名曲「A Whole New World」を生んだミュージカルアニメで、魅力を描き尽くしたと思われる「アラジン」をまたもや実写化?大きく異なったのは王女の造形だった。まず、これまでの王女は、美しく賢くても所詮アラジンの妻、つまりは努力したアラジンが得られるご褒美の宝でしかなかった。ところが本編では、ジャスミン自身が結婚を望まず王になって統治したいという願いを持っている。フェミニズム思想の反映だろう。もちろん王や宰相からはとんでもないと却下されるが、やがて彼女は自身の能力で自身が王に相応しい事を証明していく。 アラジンが主役というより、自由を求めるジーニー、統治を求めるジャスミンと三者三様均等に分けられた映画だった。ダイヤモンドの心を持つアラジンの第一発見者であり(どうやって見分ける?)スパイとして大活躍するジャファーのオウムがシェイクスピアの悲劇の主人公イアーゴ―というのがはまりすぎ。それにしても代々のランプの精がああいう風に形成されてきたとしたら、ジーニーもどこかでキャラ変したのか?