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October 12, 2018
カテゴリ： 山田風太郎
みなさん、こんばんは。来年の退位をめぐる皇室行事が次々と決まっていきますね。
お嫁入に贈る費用が一億！すごいですね。
さて、今日も山田風太郎作品を紹介します。
お庭番地球を回る ――山田風太郎忍法帖短篇全集（１１）
山田風太郎
命を奪われる心配もなく、幸せに暮らせる平和な時代とは、本当にいいものだ。
しかし戦時こそが活躍の場だった忍者達にとっては、平和な時代は失業者続出の受難の日々である。「特技を生かした職につきたい」と職探しをしても、ぴったりなのは泥棒くらい。果ては飢えて自分の足を家族に食べさせる忍者まで出た四代将軍の治世に、伊賀組と服部組を束ねる忍者の頭領・百蔵が、二組の男女を呼び出した。内職にぴったりの忍法を教えるというのだが…。
百蔵が四名の忍者に教える忍術が、皆セックス絡み。「人間何が大事だといって、色事ほど大事なものはない」と長々述べ出す百蔵に、「さては、頼りなげな半ば惚けた老人という見た目とは裏腹に、泰平の世に忍者が生き抜く道を日夜熟慮中であったか! 」と思わずこの老人を見直しかける。ところが百蔵が「膜鳴りの術」「すじがねの術」「きんたまりの術」「ちゅうだこの術」というフザケたネーミングの忍法の数々を開陳し、男女が過去に十四時間に何度交合したかを測定できる「ちゅうだこの術」については、「『口でいってもわからぬ』と百蔵老自身がいうのだから、ここに書けばいよいよわからない」なんてごまかしているのだから、尊敬の眼差しはすぐに呆れ顔に早変わり。おいおい、ズルイぞ、山風。さて、平和な時代には、やっぱりのどかな忍法帖に終わるかと思いきや、中盤でいきなり史実が絡んで来る。ほら、五代将軍綱吉は、どういう理由で将軍になったんでしたっけ、読者諸氏？
非情な運命の忍者の、奇天烈な対決に、哀しみながらも笑わずにはいられない『読淫術』をはじめ、「空間的すなわち物体的にはべつに異常はない」けれど、「時間的におかしいところがある」(何のこっちゃ!?)津軽藩の若君が脇役登場する『怪異二挺根銃』、オニワーヴァンことお庭番に憧れ続けたダグラス・ショック大尉が受けた最大のショックを描く『お庭番地球を回る』、ドラマ『大奥』の春日局もマッサオの大奥怪談『怪談厠鬼』、「あるものを媒介に他人に乗り移る忍者が最後に宿った体とは？」その応えが史実にぴたりとはまる『さまよえる忍者』、戦国悪戯坊主・果心居士が信長に取引を持ちかける『忍法死のうが一定』、東京オリンピックにちなんだエッセイ『忍法金メダル作戦』を収録。
お嫁入に贈る費用が一億！すごいですね。
さて、今日も山田風太郎作品を紹介します。
お庭番地球を回る ――山田風太郎忍法帖短篇全集（１１）
山田風太郎
命を奪われる心配もなく、幸せに暮らせる平和な時代とは、本当にいいものだ。
しかし戦時こそが活躍の場だった忍者達にとっては、平和な時代は失業者続出の受難の日々である。「特技を生かした職につきたい」と職探しをしても、ぴったりなのは泥棒くらい。果ては飢えて自分の足を家族に食べさせる忍者まで出た四代将軍の治世に、伊賀組と服部組を束ねる忍者の頭領・百蔵が、二組の男女を呼び出した。内職にぴったりの忍法を教えるというのだが…。
百蔵が四名の忍者に教える忍術が、皆セックス絡み。「人間何が大事だといって、色事ほど大事なものはない」と長々述べ出す百蔵に、「さては、頼りなげな半ば惚けた老人という見た目とは裏腹に、泰平の世に忍者が生き抜く道を日夜熟慮中であったか! 」と思わずこの老人を見直しかける。ところが百蔵が「膜鳴りの術」「すじがねの術」「きんたまりの術」「ちゅうだこの術」というフザケたネーミングの忍法の数々を開陳し、男女が過去に十四時間に何度交合したかを測定できる「ちゅうだこの術」については、「『口でいってもわからぬ』と百蔵老自身がいうのだから、ここに書けばいよいよわからない」なんてごまかしているのだから、尊敬の眼差しはすぐに呆れ顔に早変わり。おいおい、ズルイぞ、山風。さて、平和な時代には、やっぱりのどかな忍法帖に終わるかと思いきや、中盤でいきなり史実が絡んで来る。ほら、五代将軍綱吉は、どういう理由で将軍になったんでしたっけ、読者諸氏？
非情な運命の忍者の、奇天烈な対決に、哀しみながらも笑わずにはいられない『読淫術』をはじめ、「空間的すなわち物体的にはべつに異常はない」けれど、「時間的におかしいところがある」(何のこっちゃ!?)津軽藩の若君が脇役登場する『怪異二挺根銃』、オニワーヴァンことお庭番に憧れ続けたダグラス・ショック大尉が受けた最大のショックを描く『お庭番地球を回る』、ドラマ『大奥』の春日局もマッサオの大奥怪談『怪談厠鬼』、「あるものを媒介に他人に乗り移る忍者が最後に宿った体とは？」その応えが史実にぴたりとはまる『さまよえる忍者』、戦国悪戯坊主・果心居士が信長に取引を持ちかける『忍法死のうが一定』、東京オリンピックにちなんだエッセイ『忍法金メダル作戦』を収録。
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