「幸せなときも悲しいときも、わたしのことなんかたいして考えていなかった」母親の事を刺激しまいと気を使い、学校や近所の人にも本当の事を言えないカーラを支えたのは、それでも母親への愛だった。本作にはいくつもリスト(How To Avoid Having a Family Conference等)が登場するが、総てカーラが日常をリアルに見せるためのルールだ。このルールとお気に入りの本に出てくるヒロインが、当たり前でない日常を生きるカーラの支えとなる。「わたしがなんとかできる」と心強い言葉で母を支えるヒロインの健気さに、ひと筋の光明を見る。