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October 22, 2018
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カテゴリ: 吉田鋼太郎
みなさん、こんばんは。カンヌでグランプリを獲得したからなのか比較的地上波放送が早かった映画​ 三度目の殺人 ​を見ました。

三度目の殺人
The Third Murder

出演
役所広司 福山雅治 広瀬すず 品川 徹 橋爪 功 吉田 鋼太郎 市川 実日子 
斎藤 由貴 根岸 季衣

監督&原案&脚本
是枝裕和



「『万引き家族』がカンヌでグランプリを獲ったから異例のスピードで上映されたが、本来ならこんな時間に放送される映画じゃない」というTLを見かけてなるほどな、と。まず冒頭シーン。役所広司演じる三隅がいきなり男性を後ろから殴るシーン。それからご丁寧に死体に火をかけて燃やす。よほど恨みつらみが溜まっていたのだろう、とこの時点では考える。

 通常ならばこの場面は、視聴者にだけ与えられた神の視点の物語だ。しかし今回の場合神視点は存在しない。なぜならば、このシーンはもう一度繰り返されるが、その時には被害者の娘咲江もいて、隣で血を拭っている。冒頭のシーンに彼女の姿はなく、再度登場するシーンでは、もう一度冒頭と同じシーンを映してアングルを徐々に変えていくと咲江が映っている、というパターンの映像でもなかった。

 重盛にとっては彼が犯人であろうとなかろうとどうでもよかった。それはつまり、真実など裁判では大した意味を持たないということでもある。死刑よりも無期懲役で抑えようと自分で落としどころを決めた重盛は、その筋書きに沿うように被告人を誘導していく、その理想だけが見えていた。

 ところがそんな彼が、終わる頃には誰よりも真実にこだわっている。最初は誘導する側だった重盛が、いう事をころころ変える三隅に翻弄される。そのきっかけは壁ごしに手を当てただけで娘がいること、離れて暮らしていることを言い当てられたことだ。雪の中で三隅と咲江、重盛が寝っ転がっている映像が出てくるが、重盛自身にそうした不思議な力があるのか、それとも三隅なのか、映画が終わるまで説明はされない。

 きれぎれに登場する娘とのシーンも、重盛が真実を追求する姿勢を後押しするためだろうか。最初の方のシーンで娘に呼び出されて店の人に一緒に謝った重盛は、「こんなに簡単に涙を出せる」という娘のウソ泣きを見せられる。そして中盤では、娘から「何かあったら助けてくれるか/信じてくれるか」と言われる。「自分は嘘つきだ」と言いながら「信じて欲しい」と願う。こんな矛盾した感情も、娘から父に対してなら当たり前なのかもしれないが、同じ思いを三隅も重盛にぶつけていたような気がする。

接見室での二人のシーンが頻繁に登場するが、壁を隔てた二人はそう大した違いはないのではないかというメッセージにも見える。三隅や検察官は法という名のもとに死刑という形で殺人を犯せるが裁かれることはない。一方三隅の行為は、例え苦しむ人を救うためだったとしても罪として裁かれる。どこかにスタンダードがなければ無法地帯になるからとりあえず司法があり専門家がいる。ただ「とりあえず」というスタンスになれば、重盛のようにビジネスライクに徹して救おうとする人を見なくなる弁護士もいる。司法は絶対ではないし、警察も常に正しくはない。事件の真相と共に、じゃあ何が一番正しいんだろう?とずっともやもやさせる作品だった。



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最終更新日  October 22, 2018 04:39:41 AMコメント(0) | コメントを書く


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