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April 29, 2018
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みなさん、こんばんは。GWが始まりましたね。
どこかへお出かけでしょうか?

BBCが制作したドラマ「ホロウ・クラウン」を見ています。
オリンピックイヤーにカルチュラル・オリンピックという企画が起こり、それにBBCが応えた形で作られたシリーズの第一弾です。

リチャード二世は吉田鋼太郎さんも演じています。

ホロウ・クラウン
The Hollow Crown
リチャード2世
Richard II


サム・メンデスほか

出演
ベン・ウィショー 英国アカデミー賞テレビ部門最優秀主演男優賞
ローリー・キニア デビッド・スーシェ パトリック・スチュアート

 イングランド王のリチャード2世が、従弟であるヘンリー・ボリングブルックとトマス・モウブレーの争いを仲裁し、2人を追放とする。ところがヘンリーの父ジョン・オブ・ゴーントが死ぬと、王は何かと口うるさかった叔父の財産を没収。これに怒ったヘンリーは追放の身ながら英国に戻ってきてしまう。

 冒頭と途中に、リチャード2世を演じるベン・ウィショーのモノローグが被さる。
「墓場の話をしようLet’s Talk of graves
うじ虫や墓碑銘について語り 大地に悲しみを刻むのだ
大地に腰を下ろし 王たちの悲しき物語を語ろう
退位に追い込まれた王 戦場で斬殺された王 先王の亡霊に取りつかれた王 妃に毒殺された王 寝込みを襲われた王 皆殺された」
カメラがゆっくりと降りてきてリチャード2世が映る。

前述の〝死にゆく王〟の中に、やがてリチャードも連なる事が暗示されている。

 生まれは申し分なかった。エドワード黒太子の息子として生まれ、父が早く亡くなったが3人の頼れる叔父がいた。幼くして即位したため、成長してからも叔父の影響を退けることが難しかった。映画では描かれていないが、そのあたりがお気に入りの側近を侍らせるようになった原因ではないか。

 ジョン・オブ・ゴーントが病を押して忠告すべくリチャードを呼び出す。
彼の台詞がまんまイングランド賛歌。
「 This royal throne of kings, this sceptred isle,

   This other Eden,- demi-paradise-
   This fortress built by nature for herself
   Against infection and the hand of war,
   This happy breed of men, this little world,
   This precious stone set in the silver sea,
   Which serves it in the office of a wall,
   Or as a moat defensive to a house
   Against the envy of less happier lands;
   This blessed plot, this earth, this realm, this England,
歴代の王が守る玉座、王笏が支配する島、そうだ この王国 この土地 ここは軍神マルスの座であり もうひとつのエデン 地上の楽園だ 大自然の女神が築いた島という 砦が疾病を防ぎ戦争の手を追い払う 民はこの幸せを享受する この幸せな世界は銀色の海にはめられた宝石だ 海が防壁の役目を果たし 城を取り囲む壁となり 周辺諸国の敵意から守っている この土地 この王国 このイングランド ここは多くの尊い魂が育んだ国」
そして
「このいとおしい祖国を借金のカタにするとは死ぬとも死にきれん 貸家や農地のように扱うなど許せん!」
とリチャードへの怒りをぶちまける。
リチャードは
「死にぞこないが何を言う」
と軽くあしらい、お付きの者も薄ら笑いを浮かべているが、ジョン・オブ・ゴーントが
「かわいそうに 病んでいるのはお前の方だ」
と言い放ち、皆剣を抜く一触即発の事態に。
ヨーク公デビッド・スーシェとジョン・オブ・ゴーントのパトリック・スチュアートの2ショットは眼福。

 イギリス愛といえば追放されるボリングブルックもこんなセリフを。
「さらば イングランドよ 別れが辛い 私を育てた母なる国よ」

リチャードもスコットランド遠征から戻ってきた時にイングランド愛を披露。
「私の王国に戻ってきたのだ 美しい大地に この手で挨拶しよう 
ようやく子供と再会できた母親のような気持ちだ 王の手でかわいがってやるぞ」
ところが、戻ってきたら兵はおらず、摂政の叔父もボリングブルック側についていた。
ここでタイトルになっているホロウ・クラウンの台詞が。
「この虚ろな王冠(The Hollow Crown)が王のこめかみにまとわりつく 
死の宮殿だからだ 王の威厳をバカにし栄華を愛でる そしてつかの間の時を与え 芝居を打つ 君主の役を与え うぬぼれを吹き込むのだ 王はこの身が難攻不落の城壁だと錯覚する 死神は王をちやほやしたあげく 小さな針で城壁に穴をあけ さようなら 見放す」
シェイクスピアお得意の、人々を役者に例えた台詞ですね。

譲位のためにリチャードがやって来る。裸足で白い馬に乗り白い衣。キリストをイメージしている。
「まだかしづき方も お辞儀の方法も知らぬ
国王万歳!アーメンは?それも私が言うのか?それならばアーメン 国王万歳!私は王ではないが それでも祈ろう 天が私を王と思うかも なぜ私を呼び出した?」
このあたりから涙目になるリチャードは
新しい王を称える言葉はまるで歌うよう。なのに、決して心からの言葉ではないことがわかる。見えない恨み節がボリングブルックにぐさぐさと突き刺さるのが見えるようだ。
「Give me the cown.
Here, cousin - seize the crown.  
Here, cousin -
On this side, my hand; and on that side, thine.
Now is this golden crown like a deep well
That owes two buckets; filling one another,
The emptier ever dancing in the air;
The other down, unseen, and full of water.
That bucket down and full of tears am I,
Drinking my griefs whilst you mount up on high

さあ 王冠をつかむのだ さあ
こちら側をわしが持ち そちら側をそなたが持つのだ
こうして両端を持つとこの黄金の王冠は深い井戸のようだ
ただそれは二つのバケツの中を行ったりきたりしている水のようなものだ
カラになったほうのバケツは空中に舞い上がる
水をたたえたほうのバケツは下に落ちていく
それはわし自身であり わしの涙がバケツを満たしている
わしは悲しみを飲み そなたは高く舞い上がるのだ」

王冠を巡る長いリチャードの台詞があるので、ボリングブルックとヨーク公はずっと長い間受けの芝居。何度も出てくる台詞
「国王万歳(God Save the King!)」が全然祝い文句に聞こえない。
王冠をもてあそび、最後にはごろごろごろっと床に投げ
「国王万歳!かつての王から送る 王が輝かしい日々を送れますように!」
祝福の言葉を述べる。床に這いつくばるという一番惨めな姿で、次代の王に最大限の敬意を払っているようにも見えるが、王冠の渡し方としては明らかに礼に叶っていない。「お前に渡すなら王冠もこの軽さよ」という生まれながらの王リチャードの矜持が見える。

「普通の人間なのに王と言えるか?」「王冠を失ったら自分は何者でもなくなる」と執拗に王冠に拘ったリチャードが、幽閉された後は「何者でもなくなった事」に安堵する。優雅、威厳、狂気、脆さ、怜悧、妖艶、冷酷、振り幅の大きい複雑な役を演じきったベン・ウィショー。

シェークスピアお得意の登場人物たちが未来を語る台詞にびんびんくる。例えばノーフォーク公がボリングブルックの野心を指摘
「お前の本性は神とお前自身と私が知っている 時間の問題だ 王が後悔なさるのも」
王でなくなったリチャードがノーザンバランドに
「お前は国を半分もらっても不満になり、王を不当に交代させたお前にヘンリーは不安になる。次は自分が王座から蹴り落とされると」と言い放つ場面もお約束の未来予言でぞくぞく。
「おれたちは余分な枝を切り落とすだろう?ありゃあ実をつけた枝を生かすためだ。」シェークスピアでは庭師が庭を語りながら同時に王国のあり方についても語る。

あれほど彼が拘ったのは冠本体ではなく冠が象徴する聖別された王という立場と王権。冠を差し出して何者でもなくなった時やっと楽になったのに周囲は変わらず王位を狙える者として危険視。周囲と自意識との乖離が招く悲劇。

「リチャード2世」究極の忖度をしてしまうヨーク公の息子オーマール。トム・ヒューズ演じる彼は物語の最初と最後で全然顔が違う。ヘンリーの決闘の時は父ヨーク公の影に隠れていたあどけない少年だったが、ヘンリーの追放、帰還した王の絶望、譲位など常に政治の表舞台にいる間に表情が変わっていき、最後は一人で堂々と棺をもってきてヘンリーの前に引きずり出す。















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最終更新日  January 6, 2020 09:42:35 PM
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