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September 16, 2017
カテゴリ： 日本のミステリー小説
みなさん、こんばんは。連休始まりましたね。どう過ごしていますか？
あいにくの台風で明日からは雨のようです。
さて今日も京極堂シリーズの作品紹介です。
陰摩羅鬼の瑕 （講談社文庫）
京極夏彦
白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主・由良昂允の五度目の婚礼を控えていた。過去の花嫁は何者かの手によって悉く初夜に命を奪われていた。花嫁を守るように依頼された探偵・榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と館を訪れる。一方、過去の花嫁殺害事件を担当した刑事・伊庭は木場の訪問を受ける。
第七作では、前作『塗仏の宴 宴の支度』『塗仏の宴 宴の始末』
で一気に広げた風呂敷を閉じ、人間関係もコンパクト。謎の行方は、意外とオーソドックスな消去法の先にあった。
『今昔続百鬼 雲 多々良先生行状記』収録の『古庫裏婆』で京極堂と出会った伊庭が再登場。「由良家の事件に関する限り、不思議なことなど何ひとつ起こってないんだよ。」と、京極堂十八番もどきの台詞を口にする。百発百中の探偵・榎木津が、未だ事件の起きていない伯爵家にやってくる。今度は大丈夫かと思いきや、本来の目の方が見えなくなっているため、『おお、そこに人殺しがいる』と人騒がせな一言を言っても、その人殺しの記憶が誰のものかわからないという、やっぱり元の木阿弥に。でも、相変わらずおどおどしている関口だが、本作では何と、某有名作家との邂逅を果たす。「血縁だ何だというどろどろしたものを背景にした犯罪を書いてしまうんだなぁ。」なんて言うから、もしかしたら…と思っていたら、やっぱりあの人だった。そういえば、ちょうどあの人が戦後ミステリー小説で復活を遂げたのはこの頃だったんだ。そうは思えないかもしれないが、現実と非現実の間で彷徨する関口も、昔に比べると随分たくましくなった。
現在との既視感を感じたのは、京極堂が伯爵に死ぬとはどういう事かを説いてゆく場面。
「何故人を殺してはいけないのか？」に対するひとつの答えだと思う。
本作で由良家の子孫が登場した事で、もう一つの人気シリーズ『後巷説百物語』とのミッシングリンクが見つかった。
【楽天ブックスならいつでも送料無料】陰摩羅鬼の瑕 （講談社文庫） [ 京極夏彦 ] 楽天ブックス
あいにくの台風で明日からは雨のようです。
さて今日も京極堂シリーズの作品紹介です。
陰摩羅鬼の瑕 （講談社文庫）
京極夏彦
白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主・由良昂允の五度目の婚礼を控えていた。過去の花嫁は何者かの手によって悉く初夜に命を奪われていた。花嫁を守るように依頼された探偵・榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と館を訪れる。一方、過去の花嫁殺害事件を担当した刑事・伊庭は木場の訪問を受ける。
第七作では、前作『塗仏の宴 宴の支度』『塗仏の宴 宴の始末』
で一気に広げた風呂敷を閉じ、人間関係もコンパクト。謎の行方は、意外とオーソドックスな消去法の先にあった。
『今昔続百鬼 雲 多々良先生行状記』収録の『古庫裏婆』で京極堂と出会った伊庭が再登場。「由良家の事件に関する限り、不思議なことなど何ひとつ起こってないんだよ。」と、京極堂十八番もどきの台詞を口にする。百発百中の探偵・榎木津が、未だ事件の起きていない伯爵家にやってくる。今度は大丈夫かと思いきや、本来の目の方が見えなくなっているため、『おお、そこに人殺しがいる』と人騒がせな一言を言っても、その人殺しの記憶が誰のものかわからないという、やっぱり元の木阿弥に。でも、相変わらずおどおどしている関口だが、本作では何と、某有名作家との邂逅を果たす。「血縁だ何だというどろどろしたものを背景にした犯罪を書いてしまうんだなぁ。」なんて言うから、もしかしたら…と思っていたら、やっぱりあの人だった。そういえば、ちょうどあの人が戦後ミステリー小説で復活を遂げたのはこの頃だったんだ。そうは思えないかもしれないが、現実と非現実の間で彷徨する関口も、昔に比べると随分たくましくなった。
現在との既視感を感じたのは、京極堂が伯爵に死ぬとはどういう事かを説いてゆく場面。
「何故人を殺してはいけないのか？」に対するひとつの答えだと思う。
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