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September 14, 2017
カテゴリ： 日本のミステリー小説
みなさん、こんばんは。もうすぐ連休ですね。そういえば伊達公子さんが引退を発表されましたね。よく頑張られました。
さて、今日は京極堂シリーズの作品を紹介します。
塗仏の宴（宴の支度）
京極夏彦
犯行の手口と動機がわかれば、おおかた犯人の目星はつく。手口は癖や傾向、動機は思考パターンと結びつき、端的に犯人を表すからだ。『絡新婦の理』で難航したのは、事件の手口も動機も、直接の首謀者である蜘蛛自体を現すものではなかったから。
では、首謀者であるその人が揺らいでいたら？
シリーズ初の前後編である第6作は、更に好敵手に対するハードルを上げてきた。なるほど、こう来たか。
事の発端は、作家・関口巽が編集者から持ち込まれた取材依頼だった。光保公平という人物が警官として伊豆山中、韮山村にある＜へびと＞村の駐在所に勤務を命ぜられた。しばらく住人たちの間で暮らし、徴兵され、その後復員してみると、村の集落が住人ごと消えていたのだった(『ぬっぺっぽう』)。他に、『狂骨の夢』に登場した朱美が自殺を繰り返す村上兵吉と知り合う『うわん』、関口が編集者麻美子から祖父と遭遇した妖怪の話を聞く『ひょうすべ』、中禅寺敦子が予言者として有名な華仙姑処女こと佐伯布由に助けられる『わいら』、木場修太郎が友人経由で絶えず監視されていると訴える女性に引き合わされる『しょうけら』、『絡新婦の理』のただ一人の生き残り、織作茜が石像を奉納に向かう『おとろし』が収録されている。各々の逸話が時間を異にして進行し、登場する妖怪が、話の登場人物の境遇と似通っている。各話の間に、関口がどうやら拘留されているらしい場面が、一人称で挿入されており、最終話が終わった時点で、彼が一体何の容疑で捕まっているかがやっと明らかになる。そして「多分この人が今回の強敵になるのだろう」と思われる人物が現れる。
「世の中には不思議でないものなどないんですよ。」
そして、正体が見えない敵ほど怖いものはない。
長い長い引きだが、読み飛ばしたいとは思わない。凡てが明らかになった時爽快感を味わうのに、それぞれに書かれた事が、欠かせないと思うから、妖怪話の蘊蓄も全部読み通した。
ああ、「宴の始末」を読むのが待ち遠しい!
【楽天ブックスならいつでも送料無料】塗仏の宴（宴の支度） （講談社文庫） [ 京極夏彦 ] 楽天ブックス
さて、今日は京極堂シリーズの作品を紹介します。
塗仏の宴（宴の支度）
京極夏彦
犯行の手口と動機がわかれば、おおかた犯人の目星はつく。手口は癖や傾向、動機は思考パターンと結びつき、端的に犯人を表すからだ。『絡新婦の理』で難航したのは、事件の手口も動機も、直接の首謀者である蜘蛛自体を現すものではなかったから。
では、首謀者であるその人が揺らいでいたら？
シリーズ初の前後編である第6作は、更に好敵手に対するハードルを上げてきた。なるほど、こう来たか。
事の発端は、作家・関口巽が編集者から持ち込まれた取材依頼だった。光保公平という人物が警官として伊豆山中、韮山村にある＜へびと＞村の駐在所に勤務を命ぜられた。しばらく住人たちの間で暮らし、徴兵され、その後復員してみると、村の集落が住人ごと消えていたのだった(『ぬっぺっぽう』)。他に、『狂骨の夢』に登場した朱美が自殺を繰り返す村上兵吉と知り合う『うわん』、関口が編集者麻美子から祖父と遭遇した妖怪の話を聞く『ひょうすべ』、中禅寺敦子が予言者として有名な華仙姑処女こと佐伯布由に助けられる『わいら』、木場修太郎が友人経由で絶えず監視されていると訴える女性に引き合わされる『しょうけら』、『絡新婦の理』のただ一人の生き残り、織作茜が石像を奉納に向かう『おとろし』が収録されている。各々の逸話が時間を異にして進行し、登場する妖怪が、話の登場人物の境遇と似通っている。各話の間に、関口がどうやら拘留されているらしい場面が、一人称で挿入されており、最終話が終わった時点で、彼が一体何の容疑で捕まっているかがやっと明らかになる。そして「多分この人が今回の強敵になるのだろう」と思われる人物が現れる。
「世の中には不思議でないものなどないんですよ。」
そして、正体が見えない敵ほど怖いものはない。
長い長い引きだが、読み飛ばしたいとは思わない。凡てが明らかになった時爽快感を味わうのに、それぞれに書かれた事が、欠かせないと思うから、妖怪話の蘊蓄も全部読み通した。
ああ、「宴の始末」を読むのが待ち遠しい!
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