映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

お気に入りブログ

クレイマー、クレイ… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

父との別れ。 天野北斗さん

イタリアンランチと… ちーこ♪3510さん

松河屋老舗☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
August 29, 2013
XML
みなさん、こんばんは。8月も終わりになってちょっとは涼しくなりましたね。こちらは姉妹の熱きバトルを描いた小説です。それもイギリス史上最も有名な姉妹のバトルといっていいでしょう。

愛憎の王冠(上)
フィリッパ・グレゴリー
The Queen’s Fool

スペインの異端弾圧を父と共に免れてきたユダヤ人の少女・ハンナには隠された能力があった。その力を後のエリザベスの寵臣ロバート・ダドリーに見込まれた彼女は、その命を受けて道化として王のそば近くに仕えるようになる。

 ハンナは少女漫画の王道を行くヒロインだ。本来の美しい姿をわざと男装で隠しているが、教養もあり自立心も強い。なにせこの時代に、親の決めた婚約者に向かって「結婚は安全を願う女が、自分の安全も守れない男に隷属するもの。」と言い放ってしまうのだから、極めて現代的なキャラクターでもある。そんな彼女が、妻帯者ながら当代きっての色男&権力者の息子ロバート・ダドリーに「ミストレス・ボーイ」と耳元で甘くささやかれてコロっと恋に落ち、魑魅魍魎と権謀術策が入り混じる宮廷を、道化という最も油断される身分で行き来する。折しも彼女の生きたイギリスは、幼いエドワード王から短命なジェーン・グレイ、そしてブラディ・メアリーと目まぐるしく君主が変わった時代。彼女の日常は、スリルとサスペンスの連続だ。一寸先が見えない時代の行く末を、彼女だけがある特殊な能力で見ることができ、その力ゆえに、彼女より遥かに多くを持っている権力者が彼女の周りに集う。

ヒロインの周辺の登場人物たちの濃さったらない。この後第三弾『宮廷の愛人(もろに彼のことだ!)』エリザベスをメロメロにするロバート・ダドリーは、才長けてはいるものの、国王の義父となろうとした父親ほどの非情さはない。このツメの甘さが『宮廷の愛人』に書かれているような末路を招いたんだろうな、と、シリーズ通じてキャラクターの繋がりを感じられる設定になっている。メアリにも国のプロテスタントにもいい顔をし、利用できるものは残らず利用するしたたかなエリザベス、“ブラッディメアリ―”という名からはほど遠く「Virgin Queenとして自分の子は持たず、この国の民を子とし、彼らの母親になる」と誠に慈愛に満ちた演説をしてのけるメアリーの人物描写は、後の評価とは真逆でとても新鮮だ。いや、むしろ、歴代の王妃たち―とりわけエリザベスの母アン・ブ―リン―に虐げられ、死の恐怖と戦いながら王位継承権を持つ身として誇り高く王道を行こうと努めたメアリーの方に肩入れしたくなること請け合いだ。

 メアリーの死を経て遂にエリザベスの手に王冠が渡るまでを描いた大奥シリーズ第二弾は、ハンナの成長物語としても読める。誰かハーレクインシリーズか何かで漫画にしないだろうか。


【送料無料】愛憎の王冠(上) [ フィリッパ・グレゴリー ] 楽天ブックス






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  April 7, 2022 12:29:07 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: