せて見比べたいというのが読者の本音であろう。【楽天ブックスならいつでも送料無料】エフィー・グレイ ラスキン、ミレイと生きた情熱の日々 [ スザンヌ・フェイジェンス・クーパー ]楽天ブックス
January 22, 2018
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みなさん、こんばんは。猫といえば最近岩合さんの撮影する猫が評判ですね。こちらの映画にも猫が沢山登場します。映画先生と迷い猫を見ました。先生と迷い猫Teacher and Stray Cat監督深川 栄洋出演イッセー尾形 染谷 将太 嶋田 久作 カンニング 竹山 ピエール 瀧 岸本 加世子 北乃 きい 佐々木 すみ江 もたい まさこ 近所でも偏屈者として評判の、定年退職した元校長の森衣恭一。妻がこの世を去って以来、淡々とした毎日を送っていた。彼の家を訪ねて来るのは、森衣が長年撮りためてきた写真を資料として残したいという市役所職員と野良猫のミイぐらいだった。亡くなった妻はミイをかわいがっていたが、森衣は猫が苦手で追い払おうとする。そんなある日、ミイが突然姿を消してしまい、森衣は慌てて探し始める。 『60歳のラブレター』の深川栄洋監督とイッセー尾形が再び組んで、埼玉県岩槻市で実際にあった地域猫失踪事件を原案に描く。近所でかわいがられていた野良猫捜しを通して、カタブツの主人公や美容師など地域の人々が心を通わせていく。 普通猫は替え玉ならぬ替え猫がいるそうなのだけれど、本編は何と一匹の猫で撮りきったとか。人間でさえ集中力を切らさないようにするのが大変なのにあっぱれ。校長先生が意地悪して家の出入口をふさいでしまうと「開けて開けて」とでも言いたそうにみゃーみゃー泣いたり、道端にごろんごろんと転がったり、怖がりじゃない猫だった。動物相手の演技って難しいと思うけれど、一人芝居をこなしているイッセーさんは自分が馬鹿に見られることも敢えて辞さない振り切ったところがあって、照れなど感じさせなかった。 ただこの映画のラスト、実際の猫が見つからなかったからなのか、鈴が鳴って亡くなったはずの妻が「猫が戻ってきた」と言う。巷では猫を狙った残虐な事件が起こっていることも描かれ、本当に猫が戻ってきたかどうかはぼかしてあるのがちょっと心残り。先生は猫を探す過程で今までの世界から飛び出したけれど、まるで先生と人々の橋渡し役をした所で猫の役目が終わってしまったかのようで寂しい。【楽天ブックスならいつでも送料無料】先生と迷い猫 豪華版【Blu-ray】 [ イッセー尾形 ]楽天ブックス
January 21, 2018
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みなさん、こんばんは。コールドクリームを使っていますか?始まりは古くローマに遡りますが、その頃のローマはそんなに美しくなかったのです。千年の都だと言うのに…。その汚い都で奮闘する医師の評伝を紹介します。ガレノス 西洋医学を支配したローマ帝国の医師 The Prince of Medicine: Galen in the Roman Empireスーザン・P・マターン白水社 ひと昔前の大人気韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』では、両親を失い身寄りがない女性が才覚を見出されていくサクセスストーリーが話題となった。古代ローマにも、最終的に王の主治医となった彼女のように、出世街道を駆け上がった男性がいた。剣闘士相手の医師からローマ皇帝マルクス・アウレリウスの典医となったガレノスだ。 但し彼はチャングムと違って家柄の良さに救われた。若くして剣闘士の医師に選ばれたのも、公職に着いた父親の家柄に負う所が大きかったようだが、本人は「実力で選ばれた!」と主張し私以前には、二、三人の年長者が請け負っていた戦闘による負傷者すべての治療を任されたと誇らしげに書いている。 これで藪だったら患者が可哀想だが、臨床を重んじ、死後もその著作はヨーロッパとイスラム世界において、なんと約1500年にわたり医学の最高権威であり続けたのだから、実力はあったということだ。また、剣闘士の試合が何でもありの異種格闘技だったので、怪我の種類には事欠かず、多くの経験を積めたはずだ。ただ現代の感覚から思えば「夢が病気を告げる」(告げる人はアスクレピオス=ギリシャ神話の名医)なんて診断もある。それでも彼は解剖を好んで行い臨床を重んじたので、行き当たりばったりの治療をしていない。また、当時解剖は人寄せパフォーマンス&自分の実力をアピールする場でもあったため進んで行ったという側面もある。 古代ローマに憧れる人達の夢を壊すようだが、衛生事情が現代の比ではない。浴室では文字通り何でもし放題、道端には排泄物や動物・人間の死体が放置され、引き取り手のない死体は川に流された。細菌のみでなく災害による外傷も跡を絶たず、それでも限られた道具や知識で病に立ち向かった彼は素晴らしい。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ガレノス 西洋医学を支配したローマ帝国の医師 [ スーザン・P・マターン ]楽天ブックス
January 20, 2018
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みなさん、こんばんは。大相撲が始まったのに横綱が負け続けてぱっとしませんが、ブルース・リーのカンフーの師匠だった人のことを知っていますか?グランド・マスターThe Grandmaster一代宗師監督&脚本ウォン・カーウァイ音楽梅林 茂出演チャン・ツイイー トニー・レオン ソン・ヘギョ 1930年代の中国。武術の南北統一を願う北の八卦掌の宗師パオセンは引退を決意し、後継者候補に一番弟子のマーサンと、南の詠春拳の達人イップ・マンを指名。しかし、納得のいかないパオセンの娘ルオメイは、イップ・マンに挑戦を申し込む。また、マーサンがパオセンを殺したため、ルオメイは復讐を誓い…。 武闘家達が戦前・戦後をどう生きたか、というような歴史ドラマになっていた。強者が競い合ってグランドマスターを決める、というストーリーだと思っていたのでちょっと意外。 イップ・マンは勿論一番強い。それは冒頭の水しぶきをあげながらの格闘シーンでもわかる。ウォン・カーウェイなので、それぞれの戦いがまるでダンスのようだ。でも彼の持論「カンフーなんてのは要は縦か(勝って立つ)、横か(負けて横たわる)」を実践するような戦いを、イップ・マン自身がしていないので不満。というか、相手にとって不足なく、華麗なる戦いが繰り広げられるのはここくらい。後はパオセンとの戦いも、言葉を闘わせてイップ・マンの理論に感服して譲られる…というもので、力による勝利ではない。これだけ強い人が、成り行きで愛妻とも離れ、日本軍が君臨する中国で身を潜めて生きる様はグランド・マスターの末路としてはどうなのか。ブルース・リーの師匠となったことで名が残り報われたようにはなっているけれど。 終わってみれば一貫して主役らしかったのはチャン・ツイイーのルオメイなのでは。武闘家に生まれ、男であれば後継者間違いなしだったのに、結婚も何もかも諦めて周囲の止めるのも聞かず復讐に向かって一本道を行く。 問題はカミソリと呼ばれる男。列車で血を流していたところをルオメイに助けられて、戦争中は秘密機関で働いていたが、一体主要人物に絡んでくるのか、それとも主要人物の一人なのか、位置づけがよくわからないキャラだった。【楽天ブックスならいつでも送料無料】グランド・マスター [ トニー・レオン ]楽天ブックス
January 19, 2018
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みなさん、こんばんは。アメコミヒーロー、スパイダーマンを知っていますか?今日ご紹介する本は、原題は全然スパイダーマンと関係がないのですが、なぜこんな邦題になったのでしょうね。さよなら、スパイダーマンMy Sister Lives on the Mantelpieceアナベル・ピッチャー偕成社原題は「My Sister Lives on the Mantelpiece」=私の姉は、暖炉の上に住んでいる。この通りの文言が、第一文に登場する。ぼくの姉さんのローズは、暖炉の上においてある壺の中にいる。 こう書いたからと言ってファンタジーではない。テロに巻き込まれて亡くなった双子の姉ローズの骨壺が、暖炉の上に置かれているのだ。そしてぼく(ジェイミー)とローズの父ならば、先に挙げた文章を「暖炉の上で生きている」と訳すだろう。「生きている」「住んでいる」いずれにせよ、肉体はなくても存在感はあるという意味だ。 だがそう書いたとしても、ジェイミーは、ローズの事を常に意識しているわけではない。学校に出す作文に「姉が二人いる」と書いたのも、そう思いこみたいわけではなく、テロの事を話して皆からあれこれ言われるのが厭なのだ。 他の家族はローズの不在を強く意識している。中でも抜け出せない重症が父で、かたわれの双子のジャスに、ローズの服を着せてしまうダメっぷりだ。母親が出ていったのは、飲んだくれになった夫を見ていたくなかった事もあるだろうが、ローズの不在を思い知らされる人達と一緒にいるのが厭だったというのもあるだろう。母親の切り替えがかなり早いと感じたが、年齢設定が結構若いのかもしれない。 不在を感じられないのに‘いる’ふりをしている息子と、どんなに‘いる’つもりになっても不在に打ちのめされている父親の関係は、同じクラスにいるイスラム系の少女スーニャによって一気に緊張関係に陥る。実際、テロ後のイスラム教徒は彼女のような体験をしたのではないだろうか。自分は何の責任もないのに、ジェイミーの父親のように「勝手に国に来て金を稼いで」とイスラム教徒=泥棒扱いされる。ヘタレと呼ばれているジェイミーにだって、間違っていることはわかるのに。 そう、大人達はいつも正しいとは限らない。時として、子どもたちの方がずっと先に答えを見つけ出している事が、この世の中には、実はたくさんある。 私達大人も、ずうっとスパイダーマンスーツを着ている必要などないのだ。汚れたら取り替えて、素の自分に戻ればいい。 ブラウンフォード・ボウズ賞受賞作。【楽天ブックスならいつでも送料無料】さよなら、スパイダーマン [ アナベル・ピッチャー ]楽天ブックス
January 18, 2018
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みなさん、ハワイと言えば海外旅行の定番中の定番ですね。正月行かれた方も多かったのでは?映画わたしのハワイの歩きかたを見ました。わたしのハワイの歩きかた出演 榮倉奈々 高梨臨 加瀬亮 瀬戸康史 安田 顕 鶴見 辰吾 池松 壮亮 出版社で働く女性編集者・みのりは、ある日、成り行きで友人のハワイ挙式の二次会セッティングを引き受けたけれど、仕事のストレスでイライラ、ふと寄りかかった人はダメ男でグッタリ、さらに働けども働けども昇進も昇給もない。いっそ取材にかこつけて会社の経費でハワイに飛んでしまえ!!現地で出会ったハワイ在住の茜と意気投合したみのりは、彼女に取材のコーディネーターを依頼。二次会の準備をしながら茜と2人で美味しいものを食べたり、ゴージャスなパーティに参加する毎日。そして夢を追いかける事業家・勉、自然を愛する謎の青年・知哉と出会い、新しい恋の予感も芽生えるのだが…。 ハワイ・オアフ島を舞台に、毎晩パーティーに出掛けるヒロインを見せられるのですが…うーん見ている側が現実的過ぎたか。何だこのヒロイン、と思った。というのは取材費もらってハワイにきてるのに彼女は特に仕事らしい仕事してないんですよね。今どきこういういっとき逃避ヒロインが憧れになるんだろうか。事業家・勉や財閥の御曹司・知哉と結婚して幸せになろうと思ってるんだから、要は他力本願ヒロイン。自分は男性に幸せにしてもらうという態度があからさまなのに、ハワイの投資家に必死に売り込む勉をばかにしてるんだから、嫌な女じゃないか?正直どうして二人が恋に落ちるのかわからないよ。せっかく演技派の加瀬さんが演じてるのに、勉に嫉妬して他の女性に管まいたりする御曹司はキャラクター自身に魅力がない。結局どこまで彼はみのりに対して真剣だったんだろう。一番可哀想なのはみのりの不倫相手を演じた池松くん。ホテルをチェックアウトして職場放棄したみのりを探すよう命じられてはるばるハワイまでやってきたけど、写真一つで探し回るって今時そんなレトロな方法で探さないでしょ。結局会えないままだしね。 ただハワイの美しい海や自然はふんだんに出てきて「行きたいなぁ」という気持ちにはなりましたね。恋愛はいいです。【楽天ブックスならいつでも送料無料】わたしのハワイの歩きかた【Blu-ray】 [ 榮倉奈々 ]楽天ブックス
January 17, 2018
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みなさん、こんばんは。『アメリ』で不思議な女の子を演じた オドレイ・トトゥを覚えていますか?この映画でも彼女が演じたヒロインは、ちょっと変わっています。だっていきなりあんなことをするんですよ。どんな事かと言うと…。ナタリーLA DELICATESSE出演 オドレイ・トトゥ 最愛の夫フランソワを亡くして3年。悲しみを乗り越えて仕事一筋に生きていたナタリーは、ある日同僚のマーカスに突然キスをしてしまう。密かにナタリーを狙っていた社長や、周囲の人々は困惑するばかり。それもそのはず、マーカスは存在感の薄い、女性にモテそうにないダサい風貌の男性だったのだ。しかしキスをきっかけに2人で出かけるようになったナタリーは、次第にマーカスの人柄に惹かれてゆく。 喫茶店でナタリーを見ているフランソワの独白から映画は始まる。「彼女がコーヒーを頼んだら いや ジュースを頼んだらデートに誘おう」そしてナタリーはコーヒーを頼みかけてジュースをオーダー。二人はすぐに意気投合し、フランソワは跪いてプロポーズ。ナタリーは就職も決まって「あとは子供だけね」と周囲に祝福される。ところがフランソワは不慮の事故で死亡。ここまでが20分。あとの時間はどうなるんだ? いえいえ、ご安心を。ちゃんと次の恋がやってきます。何せヒロインは可愛いオドレイ・トトゥが演じているのですから。ところが、意外な相手、意外な場所で恋が始まってしまうのです。それも、ナタリーが無自覚なままに。何とナタリーは仕事の相談に来たマーカスにいきなりキス!それもかなり長い時間。 突然ミュージカル調になったりするので、これはもしかしてどちらかの夢?とびっくりしました。でも、どうやらリアルだったようです。 仕事もできる美しい上司にキスされてまんざらでもないマーカスは、次に呼ばれた時も期待していきますが、どうやらナタリーは全く忘れている様子で、マーカスがキスのことを話しても「忘れて!仕事しましょう!」とばっさり。それでいて芝居に誘ったりするので、マーカスには彼女の本心がわかりません。二人のシーンは可哀想かつ滑稽で。だって川べりのパリを二人が歩いていて、ナタリーのバックのエッフェル塔が突然ライトアップしてキラキラし始めるんですよ。もう絶好のデート!なのにナタリーは「私達は何の関係もない」と言い張るんですね。 周囲の方が「つきあってんじゃないのあの二人」とゴシップに夢中になり、ナタリーに告白して振られた社長は「何で俺よりこいつがいいんだ!」と見るからに思ってるのが丸わかりの表情(ただし観客には、マーカスは無自覚なのでよけいに社長に逆効果)をしてマーカスを飲みに誘うし。で、そういうことをするとナタリーは怒って社長室に怒鳴りこむ。何でもない関係の人なら「部下をからかわないでくださいよ~」くらいで流せばいいのに、かなり本気で怒鳴りこむので、無自覚ながら火に油を注いでるヒロインになってる。『アメリ』に通じるものがあるなぁ。 この映画、ナタリーの心の声が一切周囲に漏れないのも魅力で、観客もマーカスや社長同様本心のわからない彼女に振りまわされてるわけです。で、最初と最後が、こんなに厄介だけどやっぱり可愛くて魅力的な彼女を愛している男性の台詞で終わるのもいい。 フランスでベストセラーとなったダヴィド・フェンキノスの同名小説を映画化。オドレイ・トトゥのファッションがプライベート、オフィスいずれもおしゃれ。ナタリー [ オドレイ・トトゥ ]
January 16, 2018
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みなさん、こんばんは。今日は様々な話が絡み合うまるで組曲のような小説を紹介します。六月の組曲Three Junesジュリア・グラスDHC コリーたちCollies 1989年6月 妻の死後、ポールは思い立ったようにギリシャを訪れる。妻と過ごした半生を振り返り、その思い出を捨て、新たな一歩を踏みだすために。第二章 まっすぐにUpright 1995年6月 父ポールの死後、フェンノは久しぶりに故郷スコットランドに帰る。その旅で、それまで気づかなかった、エイズで亡くなった友人と家族への深い愛に気づかされる。第三章 男の子たちBoys 1999年6月 ファーンは恋人の子供を身ごもっているが、それを伝える勇気がない。しかし、フェンノに勇気づけられて、新たな愛を育てる決心をする。 原題はThree Junes=三つの6月でストーリーそのままの素直なタイトル。しかし邦題もいい線行っている。第一章に旅先でポールが知り合った女性として登場するファーンは、第三章で主人公=主旋律に躍り出るし、回想の中に登場するポールの息子フェンノは、第二章では主人公=主旋律で第二章が三つの中で最もボリュームが多い。フェンノを通じて第一章と第三章の主人公が繋がっているからか。それぞれ独立した作品として読めるが、三つを読み通すと読者の中でそれぞれの楽章の中に、別の楽章のメロディ=登場人物を見つけるかもしれない。 取り立てて派手な事件が起こるわけではない。書かれているのは、親子間や兄弟間の肉親故に分かりあえない想い、大切な人を失った体験をどう乗り越えてゆくか、新しいステージに踏み出す時の不安など、普遍的なテーマばかりだ。後書きを読むと、自信の体験を若干アレンジして登場人物に投影していることがわかる。ストーリーのテンポは総じてゆっくりで丁寧な描写が続く。勢いに乗る事ができれば読み通せると思うが、三章全てに回想が入るので、読み辛いと思う方もいるかもしれない。1999年トバイアス・ウルフ・アウォードを受賞(『コリーたち』)。2002年全米図書賞を受賞。【楽天ブックスならいつでも送料無料】六月の組曲 [ ジュリア・グラス ]楽天ブックス
January 15, 2018
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みなさん、こんばんは。オリーヴの樹といえば平和の象徴として知られていますが、外に在ればこそ雄大なイメージを表現できるのに、これがオフィスの中にあったらどうなんでしょう?大きすぎる盆栽ですよね?さて、今日はそんなオリーヴの樹を巡る映画を紹介します。オリーブの樹は呼んでいるEL OLIVO/THE OLIVE TREE脚本ポール・ラヴァーティ出演ハビエル・グティエレス アンナ・カスティーリョ マヌエル・クカラ 気難しい20歳のアルマは、オリーブ農園を営む祖父にだけは心を開いていた。だが、父が樹齢2,000年のオリーブの樹を売ってしまった日から、祖父は一切しゃべらなくなった。HPで売られたオリーヴの樹がドイツの会社に飾られていることを知ったアルマは、最愛の祖父のためにその樹を取り戻そうとするが……。 猪突猛進の主人公に周囲が振り回されていくストーリーは古今東西珍しくはないが、それだけ突破力を秘めた人間が現状を変えてくれることを望む風潮があることの証。アルマが理知的なオンナノコであれば、時間をかけてSNSを使って環境運動を盛り上げて本社に乗り込む方が確実だったが、祖父がしゃべらず食べず自ら死を選ぶような行動を取っていたことがアルマの焦りに繋がった。まあそれでもよく家内工業でしか働いていない20歳そこそこのヒロインの言うことを信じたよね、叔父さん(もう一人の連れは惚れた弱みで黙ってたけど)。 ドイツに対するコンプレックスが登場人物達の台詞の中に出て来る。アルマの父や叔父のように、不況で仕事がうまくいかないスペインと“環境に配慮する企業”という一段上の事を成し遂げている(それでも反対運動を起こされている) 優等生ドイツ。EUの中での格差が今のイギリスのプレグジットにもつながっている。 あまりに無謀なアルマにSNS発信して環境運動のメンバーが会社におしかけてきたりもするけれど、ほだされて「オリーヴの木持って帰っていいですよ」となるほどの大団円ハッピーエンドにはならず、アルマがもらえたのは枝一つ。現実的なエンドに着地しつつ、崩壊の兆しを見せていた家族を繋ぎとめてほんのりこの先への希望ものぞかせている。 『わたしは、ダニエル・ブレイク』などでイギリスの名匠ケン・ローチ監督と組んできた脚本家、ポール・ラヴァーティ脚本。映画のきっかけはラヴァーティがオフィスで沢山のオリーヴの木を見たことだ。地中海の屋外にあるべき木がでかい盆栽扱いされているのは、金に困って本当に売られているからで、アルマの話は嘘ではない。 監督はラヴァ―ティの妻イシアル・ボジャイン。祖父を演じたマヌエル・クカラは監督が見つけてきた素人。オリーブの樹は呼んでいる [ アンナ・カスティーリョ ]楽天ブックス
January 14, 2018
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みなさん、こんばんは。美談の主から一転、スキャンダルの渦中にいる人になったスポーツ選手の事を覚えていますか?私も自伝を読んだ後でこのスキャンダルが発覚してショックだったのを覚えています。疑惑のチャンピオンTHE PROGRAM出演ベン・フォスター ギョーム・カネ ダスティン・ホフマン クリス・オダウドジョシュ・オコナ―監督スティーヴン・フリアーズ冒頭。自転車で走る男の後ろ姿。呼吸だけが聞こえる。「それは世界一過酷なレース 180人の選手がこのステージに挑み一人だけがマイヨ・ジョーヌを着る 俺たちの夢はチームに入り世界と戦う事 身体的には劣るが誰にも負けないものがある 熱望と野心だ 母親の教えは“諦めるな”心だよ 身体じゃない 足じゃない 肺でもない 大事なのは心だ 魂だ」こんな事を言っていたのに、なぜ魂以外のものに頼ったのか。 20代にガンを患いながらも克服した自転車ロードレース選手ランス・アームストロングは、1999年から2005年に「ツール・ド・フランス」7連覇を達成する。ガン患者を支援する社会活動にも奔走し、世界中から尊敬される英雄だった。一方、記録のために手段を選ばない勝利への執着はすさまじく、ある記者が彼にまとわりつく薬物使用疑惑をリサーチしており……。自転車レース「ツール・ド・フランス」を何度も制しながらも、薬物使用によりタイトルはく奪、競技から永久追放されたランス・アームストロングを描く伝記ドラマ。スキャンダル発覚前、彼の著書『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』を読んだ。レースを知らない人でも、病気とレースを戦い抜いた彼の人生に何も感じない人はいない。彼のように生きられなくても、せめて自分の人生から逃げるのはよそうと思わせてくれた。しかしこの努力には、薬がついていた。ばれないための操作というのが、正常な時の血液を一旦外に出して貯めておき、検査の時に体内に取り入れるという「そんな事やって体に影響はないのか?」とかえって心配になるような事をしている。嘘をついて常に後ろめたい表情を浮かべているなら情状酌量の余地もあったろうが、全く平然としていて疑いを持った記者を干す。ガン患者支援を打ち出しているため、彼を叩くことは慈善行為を叩くことに繋がるのだ。 発覚後に彼は著書を出しているのだろうか。もし、書いたとしても内容の信ぴょう性は極めて疑わしいが。疑惑のチャンピオン【Blu-ray】 [ ベン・フォスター ]楽天ブックス
January 13, 2018
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みなさん、こんばんは。今日は冷えますね。大学受験も始まっているのに雪が心配です。皆さんの所ではいかがですか?Everything, Everythingわたしと世界のあいだに ニコラ・ヨーン静山社マデリンの病気は、重度複合免疫不全症という有名な難病だ。免疫を作るためのT細胞が体内に生成されないため、あらゆる物に対してアレルギー反応を示し、発作を起こす。軽度のウィルス感染でも死に至る。だから17年間、マデリンは家を離れたことがない。顔を合わせるのは、ママと看護師のカーラだけ。 ある日、引っ越しのトラックが隣にやってきた。マデリンは窓から外をのぞいて彼を見た。背が高くて、しなやかで、全身黒ずくめの彼を。名前はオリー。 てっきり闘病中で未来には死が待ち構えている少女と、見るからに健康的な若者の悲恋なのかと思っていた。だから「私は未来を予測した。きっとオリーと愛しあうことになる。そして、その恋愛はきっと不幸な結末を迎える。」などとどこかに諦念を持ちながらオリーと接するマデリンの恋は、きっと涙なしに読めない展開になるであろう、と。「愛する人と触れ合うのはどんな気持ちなのだろう」と思っても、実行に移せば命がけだ。それは、自分を愛して生かそうとしてくれている母親に対する裏切りになる。親と恋人との板挟みで苦しむマデリンが、それでも恋愛という未知の世界に踏み出そうとする姿は初々しくも凛々しい。恋のパワーは無敵だ。「星の王子さま」がモチーフとして登場するが、実際に会えない二人の心を結ぶのは今ふうのチャット。 確かに後半、途中で「え、これやって大丈夫なの?」と本当に病気なのか疑わしい所があったので、「もしかしたら…」と勘のいい人なら気づいたかもしれない。これが処女作とは思えないラブストーリーからミステリへの鮮やかな変換が為されている。作品中のイラストは著者の夫君が担当。Everything、Everything わたしと世界のあいだに [ ニコラ・ユン ]価格:1760円(税込、送料無料) (2020/10/14時点)楽天で購入
January 12, 2018
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みなさん、こんばんは。歳を取れば記憶力が衰えていくのは当たり前です。でも病気で家族のことまで忘れてしまったら…。映画の主人公はそんな状況に追い込まれてしまいました。アリスのままでStill Alice出演ジュリアン・ムーア アカデミー主演女優賞クリステン・スチュワート アレック・ボールドウィン ケイト・ボズワース監督リチャード・グラツァー&ワッシュ・ウェストモアランド 夫にも3人の子どもたちにも恵まれ、充実した日々を送る50歳の大学教授、アリス。ところがある日、講演中に普通の単語が出てこなくなったり、ジョギング中に道に迷ってしまったりといった物忘れが頻繁に起こるようになる。やがて診断の結果、若年性アルツハイマー病と宣告されてしまう。しかも遺伝性で、子どもたちにも発症のリスクがあると分かる。子どもたちにも動揺が広がる中、病気は徐々に進行し、ついには大学も辞めざるを得なくなるアリスだったが…。 始まりは、ある言葉が浮かばないことだった。これくらいなら物忘れとして、よくあることと見過ごされる。しかし次に、突然走っていた場所がどこだかわからなくなる。奇しくも不思議の国を冒険した少女と同じ名前を持つアリスは、本来なら知っていたはずの日常が、全て未知の場所=不思議の国に早変わりする事態に見舞われる。 若年性アルツハイマーという病にかかった女性をとても美しく描いたのが韓国映画「私の頭の中の消しゴム」であるとすれば、こちらはかなり赤裸々である。トイレの場所を忘れて失禁したり、次第に身なりに構わなくなっていったアリスの髪がぼさぼさになっていったり、肌が荒れていったりと、各映画祭の主演女優賞を総なめにしたジュリアン・ムーアがノーメイクで演じる。 意識がしっかりしていても、年を取れば記憶があいまいになっていくが、その頃には他の事にも意識が緩慢になっていくからさほどショックは受けない。若年性であることが当人と家族に影響を与える。家族は彼女を中心とした生活を立て直さなければならないし、何よりも本人は、時折意識が戻る度に自分の病気の進行を自覚する知能を持っている。まだ意識がはっきりしていた頃のアリスが事前にメッセージを残していたので、てっきり「アリスのままで」いたい彼女がある決断をする流れになるかと思っていた。しかしそうはならなかった。 監督のリチャード・グラツァーはALSを患い話す事が出来なかったのでiPADを使って指示を出した。ジュリアン・ムーアとクリステン・スチュアートは彼のためにアイスバケツチャレンジを実行。ジュリアンは夫役によく共演しているアレック・ボールドウィンを推薦。それにしても若い頃は結構やせ形だったのに、顔もお腹も見事に横広がりになったものだアレック。他のボールドウィン兄弟も体型が変わったのだろうか。【楽天ブックスならいつでも送料無料】アリスのままで【Blu-ray】 [ ジュリアン・ムーア ]楽天ブックス
January 11, 2018
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みなさん、こんばんは。北朝鮮と韓国の対話が始まって良かった。違う人達の間の対話は大事です。この映画でも偶然出会った男女が理解を深めていきます。もうひとつの世界 FUORI DAL MONDO/NOT OF THIS WORLD カテリーナは、一生修道女として身をささげることを誓う儀式をひと月後に控えていた。そんなある日、彼女はジョギング中の男性から古着のセーターでくるまれた赤ちゃんを託される。幼子を病院に連れて行った後、カテリーナは母親を捜そうとセーターのタグからエルネストのクリーニング店にたどり着く。エルネストは自分が子供の父親ではないかと思い、次第に赤ちゃんとカテリーナの事が気にかかるようになり…。 エルネストは他人に無関心だ。「仕上げは完全に乾かすこと 誰が靴下を?洗わないと言ったのに カフスには注意を シルクには低温のアイロンで ここで働く気なら仕事は丁寧に ホチキスは無駄うちせず一か所でいい」支払いを渋る客へ店員が思いやりを見せると「君が立て替え払いするか?」と思いやりがないことこの上ない。入れ替わる店員の名前など覚えておらず、しょっちゅう間違える。 二人が親になる絶対的な自信がないのは、共に親とはいい関係を築けてないからかもしれない。カテリーナの両親は結婚20年後に離婚し、修道女になることを良く思わない母親とカテリーナの間には緊張感が漂う。一方エルネストの親は出てこないが、話の中に「父の計画の一部で無理矢理契約させられ今は選択の余地なく 洗濯やアイロンの才能も特になくて」という積極的な職業選択ではなかったことが出て来る。 エルネストは「置き去りにされた赤ん坊が我が子では?」と思い始めてから、自分以外の他人の事が気になる。一方カテリーナも自分が母親になれたらと考える。二人とも今見ているのとは別の世界の扉を開けた。いわば天からの授かりものが二人にもう一つプレゼントを授けてくれた形になって微笑ましい。【楽天ブックスならいつでも送料無料】もうひとつの世界 [ マルゲリータ・ブイ ]楽天ブックス
January 10, 2018
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少女<下> 犯罪心理捜査官セバスチャン Den Stumma Flickan(創元推理文庫)M・ヨート&H・ローセンフェルト事件の唯一の目撃者であるニコルの居場所がリークされたために、セバスチャンはやむなく自分の家に母親と共に匿う事にする。言葉を発することができなくなっていたニコルをセバスチャンは死んだ娘と重ね、なんとか心を開かせようとする。セバスチャンの過去を何も知らないニコルの母親は「彼っていい人なんだわ」と惹かれていくが、阻止したのは実の娘のヴァニャ。血縁関係もセバスチャンのやった事も知らずにリベンジした事になるのだが、この行為についてはネットでも賛否両論。ただ、嘘をついたままの関係は続かないから、正直になって良かったのかも。 さて、今回も事件解決で終わりではなく、厭な引きがある。ラストシーンは登場人物のうちの一人の結婚式で、幸せの絶頂にいるはずの人物が、暗い欲望を抱えている事が明らかになる。但しその変化は前巻から積み上げられてきていたため唐突ではない。知っているのは目撃者であるセバスチャンだけだが、弱みを握られてしまった。さあ、セバスチャン、公共の平和のために自分の秘密を犠牲にするか、それともまた、すぐばれるような嘘をついてしまうのか?【楽天ブックスならいつでも送料無料】少女<下> 犯罪心理捜査官セバスチャン (創元推理文庫) [ M・ヨート ]楽天ブックス
January 9, 2018
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みなさん、こんばんは。あっという間の三連休ですね。どこか行かれましたか?今日は成人式。天気は持つかな?さて、今日と明日はシリーズ物の紹介をします。少女<上> 犯罪心理捜査官セバスチャンDen Stumma Flickan (創元推理文庫)M・ヨート&H・ローセンフェルト物語は冒頭、謎の人物の独白から始まり、「誰で何から逃げているのか?なぜ逃げているのか?」が物語を引っ張る謎となる。その後セバスチャンの描写→捜査チームの点描という定番パターン。 シリーズを読んできた者には、何といっても前巻のクリフハンガーが気にかかるが「やはり…」という結果になっている。ウルスラは片目を失い、職場にフルに出られない。原因を作ったとは言えないまでも無関係ではないセバスチャンはろくに見舞いにも行けない。代わりに通うのは不倫中のトルケルだが、案の定「なぜ彼女がセバスチャンと?」という疑心暗鬼に駆られている。 怪しげな動きをするのは、前巻でセバスチャンとヴァニャの関係に疑いを抱いたビリー。ほら、セバスチャンがあれこれ画策するから。心理学者の割には自分の行動が他人にどう見えているか自覚がないな。 さて、そうはいっても、今回はいたいけな少女に自分の亡くした娘を重ねて見たためか、(珍しく)仕事に取り組んでいて「見直そうか」という気になる。そんな矢先、お約束のように事件関係者と関係を持ち、事もあろうにヴァニャにばれてしまう。ドラマ脚本家らしく、映像化した時の濡れ場シーンを想定しているとか?そうはいっても、彼が世間並みにまともになる時は、きっとシリーズの終わりなんだろうな。【楽天ブックスならいつでも送料無料】少女<上> 犯罪心理捜査官セバスチャン (創元推理文庫) [ M・ヨート ]楽天ブックス
January 8, 2018
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みなさん、こんばんは。往年の人気TVシリーズを映画化したコードネームU.N.C.L.E.を見ました。コードネームU.N.C.L.E.THE MAN FROM U.N.C.L.E.監督&脚本ガイ・リッチー出演ジャレッド・ハリス ヒュー・グラント 東西冷戦の最中の1960年代前半。CIAエージェントのナポレオン・ソロとKGBエージェントのイリヤ・クリヤキンは核兵器拡散をたくらむ謎多き国際犯罪組織を制圧するために、長年の政治的対立を超えて手を組むことに。思考や方法論も真逆の二人は、組織につながる手掛かりである行方をくらました科学者の娘を守り、核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する。 1960年代の人気テレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を、『スナッチ』などのガイ・リッチー監督が新たな視点で映画化。当時ナポレオン・ソロの声の吹き替えを担当していたのは矢島正明さんで、イリヤは野沢那智さん。堅物イリヤと如才ないが女性に弱いソロ。かっちりスーツで決めるソロに、労働者クラスの服装のイリヤ。水と油に見えて実は名コンビ。ただTVシリーズではデビッド・マッカラム演じるイリヤの人気が上昇して不仲説まで浮上した。 『シャーロック・ホームズ』でも探偵に格闘させたガイ・リッチー。今回も格闘やカーチェイスシーンに小粋な音楽やスプリット画面が被る。特典映像で見たけれど、スタントなしで演じた部分も結構あるらしい。父親が収容所送りのイリヤと実は犯罪者であるソロはどちらも後ろ暗い所があるけれど、真面目なイリヤの方が悩みは深いようで、トラウマに悩まされて指が頑なになるシーンが何度か登場。米ソが手を組むといっても裏ではちゃっかりそれぞれの諜報員達に「機密情報を手に入れろ」と命じており、友情と任務の狭間に立たされた二人はどうなる?と思っていたが、蓋をあければやっぱりそれしかないだろうの選択。続編があってもいい感じの終わり方だったけれど、興行収入があまり上がらなかったのだろうか。【楽天ブックスならいつでも送料無料】コードネームU.N.C.L.E.【Blu-ray】 [ ヘンリー・カビル ]楽天ブックス
January 7, 2018
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みなさん、こんばんは。正月始まっての連休はほっとしますね。映画ジョン・ラーベ~南京のシンドラーを見ました。ジョン・ラーベ~南京のシンドラーJohn Rabe出演香川 照之 ダニエル・ブリュール 柄本 明 スティーヴ・ブシェミ 杉本 哲太 日中戦争が始まって間もない1937年12月。日本軍は中華民国(蒋介石)の首都南京へ侵攻し陥落させた。首都機能はすでに重慶へ移転しており、数十万の市民と中国兵士、そして十数人の欧米人が南京に残留した。残った欧米人たちは、迫りくる日本軍から市民を保護する為、南京安全区国際委員会を設立、その委員長に選ばれたのがシーメンス南京支社長のジョン・ラーベだった。 ドイツ映画賞で主演男優賞・作品賞・美術賞・衣装賞を受賞、バイエルン映画賞では最優秀男優賞・最優秀作品賞を受賞。日本では上映不可能とまで言われた本作品がついに日本初公開!とはいってもロードショーをうたれたわけではなくホールなどでの限定公開になった模様。まあ南京大虐殺が出てきますからね。皇族出身の将校が「生きてる捕虜は見たくない」と一言言えば、泣きそうになりながら部下は慌てて「生きてない状態」にしなけりゃならない。日本人は典型的な悪役に描かれていますが、実写映像も挿入されるので誇張だけではなかろう。中国人に対しては酷い扱いだが、同盟国のドイツや外国人にはそれなりに配慮していた風が見える。例えば死んだと思っていたラ―ベの妻が生きていたことを、彼女自慢のお菓子を届けることで知らせる、なんて気が効いてると思うんですよ。 スティーヴ・ブシェミやダニエル・ブリュールら知っている俳優も出ているので機会があれば見て欲しい。ブシェミ演じるアメリカ人医師が最初は嫌っていたラ―ベと意気投合してナチス高官を揶揄する変え歌歌うシーンなんて戦争中とは思えないほどユーモラス。 ツイッターでなるほど、というコメントが流れていてそれは「こちらではナチス党員が中国人を日本人から救い、海外では杉原がナチスからユダヤ人を救った」というもの。国ではない、それぞれの人柄、信念が最後は人の値打ちを決める。【中古】南京の真実 / ジョン・ラーベ 著/エルヴィン・ヴィッケルト 編/平野卿子 訳 / 講談社いやひこ堂 楽天市場店
January 6, 2018
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みなさん、こんばんは。新年一週目が終わろうとしています。早いですね。ブルース・リーの御師匠さんの生涯をシリーズ化した映画を見ました。ブルース・リーも強いですが、お師匠さんも強い!イップ・マン 序章葉問/IP MAN出演池田 博之 ドニ―・イェン 1930年代の中国広東省佛山。家族と共に平穏な日々を送る詠春拳の達人、イップ・マン。その実力と人格で人々の尊敬を集める一方、彼を倒して名を挙げようとする武術家たちも多く、心ならずも手合わせをしては、いずれも一ひねりにしてしまうのだった。ところが折しも日中戦争が勃発、佛山を占領した日本軍によって家屋を奪われ、窮乏を強いられる。やがて空手の名手でもある日本軍将校・三浦がイップ・マンの実力に目を付け、日本兵たちに中国武術を教えるよう迫るのだが…。伝説の映画スター、ブルース・リーにとっての唯一の師匠として知られる中国武術“詠春拳”の達人、イップ・マン(葉問)の壮絶人生を、ドニー・イェン主演で映画化した本格カンフー・ムービーの第1作。それにしても特に仕事もせず、たまにやって来る挑戦者と立ち合いをしているだけであれだけの暮らしが立つ葉問ってどこのおぼっちゃま?と思っていたら葉一族は仏山では桑畑や綿花畑、製糸工場などを経営していたとか。ドニー・イェンはこの役を演じるため、少しでも本人の姿に似せようと10キロの減量を敢行。一から詠春拳の稽古を重ね他の映画の撮影中もホテルの部屋に木人樁を持ちこんでクランクインまでの9か月間その習得に励んだ。「一人の武道家が日本人空手家と一騎討ちを演じる」というストーリーがブルース・リーの主演した『ドラゴン怒りの鉄拳』と共通。繰り返しこのパターンが作られるのは、いかにこの展開が中国内で盛り上がるかという証明。三浦役の池内博之は本格的なアクションは初挑戦であり、撮影の1カ月前からサモ・ハン・キンポーの元で特訓。アクション撮影で池内は全身に傷と痣が絶えず、後から軽い脳震盪も起こしていた。単身撮影に参加していたが、もしマネージャーがいたら撮影を中断させただろう、とのこと。なお空手の達人役で出演しているが、本人の特技は柔道。三浦像には、ただの悪役でなく武道を通じたキャラクターが出るよう、監督との話し合いの中で提案したため、武道に対してはフェアな人物になっている。憎むべき日本の軍人としては、メガネをかけた彼の部下がいて、まあ絵に描いたような卑怯者。中国で上映して拍手喝さいを浴びるには、必ずこういうキャラが必要だったのだろう。イップ・マン 葉問葉問2/出演ドニ―・イェン サモ・ハン・キンポー 1950年、イップ・マンは家族を連れて、広東省佛山からイギリスが統治する香港に移住。その後彼は、新聞社の屋上に詠春拳の武館を開く。そんなある日、血気盛んな青年ウォンがやって来て、自分が負けたら弟子入りするとイップに勝負を挑む。香港スター、サモ・ハン・キンポーとの共演が売り。パターンは一緒ですね。1.いつも生活は汲々だが同じく貧乏な弟子から稽古代を取れず奥様はいつも困り顔2.相手がどんな理不尽な事を言ってこようと無言で受ける。3.技を磨くには心映えを磨くこと。イップ・マン 継承葉問3/Ip Man3出演ドニ―・イェン マイク・タイソン 武術家イップ・マンが、イギリス人ボクサーと死闘を繰り広げてから9年。妻や息子と静かな毎日を送ってきた彼は、都市開発を進める悪徳不動産業者が息子の通う小学校の土地を狙っているのを知る。強引に土地買収を行う不動産王とその手下から、小学校を守ろうとするイップ・マン。暴力も辞さない手下たちをけ散らしていく彼だったが、妻が病に倒れてしまう。愛する家族を守るべきか、自分たちが暮らす町のために戦うべきか、そのはざまで思い悩む彼は。 シリーズを追う毎にゲストが豪華になっていくイップ・マンシリーズ。今回は何とマイク・タイソン!でもクライマックスの対決相手は彼ではない。というか、対決シーンはどう見ても異業種格闘シーンに見える。条件も「どちらかがどちらかを倒す」のではなく「3分間立っていたら見逃してやろう」って何だそれは。それまでいろいろ妨害をしてきたくせに。 何かあると人助けに出ていってしまい、すっかり家庭ないがしろモードだった妻ががんだとわかり夫婦愛にやっと目覚めるイップ・マン。イップ・マン 「序章」&「葉問」 Blu-rayツインパック【Blu-ray】 [ ドニー・イェン ]楽天ブックスイップ・マン 継承 [ ドニー・イェン[甄子丹] ]楽天ブックス
January 5, 2018
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みなさん、こんばんは。BBCでフランスの名作『三銃士』がドラマ化されました。NHK総合でNHKでは第二シーズンまで放送されました。声優もイケ面ばかりです。出演トム・バーク ヒューゴ・スピアー ゲスト出演ジョン・リンチSeason1第1話 「敵か味方か」Friend and Enemies銃士隊のトレヴィル隊長は、ルイ13世から重要な親書を運ぶ任務を指示され、最高の精鋭部隊をこの秘密任務につかせる。しかし、リシュリュー枢機卿は自らの権力を高めるため、ある計画を企て、銃士隊の評判を傷つけ、おとしめようと画策する。枢機卿の手足となって動くのが、美しくも危険な妖婦ミレディだ。果たして、枢機卿の思惑が勝利するのか、それともそれを阻止して、王と国を守ることができるのか。全ては銃士たちの手にかかっていた。後に銃士隊長となって大蔵卿ニコラ・フーケの逮捕命令を出すダルタニアンの若き日は猪突猛進を地で行く暴走振り。オトナの三銃士にこれから鍛えられていくのかな?影のあるアトス、何でも武器にするポルトス、女性に優しいアラミスとキャラが立っていて面白い。第2話 「鮮やかなトリック」Sleight of Handダルタニアンが違法な決闘の容疑で逮捕される。収容された牢獄で、悪名高き犯罪者ヴァディムと出会う。ヴァディムは彼を牢獄に入れた者たちへの復讐のため、大規模な暴動を起こすが、あと一歩のところで銃士隊に阻まれる。しかし、それは目をそらすための策略に過ぎなかった……。果たして銃士隊はヴァディムのさらなる陰謀を暴き、君主制の危機を救うことができるのか? また、経験の浅いダルタニアンは銃士としての実力と銃士隊への忠誠を証明することができるのか?良くも悪くも国家イコール自分で清濁併せのむ枢機卿リシュリュー、嫁の実家のスペインがどうも気になって仕方がない国王ルイ、愛しさ余って憎さ百倍で元夫に止めをさしに来たのにロケットの中にあった思い出の花にはっとして思い留まる悪女ミレディ、脇役までキャラが立ってる。第3話 「気に食わない任務」Commodities三銃士とダルタニアンは港町ル・アーヴルに派遣される。任務は、スペインとの協定違反を犯した悪名高い貿易商ボネールの身柄を確保し、処罰するためパリに連行すること。しかし、彼らを待ち受けていたのはボネールを狙う敵たちだった。激戦でポルトスは負傷し、アトスが住んでいた屋敷へ向かう。屋敷でアトスはレミから衝撃の事実を告げられるのだった…。果たしてダルタニアンたちは、次々と襲いかかる敵をかわし、無事ボネールをパリへ送り届けることができるのか?声優陣が豪華。「鮮やかなトリック」ゲストは誰もいない王宮で爆弾をひょいひょい投げる爆弾男=磯部勉さんで今回「気に食わない任務」ゲストは冒険者と見せかけて実は奴隷を使う農園経営を考えていたズルい男ボネール=小山力也さん。愛と国の忠誠に引き裂かれたアトスの過去萌。第4話 「裏切り者」The Good Soldierサヴォワ公国の公爵夫妻が国王の元を訪れた。到着した夫妻を出迎えた国王たちは何者かに命を狙われる。すぐに犯人を追跡する三銃士。そしてアラミスが追いつめた犯人は、旧友であり恩人のマルサックだった。5年前、マルサックが所属する部隊で虐殺事件が起こった。主犯格の男からトレヴィル隊長の関与を知った彼は、事件の真相を解き明かし、復讐を果たすため、アラミスに協力を求める。揺らぐ忠誠心、膨らむ疑惑。三銃士は復讐劇を止められるのか。今回は王の親族及び国を守るために銃士隊が犠牲になる話。従来では銃士隊Vs枢機卿/ロシュフォール公爵の敵対関係が明確だったが本シリーズでは対立するが時には枢機卿とも手を組む場面も多く登場。国を思う気持ちは同じだがそれぞれの手段が異なるというスタンスか。リシュリュー枢機卿は衣装が黒。きらびやかな衣装の王族の隣に立っていて黒!地味で埋没するはずだが逆に圧倒的な存在感がある。汚れ仕事を全てこなすという意味もあり、それら全てを覆い隠すという意味もありの黒なのか。第5話 「吹きだまりの帝王」The Homecoming誕生祝の翌朝、身に覚えのない殺人で罪に問われたポルトスは、死刑を宣告されてしまう。しかし、直前に何者かに連れ去られて、かつて彼が育った危険な貧民街で身を隠すことになる。彼の命を救うには、無実を証明するしかない。捜査に乗り出した三銃士は、殺人が別の場所で行われたことを突き止め、忠誠心と強欲が交錯する陰謀を暴くのだった。手遅れになる前に、銃士たちは命を顧みず、奇跡の宮殿と呼ばれる貧民街の危険地帯へと踏み込んでいく。今回はポルトス回。武闘派一辺倒のイメージがある彼のキスシーンもベッドシーンも出て来るこのドラマは凄い(何が?)裁判所で「静かで美しい宵闇のパリを堪能していました」と言って皆ウケルシーンあり。アラミスが同じ台詞を言うと皆うっとりするんだろうなぁ。殺人罪で捕まったポルトスを「酔ってるからもしかしたら」と疑ってかかったダルタニアンに対して絶対違うと譲らなかったアトスとアラミス。三人の絆の深さを改めて感じさせられる。第6話 「国王の母」The Exilesアラミスとダルタニアンは、若い女性と赤ん坊をパリ郊外の村から宮廷へ送り届ける任務に就く。しかし、武装した男たちに母子を拉致される。2人は、女性の正体と、赤ん坊誘拐の理由を探る。そして、追放されたはずの皇太后が深く関係していることを知る。誘拐犯を捕まえるため、ダルタニアンはコンスタンスを乳母として潜入させることにする。絡み合う陰謀、そして次々に襲いくる敵。ダルタニアンとアラミスは事件を解決し、任務を無事遂行することができるのか。次回「国王の母」に登場するマリ―・ド・メディシスは名前は聞いたことなくてもルーヴル美術館に行った人はルーベンスの手による一連の絵画「マリー・ド・メディシスの生涯」で姿を見ているはず。夫の死や息子との確執など決して幸せではなかった彼女が絵画では神々に祝福される。赤ん坊に歌を歌ったりあやしたり今回もアラミス推しの回。こんなに素敵なのに16歳の時以来本当の愛を知らないなんて、不憫な。アラミスが逃がすことを見越して「今日は書類整理で忙しい。午前中いっぱいかかる。」という隊長の念押しの台詞と了解したアラミスの破顔がまた。皇太后が「息子と出会えたのは神のお導き」と言った時にリシュリューと銃士隊長が目くばせするシーン台詞はないが同じ歴史を潜ってきた同志っぽく「絶対この女嘘ついてるよな?」という合図を交わしあっている。そこへいくとやはり母親の見かけと言葉に騙される国王はちょろいぞ。第7話 「魔女にされた伯爵」A Rebellious Woman王と王妃が乗った馬車に若い娘が飛び出し、死亡する事故が起こる。さらに死んだ娘の友人も行方不明になる。アトスたちが少女の捜索に乗り出すと、2人の少女が共にラロック伯爵夫人が主催する啓蒙サロンに通っていることがわかる。そして、この事件によって伯爵夫人にあらぬ嫌疑がかかってしまう。さらに、枢機卿の命まで狙われる事態に発展する。枢機卿とは因縁のある銃士たちだったが、彼の命と美しき伯爵夫人を救うためにアトスたちは動き出す。今回はアトス回だったのに終わってみれば他の銃士にも恋の予感が。ニノン女伯爵に散々辛辣な事を言われても十字架を渡したアラミスは王妃に嫉妬めいた言葉をかけられダルタニアンは遂にコンスタンスに告白して怒涛の展開へ。女伯爵に断られた国王「私を袖にしたのか?」王妃「そのようです」国王「ありえんな」と言いつつ周囲を見回して真顔に。女伯爵に対しては穏便に、という国王にリシュリュー「陛下、寛大にも程があります!」国王「わかっている。それが弱みだ」今回国王はコメディ要員か?今回はリシュリュー神回か?と思えるほどいい台詞が沢山。毒に苦しみながら「これまでの悪行を上回る徳をまだ積めていない。このまま死んだら地獄に落ちる」現実主義のミレディには「もう地獄にいる。気付いてないの?」といなされていたが枢機卿には徳を積む願いがまだあるのか。枢機卿なのに全然宗教を信じておらず「利用できるならする」くらいのスタンスのリシュリューが黒衣につけている金の十字架が空々しい。女伯爵の助命を頼む銃士たちに「私は残忍ではない。現実的なだけだ」復活しての力強い宣言「誰であれ国家であれ神であれ私の邪魔はさせない」第8話 「銃士隊と親衛隊」The Challenge銃士隊と親衛隊の対立に手を焼いた王は、どちらの隊が強いか決着をつけるため対決させることにする。ダルタニアンは、代表に選ばれて銃士の資格があることを証明しようと決意する。そのためには、まず激しい気性を抑制し、感情でなく頭で戦えるようになる必要があった。アトスは、ダルタニアンを特訓し、精神力の強化を試み、彼の素質を証明する機会を狙った。一方、枢機卿は大口契約のためにダルタニアンを利用し、彼を牢獄に潜入させるのだが…。代表選考会参加費用を貢いでくれるパトロン探しに「釣りに行こう」とアラミスがポルトスを誘いだした先は教会の葬儀の真っ最中。それぞれの未亡人の事情を詳しく説明するアラミス(いや、なぜ知っているかは聞くまい)パトロンなしでも参加できたアトスはやはりお金持ち。常にリシュリューに逆らわないと思われた国王が名裁きを見せるなど、今回は珍しく悉く策士策に溺れるの如く、真っ向勝負やストレートな愛情が勝利を収めた回。それにしても寝取られ男ボナシューに浮気相手ダルタニアンの身辺調査をさせるリシュリューのどSっぷりったら。今回一番得をしたのは、イケ面で凄腕の銃士(後に隊長になる)ダルタニアンをゲットし、かつ銃士隊と親衛隊隊士達の参加費用をちゃっかり国費に組み込んで賞金をチャラにし、国王の権威を高める機会にも恵まれたルイ13世。あんな顔してやる時はやる、さすが国王。第9話 「王妃の危機」Knight Takes Queenドイツから娘の婿探しにメレンドルフ伯爵が訪れていた。王はなかなか世継ぎを産まない王妃への不満を漏らしていた。そんな中、アンヌ王妃が何者かに狙撃される。銃士たちは暗殺者から王妃を守るために女子修道院に逃げ込む。アトスとアラミスは襲撃に応戦。そして、修道院長および修道女たちは、命の危険を顧みず、修道院に立てこもり銃士たちに協力する。一方、ポルトスとダルタニアンは援軍を呼びに向かう。はたして彼らの運命はいかに?あれほど人の心を見ることに長けていたリシュリューが国王の心を読み違えるポカ。今後の伏線か。「アンヌが死んでくれれば」と冒頭言ってた王が、王妃が襲われたと聞くや「生きていけない」と取り乱す。王の真意はどっちだ?と視線をさ迷わせるリシュリューの演技がうまい。ろうそくに照らされた横顔が美しいアラミスと王妃。神に仕える割にはアナーキーな修道女達。一方援軍を呼びに行ったダルタニアン達に従ったメンツが七人の侍みたい。ニコラス・ケイジの吹き替えもやる大塚明夫さんがリシュリュー達よりよほど信義に厚いギャラガ―役で登場。アトスに怒られても「…もう戻っていい?」と寝室にいる女性の事を気にしたり、かつて愛した女性からいまわの際に「また会えるわ 天国で でもすぐには来ないでね」と言われたり、蝋燭に照らされる横顔が美しかったりと今回も色男っぷりがはんぱなかったアラミス(平常運転?)第10話 「皆は一人のために」 Musketeers Don't Die Easily酔っぱらったアトスが問題を起し、仲裁に入ったダルタニアンが撃たれてしまう。その一件で銃士たちの間に思いがけぬ亀裂が入り、分裂の危機を迎えていた。枢機卿は王妃暗殺計画を指揮したことを銃士たちに暴かれるのを恐れ、ミレディにどんな手段を使っても彼らを殺すよう命じる。銃士たちは固い結束を守り、ミレディと枢機卿に正義の裁きをもたらすことができるのか? それともミレディがついに復讐を果たすのか?「国王が間違える事はない!わきまえよ!」序盤に比べ最近国王が枢機卿に対して偉く高圧的に。そんな枢機卿のやつあたりはミレディーへ「欲しいのは努力じゃなく結果だ!」一見出来る上司の台詞だが言ってる事は酷い。結果=銃士隊抹殺だよ銃士隊挙っての仕込みとなったアトスの葬式。隊長の弔辞にいちいち「偉大な」「素晴らしい」と注釈を加えて微笑みあったり「悲しくなってきた」とポルトスは涙ぐんだり。何なのこの可愛らしい三銃士は。シーズンラスト回はクライマックスがまるで西部劇。こんな時なのに追い詰められた時にマントをバサッと広げる枢機卿が素敵。アラミスと王妃の雰囲気に何事かを感じ取った枢機卿、遂に次回登場のロシュフォール郷(『華麗なるペテン師たち』 のマーク・ウォーレン)悪役陣活躍期待。Season2第1話 「危険な男」Keep Your Friends Closeあれから、悪名高きリシリュー枢機卿が亡くなり、王妃が待望の王子を出産し、宮廷は新たな幕を開けようとしていた。銃士隊はある男を連れ戻す任務を命じられる。その相手はリシュリュー枢機卿のスパイとしてマドリードに派遣されていたロシュフォール伯爵だった。彼はスペインで捕らえられていたが脱出に成功。さらにフランスの対スペイン軍事戦略の責任者であるフォワ将軍が敵に監禁されているという情報を王に持ち帰るのだが…。リシュリューの死と後の太陽王ルイ14世の誕生が同時期に描かれる、新たな時代の始まりを予感させる回。新たなる敵は「危険な男だが痛快」なロシュフォール。スペインのダブルエージェントである彼が国王より王妃を見ている時間が長いということは王妃の首飾り事件期待していい? リシュリューの死因は心臓発作「枢機卿にも心臓があったのか」なんて軽口を叩いていたアラミスにラストとんでもない事実が明かされる。アラミスもリシュリューも宗教に通じているのに全然人を許してないなぁ。王太子を「お元気で美男子」とあやしている場合じゃないぞアラミス。第2話 「庶民になった国王」An Ordinary Man王が気楽な庶民の生活を経験したいと主張、アトス、ポルトス、ダルタニアンとともに夜の街へ繰り出す。楽しい夜を過ごすはずが、犯罪組織に平民と間違えられ、ダルタニアンと共に捕えられてしまう。謎の組織は拉致した王とダルタニアンをスペインへ奴隷として売ろうとしていた。一方、洗礼式を前に、王の不在に慌てふためく宮廷では、王妃がロシフォールに意見を求める。彼の指示で銃士隊は救出のため港へ向かう。教育係をたらしこんで王太子に近づこうとするアラミスだが相手には魂胆お見通しの御様子。洗礼式の時にわかりやすく王太子の次にアラミスのショット入れるのやめてわかったから。調度太陽がぱあっと王太子にあたるショットはいかにも太陽王らしい。次回でロシュフォール郷告白が。第3話 「正義の反逆者」The Good Traitorスペインの元将軍タリク・アラマンが、独自に開発した新型火薬を披露しに訪れる。そして彼は、誘拐さた娘の救出と引き換えに製法を教えると取引を申し出る。引き受けた銃士隊は、敵のアジトに突入し、一味を制圧しようと奮闘する。一方、王太子が重病で高熱に苦しんでいた。王がスイスの最新治療薬を試そうとするが、コンスタンスは反対し、無断で王太子を連れ出してしまう。そんな中、ミレディが宮廷で王との再会し誘惑する。朝っぱらから派手な爆弾で起こされる父(しかも宮殿内)、訳のわからない金属を濾した薬を次から次へと飲まされたり突如誘拐される息子。フランス国王親子受難。しかし父親にはあとでいいことが。ミレディ仕事早い(何の?)。アバンタイトルの王妃プレイに思いっきり引く。ロシュフォール、イタイよイタ過ぎる。スペイン時代の思い出話で心をほぐしておき、満を持して本気の「愛してます」が王妃に引かれソツなく言葉を付け足す。枢機卿の愛はフランスに向けられていたけど貴方の愛は王妃なのね。ムーア人でスペインの将軍というとシェイクスピアの「オセロみたいなイメージ。その娘がポルトスに言う『フランスに生まれただけじゃフランス人になれない』って台詞がイギリスのEU離脱に揺れるヨーロッパと重なってタイムリー。移民流入もEU離脱の選択理由の一つでしたから。 朝から派手な爆弾で起こされる父、訳のわからない金属を濾した薬を次から次へと飲まされたり突如誘拐される息子。フランス国王親子受難。しかし父親にはあとでいいことが。ミレディ仕事早い(何の?)。表面では平和を保っていながら水面下で綱引きしているフランスとスペイン。第4話 「天使が見た悪夢」Emilie銃士隊は、神の啓示を受けたというデュラスの娘エミリーを調査する。彼女は夢により、スペインとの戦争こそが神の意志だと主張。何千という信奉者が彼女のもとに集まり、スペイン人に対する暴力行為が次第に激しくなっていた…。トレヴィル隊長の指令でアラミスは彼女に近づき潜入捜査をすることに。宮廷では、ミレディの存在が邪魔で仕方ないロシュフォールが彼女の身元を調査。秘密をばらさない代わりに駆け引きを持ち掛ける。王太子の侍女には誰でも言い寄り「愛してる?」と尋ねられても「君の事は好きだ」と華麗にスル―、しかる後に、やる事は必ずやってしまうアラミス。艶福家で知られる太陽王ルイ14世は間違いなくあなたの子供です。枢機卿時代でも決して切れなかった国王と王妃の距離が開き、出生を疑い始めるポルトス、王妃との秘密を抱えるアラミス、前妻に執着されるアトス、ロシュフォールがミレディと手を組みつつじわじわと権力と影響力を伸ばしてゆき、頼りの隊長は解任。銃士隊にさらなる受難の予感。今回はジャンヌダルクの再来みたいな少女出現。まだ続いてたのかロシュフォールの王妃プレイ。何気に潜入捜査率が高いアラミスとダルタニアン。「こういう事に慣れてるから」と言われたアトス過去に麻薬に溺れた事が?王妃も結構脇が甘くて大胆なのでコンスタンスの明日が大変。第5話 「嘆きの領主」The Return酒に酔ったアトスが拉致される。目を覚ますとそこは、彼が爵位を放棄した領地であるピノンだった。ルナール男爵による暴挙に耐え切れなくなった小作人たちには彼の力がどうしても必要だったのだ。不意に決別した過去と対峙させられ戸惑うアトスだが、亡くなった弟の婚約者キャサリンとの再会を機に、救出に来た銃士隊とともに男爵との戦いに突入することに。アトスが伯爵の称号を放棄すると知ってショックを受けていた男爵に反旗を翻す。主人がいないことを幸いに土地を乗っ取ろうと悪党達が押し寄せる場面はまんま西部劇。予告でも思ったが三銃士版「七人の侍」回。アトス回と思わせて実はトレヴィル隊長再生の回。役職を解かれて拗ねていた彼が生来の面倒見の良さと優れた教育者の血が騒ぎ村人達を兵士に変える。「分かった風な事をいうな」とダルタニアンをたしなめていたがその彼に「まだミレディのことひきずってる?(ダルタニアンは引きずってない)」と言われてすぐ後に延々と続くミレディとの甘い回想シーン。アトス、分かられてるよ充分。ミレディは元婚約者にはめられた?第6話 「選べない選択」 Through a Glass Darkly評判の天文学者・占星術師マルミオンは、古い要塞に日食を観察するための新しい装置を作り、王の一行を招く。ダルタニアン、アラミス、ポルトスはロシュフォールたちと同行するが、予想しえなかった事態が起こる。なんと、マルミオンたちが一行を征服したのだ。彼らは王に復讐するため、王に王妃と王太子の命を懸けて狂気のコイン投げゲームを強制する。一方、何とか命を繋いだミレディはアトスとトレヴィルに助けを求める。アニメファン感涙の声優が登場してきた マスケティアーズ 今回はシャア・アズナブル役の池田秀一さん登場!妙に芝居がかったいい方もこの声ならでは。ロシュフォールとポルトスが手錠ならぬ鎖につながれたままの脱獄でロマンチックな会話を展開。実は恋バナを語りたいのか君はロシュフォール。今回も前回同様隊長じゃなくなり腐ってぼやいている姿から始まって、いざ国王の危機となると、ヘンな意味じゃなく嬉々として指示出しするわめっちゃ輝いて敵を倒しているトレヴィル。彼が復活する時はシーズン中に来るのか?皆の前でラブシーン展開するダルタニアンの主役感。第7話 「姫の秘め事」A Marriage of Inconvenience王の従姉妹のルイーズ姫が、銃士隊の護衛でマントヴァ公国から移動する途中、何者かに命を襲われる。姫はフランスの国益のために、スウェーデンの王族との政略結婚が決まっていた。銃士隊は、敵がスペインの硬貨を所有していたことから、この結婚とフランスとスウェーデンの同盟関係を阻むために送られた刺客だと考え、犯人の特定を急ぐ。姫は身の安全のためパリへ戻ることに。そして、新たな陰謀が実行されてようとしていた。ルイーズ姫「陛下とは子供の頃に会ったきり」アトス「ほぼお変わりない」陛下ディスリスペクト発言かと思いきや実はここに伏線が。アラミスとマルグリットの会話も、マルグリットは底意を見せつつ語っているのにアラミスが文字通りにしか受け取っていない件も伏線びしばし。第8話 「親父の真実」The Prodigal Fatherトレヴィル隊長に父の正体を明かされたポルトスは、真相を問うため父親であるベルガール侯爵に会いに行く。彼は自分の出生の秘密を告げられる。思いもよらぬ事実に、彼は銃士隊に入れた理由に疑念を抱き始める。そして、衝撃の真実を知る…。一方、宮廷では王が暗殺に怯える日々を送っていた。ロシフォールはそんな王を意のままに操り宮廷を支配しようとしていた。さらに、ミレディに王妃とアラミスの関係を探るよう命じる。TL上では直江状のイケボで湧いているがこちらもイケ面ボイス揃いの マスケティアーズ ベルガール侯爵役はミスタースポックの菅生隆之さん。トレヴィル元隊長「お前は真実を知った そして俺を知ってる」最終的な判断はポルトスに任せる所が彼を操ろうとする父ベルガール侯爵と対象的。ああ不憫だけど最高に気持ち悪いロシュフォール(褒めてます)。散々のコスプレごっことよりによって自分が想いを込めた十字架を恋敵が持っていたことに遂にぷっつん。そしてここでトレードマークの隻眼アイパッチが誕生。愛する女性につけられた傷、これは忘れられんでしょう。第9話 「愛と憎しみの炎」 The Accused王妃を襲って逆上したロシュフォールは、以前王妃がスペイン王に書いた手紙を使って王妃に反逆罪の容疑をかける。ロシフォールの言いなりとなっていた王は、王妃の話を受け入れず投獄するよう命じる。銃士隊は、王妃を救い出し、命をかけて王妃を守ることを決める。そして、ロシュフォールがスペインのスパイだという証拠を探す間、王妃の安全を確保するため、王宮から密かに避難させる。そんな中、王は毒を飲まされ倒れてしまう…。銃士隊を集めてアラミスと王妃の一件を告白するシーンでトレヴィル元隊長がアトスに「止められなかったのか?」って聞くけどフツーに考えてそもそもどこで止めるんだよ!マスケティアーズの女性達は恋愛からも危険からも逃げずに強い!「ロシュフォールが王妃を襲ったのが反逆罪ならお前のは何だ」「愛だ」この期に及んでギャグをやるアラミス(違います)。内容より自分に打ち明けなかった事の方がショックのポルトス。ロシュフォールのアイパッチ姿を「海賊みたいでかっこいいな」と一番酷く傷をえぐる国王。第10話 「愛に負け、愛に勝つ」 Trial and Punishmentロシュフォールの陰謀によりコンスタンスが処刑されようとしていた。ダルタニアとアトスは寸前で彼女を救出することに成功し逃亡する。ポルトスはスペインのスパイであるヴァルガスをフランスへと誘い込む。一方、アラミスは王妃との密通の罪で投獄されていたが、ミレディに救われ、他の銃士隊に合流する。遂にロシュフォールを追いつめた銃士隊は、最後の決闘に挑む。フランスと仲間たちの運命は、彼らの手に掛かっていた。トレヴィル「これは殺人だ」ロシュフォール「これは正義だ」トレヴィル「その意味も知らんくせに」今回のアヴァンタイトルあわやと思わせて煽る。王妃の裏切りにショックを受けた国王に「そなたにわかるわけがない」と八つ当たりされるロシュフォール。いや彼は誰よりもわかってる。「王妃は?」と心配そうなアラミスに「生きてる あなたなしでも」 とドライなミレディ。他人の色恋には冷静になれてもアトスに対してはとことん乙女。「これまでの人生やり直したい 私と貴方には絆がある」と自信たっぷりなミレディに行ったらそのまま連れ去られそうだったアトス。わざわざアイパッチを外して愛する女の顔(今日初めて堂々と「俺の女だ」宣言してましたね)を見てスペインよりも王妃が大事だったことを末期の告白するのに王妃がこれまでになく冷たい瞳で見下ろすシーンが何とも。今までの変態発言から同情票に少しは流れたかな?「あなたを思えば苦痛から逃れられた」こんな時なのに(だから?)告白をしてしまうロシュフォールだが速攻で王妃に「わたしはお前をそんな風に考えたことはなかった」とフラれ一瞬悲しそうな表情をする。「愛とは苦悩だ、苦しみだ」やはりロシュフォールの恋愛観はおかしい。ロシュフォールとアラミスがお互いの裏切りを暴露しあい国王のメンタルがいっぱいいっぱい。「王妃だけでなくたった一人の息子も失った」と言うときロシュフォールは国王の、国王はロシュフォールの顔を見ていない。見事にすれ違う二人の気持ちが現れてるようなシーンいい。マスケティアーズ パリの四銃士 ブルーレイ全2巻セット BD
January 4, 2018
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みなさん、こんばんは。今BSでシャーロックの新シリーズが再放送されてますね。こちらは第二シーズンに登場したエピソードのテレビ版です。『バスカヴィルの獣犬』 デビッド・アトウッド / パイオニアLDCThe Hound of the Baskervilles出演イアン・ハート リチャード・ロクスバーグ ジョン・ネトルズ リチャード・E・グラント原作サー=アーサー・コナン・ドイル イギリス、ダートムーアの旧家バスカビル家の当主チャールズ卿が死亡した。不審な点はあるものの、担当医モーティマーや執事バリモアの証言から検死法廷で自然死とされた。チャールズ卿に子供はなく、100万ポンド以上といわれる莫大な遺産を引き継ぐのは、唯一の相続人で甥のヘンリー。バスカビル家の担当医モーティマーはシャーロック・ホームズの元を訪れる。バスカビル家には代々伝わる「悪魔の犬」伝説があり、歴代の当主はそれを暗示させるような謎の死を遂げたというモーティマーの話を、ホームズは「お伽話」と一蹴。カナダからやって来た新しい当主ヘンリー卿と共にワトソンを旅立たせるのだったが。 ホームズがやって来る前段階から物語は始まる。『嵐が丘』にも出てくるムーアの変わりやすい気候が前振りとして登場し、何やらゴシックホラーっぽい雰囲気が漂う。2時間ものなので、ホームズが沼地に姿を現すまでの原作部分や、ヘンリーがステイプルトンの妹に好意を寄せていく様子など、描写がはしょられている。ホームズが阿片を注射して恍惚としている場面もあるが、何かの伏線になるのか、または説明があるのかと思っていたら何もなく拍子抜けだった。巨漢の脱獄犯を演じるのは、皮肉な事に、BBCのTVシリーズ『バーナビー警部』でタイトルロールの警部を演じたジョン・ネトルズ。原作ではなかなか真犯人とそのからくりが解らなかったが、本作では、いかにも悪人顔のリチャード・E・グラント(「ゴスフォード・パーク」他出演)がホームズの頭蓋骨に並々ならぬ関心を示すなど、「フーダニット」で観客を引き込む事は早々に放棄したように感じられる。代わりに「ホワイダニット」「ハウダニット」に目が向けられるが、問題の犬は、顔がクマみたいで嘘っぽくてがっかり。映画『ジョーズ』の例もあるように、恐怖の対象は、必要以外はなるべく全体像を映さない方が良かったのではないか。テックシアターバスカヴィルの獣犬/ リチャード・ロクスバーグ 【吹き替え・字幕】【中古】テックシアター
January 3, 2018
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みなさん、こんばんは。正月一日目は穏やかに終わりました。やけに救急車と消防車が行きかってた気がしますが…。正月時代劇風雲児たちを見ました。見事に大河ドラマ『真田丸』のキャストが揃いましたね~。懐かしいです。原作:みなもと太郎「風雲児たち」脚本:三谷幸喜音楽:荻野清子演出:吉川邦夫(NHKエンタープライズ)制作統括:陸田元一(NHKエンタープライズ)、中村高志(NHK)キャスト前野良沢:片岡愛之助杉田玄白:新納慎也平賀源内:山本耕史田沼意次:草刈正雄長野 里美 小日向 文世 高嶋 政伸 遠藤 憲一 村上 新悟 栗原 英雄阿南 健治 高木 渉前野良沢と杉田玄白による“蘭学事始”。史上初の西洋医学書の和訳に一心同体で取り組んだ二人は、鎖国ど真ん中の江戸中期に革命的な翻訳を成し遂げます。しかし、刊行された『解体新書』になぜか良沢の名は載らず、名声は玄白だけのものとなりました。二人の間にいったい何が起きたのか…。娘の臨終にも立ち合わず打ち込んだのに名前が載らない事への妻の怒りも、名前が載らなくても良沢の仕事である事をわかっている藩主の労いも、いずれも良沢への愛から来ていてつまりは周囲から大変愛されている良沢。お互いの信念が同じであっても、名誉名声を求めているのでなくても、分かり合っていても決別する。だけど同じ所がある故にいつか必ずわかりあうことも出来るしわかってくれる人もいる。それは獄死したとされる源内であっても賄賂政治の田沼であっても同じ。[DVD] 風雲児たち 蘭学革命篇ぐるぐる王国DS 楽天市場店
January 2, 2018
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みなさん、あけましておめでとうございます。さて、こちらは昔懐かしいTVアニメのヒーローが実写で登場です。ビッケと神々の秘宝WICKIE AUF GROSSER FAHRT/VICKY AND THE TREASURE OF THE GODS日本では70年代に『小さなバイキングビッケ』としてTVアニメ化され大ヒットした原作は1965年のドイツ児童図書賞を受賞し、今もなお世界中で読み継がれる名作。アニメはその後ヨーロッパを中心に全世界に輸出され、世界中に多くのビッケファンを誕生させた。腕っ節は強くないけれどめっぽう頭がいいビッケが鼻をこするとあら不思議、名案がわき出てくる!アニメでも名案がわくと星が飛んだが、実写版でもその通りだったのはアニメの影響? ひょんなことから神の秘宝を探す旅に出たビッケたちフラーケ族。宿敵のライバル・スヴェンにビッケのお父さん・ハルバル海賊長が誘拐された上に、美女の島で美女の大群に奇襲をかけられたビッケたちの運命は! ?↑と書いてますが、これは誤解を生みます。ビッケ達が流れ着いた島がアマゾネスの島で彼女達のスタンスは「もう男性達に虐げられない!」というもの。別に男性と聞けば襲ってくるようなものではない。むしろ帆がなくて困っているビッケにあるものを提供してくれるなど優しい。 さて、今回秘宝として登場するのが、なんとマイティ・ソーことソーの斧。取り上げると雷を振りまわして本当に危ない。いやー、ソー様、あまり自分の武器を振りまわすと危ないですよ。 そういえば子供向け映画とはいえ、負けた側は勝った側の使用人になる所まで映していてシビア。あと、スヴェンの娘が髪の毛に編み込みしていておしゃれだった。ビッケと同様父親に認められないコンプレックスを持っているが、父親に面と向かっていけないことはいけない、と言える強さを持っているなかなか魅力的なヒロイン。一回だけの登場はもったいないくらい。【楽天ブックスならいつでも送料無料】ビッケと神々の秘宝 [ ヨナス・ハンメルレ ]楽天ブックス【送料無料】蜂蜜(はちみつ)ハニーお試しセット国産、外国産の純粋はちみつ28種類から5つ選べる!お得なはちみつ5点セット蜂蜜専門店 かの蜂
January 1, 2018
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