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January 22, 2022
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みなさん、こんばんは。元乃木坂46メンバーで俳優の若月佑美さんと、俳優の玉置玲央さんがそれぞれSNSで結婚したことを発表しました。今年の直木賞受賞作品を紹介します。

塞王の楯
今村翔吾
集英社

楚人に楯と矛とをひさぐ者有り。これを誉めて曰いはく「わが楯の堅きこと、よくとほすもの無きなり」と。また、その矛を誉めて曰く「わが矛の利きこと、物においてとほさざるなし」と。ある人曰く「子の矛をもって、子の楯をとほさばいかん」と。その人こたふることあたはざるなり。

 よく知られた漢文である。「何でも突き通す矛」と「どんな攻撃も防ぐ盾」の2つがあるのはおかしい。「何でも突き通す矛」が本当ならば「どんな攻撃も防ぐ盾」はウソになるし、その逆の場合は矛のほうがウソになるからだ。そして戦いは「どんな攻撃も防ぐ盾=石垣」と「何でも突き通す矛=鉄砲」の戦いだった。

 江戸時代以前、未だ身分制度が確定しない頃、その村の名前を言えば特産物がわかる場所があった。苗字にもなっている国友村だ。戦国時代から江戸時代末期まで、堺、根来と並び称される鉄砲の生産地として栄えた。鉄砲が戦国時代の戦の流れを変えたのは、長篠の戦いでよく知られている。雑兵が武将を倒すことができるので、一騎打ちは流行らなくなった。また、城にも鉄砲、大砲が仕掛けられるようになり、石垣の構造を工夫することが求められた。こちらで有名なのが穴太衆だ。定住地を持つ国友衆に対して、求められれば敵対する双方の城に出向き、城郭などの石垣施工を行った流れ者集団だ。

 鉄砲衆、穴太衆は技術を磨いたが、技術の成果を試すにもより上を目指すにも、相対する相手が必要だった。穴太衆の塞王に薫陶を受けた本編の主人公匡介は、数々の戦場で、鉄砲衆の彦九郎と相対する。

 クライマックスは関ケ原の戦の前哨戦、大津城の攻防だ。城主は京極高次、淀君の妹、初の夫だ。姉は絶世の美女竜子で、太閤秀吉のお気に入りだ。閨閥頼りで生き永らえたとして、高次はドラマや小説でも凡将扱いされる事が多い。しかし本編では、戦国には珍しく、気さくで慈愛深く、頼りないからこそ皆が支えようとする君主として登場する。このキャラクター設定は斬新だ。



 より優れたものが現れれば、それが抑止力となって戦が終わると、技術者たちは信じていた。その時彼らが不要になるとは思いもよらずに。実際、徳川の時代になって、一国一城令ができてからは新しくお城を建てることもなくなり、穴太衆はメンテナンスくらいしか仕事がなくなる。ほとんどの家は職を変えるしかなかった。一方の国友衆も銃を用いる大戦がなくなり、発明に道を切り開く末裔も現れる。泰平の平和のためには、最強の武器が必要で、しかしいざ平和が来ると、最強の武器は無用の長物、抑止力としてだけの存在になるパラドックス。


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最終更新日  January 22, 2022 12:00:18 AM
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