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May 19, 2012
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今日は伝記作家アンリ・トロワイヤの作品を紹介します。



《中央公論社》アンリ・トロワイヤ 村上香住子訳 チェーホフ伝 【中古】afb 古書 高原書店


『チェーホフ伝』 アンリ トロワイヤ,村上 香住子 / 中央公論社
『犬を連れた貴婦人』アンナに「きっと迎えに来るから」と誓ったイタリア人貴族ロマーノ。だが彼は、家の破産によってその約束を果たす事が出来なかった。映画化された『黒い瞳』で、妻とアンナの間でフラフラする優柔不断男を演じていたのがマルチェロ=マストロヤンニ。馬鹿なんだけど憎めない彼の好演が、とても印象に残った。この映画の原作を書いたのが、ロシアの劇作家にして小説家、アントン=チェーホフ。彼はロマーノ同様、恋愛に関してはとんでもない優柔不断男だった。

「毎朝目が覚めてまず考えることといったら、『今日僕はぶたれるだろうか?』ということ(p8)」という、支配的な父のもとで過ごしたチェーホフ。だがこの絶対的権力者である父が、破産によって家出する。独立していた兄に代わって、アントンは家長として一家を支えなければならなくなる。自分一人だけ居候していた生活はとても辛かったが、彼はわざと面白可笑しく手紙を書く。ところが母から「あんたは物事をちゃかし過ぎる」と言われてしまうという皮肉な結果に。実は既にここでアントンには、「悲惨な中でのおかしさ」=ユーモア小説を書く素地が出来ていたようである。チェーホフは、最初から文学に専念していたわけではなかった。家長としての責任から、皆にちゃんとした生活をさせる事を最優先に考えていたためである。とはいえ、当初こそ「本妻は医学で文学が愛人」と言っていたが、次第に愛人の方が脚光を浴びるようになっていく。

チェーホフには言いよる女性が少なからずいた。だがいつも女性が積極的になると、「私は結婚するなんて言った事はない」と逃げる。そして、女性が離れていこうとすると、「もう僕の事は嫌いになったんですか?」と手紙を書く。「ええい、いったいどっちやねん!?」と言いたくなるほど優柔不断。かなり遅くに、『かもめ』に出演していた女優オリガと結婚するが、その際にも「毎日同じ事が繰り返される結婚は堪えられない」とフザけた事を言っている。
チェーホフの病気のために、結婚生活はわずか三年だったが、果たして公演で別居結婚状態でなければ、彼女とも保ったかどうか、定かではない。

チェーホフは「芸術家は登場人物や、彼らのいった台詞の判事になるのではなく、公正な目をもった証人」たる事を是としている。フィクションよりも、リアルを重視した彼は、自らをも冷静に観察して、『犬を連れた奥さん』『かもめ』に登場する優柔不断男を生み出したのだろうか。







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最終更新日  January 22, 2014 12:09:47 AM
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