大恐慌時代のアメリカに実在した伝説のアウトロー、ジョン・デリンジャー。利益を独占する大銀行から盗み、銀行に居合せた客からは盗まないという態度が不況にあえぐ民衆から喝采を浴びる。死んだ仲間の「知らない相手とは組まない」を忠実に守り、「お前は決して見捨てない」と言われる如く、組んだ仲間を救うために危険を冒すことを厭わない。 信頼厚きデリンジャ―と仲間達に対するは、「実務担当者ではないからデリンジャーを捕まえられないのでは?」と予算追加をはねつけられて渋い顔のFBI長官エドガ―・フーヴァー。この映画では人気取りに余念がない名誉欲丸出しの男として描かれている。彼がシカゴ担当の特別捜査官として白羽の矢を立てたのは"プリティ・ボーイ"フロイドを射殺したメルヴィン・パーヴィス。彼は職務に忠実であったまでで、名誉や出世に興味はない。だから、というか、やはり、というか、性格が正反対の二人は、信頼関係によって結ばれているとは程遠い。例えば、デリンジャ―逮捕に向かった部下をむざむざと殺されてしまった直後にメルヴィンが部下の入れ替えを要求するシーンがある。 メルヴィン「今までのタイプの捜査員ではデリンジャーは捕まえられないAnd I would like to make a request. That we transfer men with special qualifications to augment the staff here in Chicago. There are some former Texas and Oklahoma lawmen currently with the Bureau in Dallas.」と再三願い出ますが、フーヴァーは何度も「悪いが聞こえないなExcuse me, I cannot hear you.」を連発し、最後にメルヴィンが「適切な助っ人がいなければ、部下を何人も虐殺に追い込むことになるWithout qualified help, I would have to resign this appointment. Otherwise, I am leading my men to slaughter.」と言って、やっと彼の望みは叶う。