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February 15, 2015
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みなさん、こんにちは。
3日間休みましたがまだちょっと咳は出ています。職場でマスクをしてほしかったなぁ。
明日から会社です。
さて、こちらは十二国記シリーズが刊行中の小野不由美さんの新シリーズ本です。

営繕かるかや怪異譚
小野不由美

表紙写真は半分しか出ていないが、広げてみるとちょっとおかしなことに気づく。タイトルの文字も手前の家も傾いているが、その向こうの箪笥はまっすぐな床の上に乗っている。そして、左端の女性が歩いている小路はこれまたまっすぐだ。更に、今見えていない裏表紙には、この物語の舞台である街のシンボルの城が遠方に見えているが、こちらもまっすぐに建っている。そして近景には、今映っている家の廊下が斜めに城の方に向かっていて、その廊下は見えている表表紙の廊下に繋がっている。つまり、傾いでいる廊下とそうでない廊下が繋がっているが、繋がっている箇所は障子で見えない。そして表紙の著者名も少し障子の影に隠れており、それぞれの話のタイトルも、いくつかの字が物に隠れた形で載せられている。先ごろ夏目漱石の『心』のデザインを手がけて話題になった祖父江慎さんが手がけている作品らしく、怪しい話を飾るための工夫がいろいろと凝らされていて楽しめる。ところで、表紙にもう一つしかけがしてあるけれど、皆まで言うと面白くないので、これは是非手に取ってご覧下さい。

 さて、前置きが長くなったが、本作は現在も『幽』で連載中の小野さんの新シリーズ第一作である。六話収録されており、城下町に住む人達の家で説明のつかない出来事が起こり、そこに営繕を営む青年が現れて物事をおさめてゆく一話完結型である。面白いのは、おさめてゆくやり方として、怪奇の元と思われる物を元から取り壊す方法は行っていないことだ。一話だけ例外があるが、それすら恐らく以前の出来事と繋がりのある何かを持ちこむ形となっており、過去を全く断ち切った形にはなっていない。合理的と称される西洋と比べて、いかにも日本的なおさめ方と言えるだろう。

 また、六話中全ての目撃者が女性となっているが、怪しい存在を真っ向から見たというケース、声を聴いたというケースはそれぞれ一話きりである。それ以外はまず音、匂いなど雰囲気という形で出現し、怪しの者は全体像をなかなか晒さない。この特徴がいかにも日本の幽霊だと感じた。日本の幽霊はあまりあからさまに現れず、更に目撃者とのコミュニケーションもとらない、幽かで孤独な存在である。表紙やタイトルの半分隠れた字にも言えることだが、見えそうで見えない、でも確かにいるというその幽かさが、人間の想像力をあれこれと刺激して恐怖を募らせるというパターンが日本の怪談には多い。そうはいってもシリーズ化するならば、ある程度のバリエーションは必要だろうから、もしかしたらこれは第一作だけの傾向かもしれない。




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最終更新日  February 15, 2015 04:54:48 PM
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