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April 14, 2015
テーマ： 映画館で観た映画(8567)
カテゴリ： アメリカ映画
映画 ギリシャに消えた嘘
を見ました。
ギリシャに消えた嘘
THE TWO FACES OF JANUARY
監督＆脚本
ホセイン・アミニ
出演
ヴィゴ・モーテンセン キルスティン・ダンスト オスカー・アイザック
原作
イギリス＆フランス＆アメリカ映画
1962年、ギリシャ。アテネでツアーガイドをして生計を立てている青年ライダルは、旅行で来たというチェスターとコレットの夫婦とパルテノン神殿で出会う。彼らのガイドを申し出たライダルだったが、その夜に宿泊するホテルに現れた探偵をチェスターが殺してしまう。混乱したまま死体の片付けを手伝ったライダルは、チェスターが投資家たちから高額の金をだまし取って逃走中の詐欺師であることを知る。
パトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を基にしたサスペンス。
最初にハイスミスが原稿を持ちこんだ時に「ゲイセクシュアルな香りがする！」という理由で断られたそうだが、映画でもその辺りをかなり露骨に匂わせている。なぜかと言えば、ライダルが最初目を止めるのはコレットではなくチェスターだ。チェスターも気がついて「あの男じっと俺の事を見ている」と言い、つられてコレットもライダルを見る。
冒頭でライダルはツアー客にテセウスの帰還にまつわる悲劇を話す。白い帆をあげるはずが、ついうっかり黒い帆をあげたばかりに悲しんだテセウスの父は自殺したのだ。そうとは意図せず父を殺した息子。このこの関係がライダルとチェスターに重ね合わせられる。
インテリの父とうまくいかず、葬儀にも出なかったことをなじられたライダルは、チェスターと話すうち自分の父親のように感じ、親しみを感じ始める。それは彼の生まれが見かけ通りでなかったことや、彼が逃亡しなければならなかった理由を知ってもなお変わらない。彼に置き去りにされたライダルが船上で罵るが、それも憎しみからではない。「自分がこれだけ信頼しているのになぜ？」という愛情からくる怒りのように思えるのだ。普通ならばコレットを挟んだ三角関係になるはずが、映画の中では最初から最後までライダルはチェスターの事しか見ていなかった。それほどヴィゴ演じるチェスターが魅力的なのだ。
彼は最初からどんどん崩れていく。ブラックタイでライダルと恋人に会った時から逃亡を経て、酒を飲み、野宿をして整えられていた髪も乱れていく。それなのに、運が悪くどんどんドつぼにはまってゆく彼から目が離せない。そしてまたチェスターもライダルを利用しながらつき離せない。運命で結ばれたのはコレットと男達ではなく、コレットを媒介にした二人の男達だったのだ。
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ギリシャに消えた嘘
THE TWO FACES OF JANUARY
監督＆脚本
ホセイン・アミニ
出演
ヴィゴ・モーテンセン キルスティン・ダンスト オスカー・アイザック
原作
イギリス＆フランス＆アメリカ映画
1962年、ギリシャ。アテネでツアーガイドをして生計を立てている青年ライダルは、旅行で来たというチェスターとコレットの夫婦とパルテノン神殿で出会う。彼らのガイドを申し出たライダルだったが、その夜に宿泊するホテルに現れた探偵をチェスターが殺してしまう。混乱したまま死体の片付けを手伝ったライダルは、チェスターが投資家たちから高額の金をだまし取って逃走中の詐欺師であることを知る。
パトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を基にしたサスペンス。
最初にハイスミスが原稿を持ちこんだ時に「ゲイセクシュアルな香りがする！」という理由で断られたそうだが、映画でもその辺りをかなり露骨に匂わせている。なぜかと言えば、ライダルが最初目を止めるのはコレットではなくチェスターだ。チェスターも気がついて「あの男じっと俺の事を見ている」と言い、つられてコレットもライダルを見る。
冒頭でライダルはツアー客にテセウスの帰還にまつわる悲劇を話す。白い帆をあげるはずが、ついうっかり黒い帆をあげたばかりに悲しんだテセウスの父は自殺したのだ。そうとは意図せず父を殺した息子。このこの関係がライダルとチェスターに重ね合わせられる。
インテリの父とうまくいかず、葬儀にも出なかったことをなじられたライダルは、チェスターと話すうち自分の父親のように感じ、親しみを感じ始める。それは彼の生まれが見かけ通りでなかったことや、彼が逃亡しなければならなかった理由を知ってもなお変わらない。彼に置き去りにされたライダルが船上で罵るが、それも憎しみからではない。「自分がこれだけ信頼しているのになぜ？」という愛情からくる怒りのように思えるのだ。普通ならばコレットを挟んだ三角関係になるはずが、映画の中では最初から最後までライダルはチェスターの事しか見ていなかった。それほどヴィゴ演じるチェスターが魅力的なのだ。
彼は最初からどんどん崩れていく。ブラックタイでライダルと恋人に会った時から逃亡を経て、酒を飲み、野宿をして整えられていた髪も乱れていく。それなのに、運が悪くどんどんドつぼにはまってゆく彼から目が離せない。そしてまたチェスターもライダルを利用しながらつき離せない。運命で結ばれたのはコレットと男達ではなく、コレットを媒介にした二人の男達だったのだ。
映画「 ギリシャに消えた嘘
」
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