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November 28, 2022
カテゴリ： 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
みなさんこんばんは。ワールドカップ日本VSコスタリカの試合見ましたか？負けてしまいましたね。今日はYA小説を紹介します。
天才ジョニーの秘密
Johnny Swanson
評論社海外ミステリーbox
エレナー・アップデール
冒頭、顔に傷のある教師が笑っている。笑っている先にはジョニーがいる。彼はやせっぽちなので、クラスの友達から虐められているが、更に教師からも虐められているのだ。教師も戦争で傷を負い、性格が若干歪んでしまっている。「でもしか教師」で人材がいないから就職したまでで、子供達を教え導きたいという高尚な理想の持主ではないのだ。
1929年のイギリス。父を戦争で亡くし、母ウィニーと二人暮らしのジョニーは、ハッチさんの所で新聞配達のバイトをしている。ある日、天才的なアイデアがひらめいた。戦争未亡人のウィニーには、社会福祉の手は及ばない。自助努力で生活を成り立たせるしかない。嫌なおばあさんの所に働きにいって、給金を払わないであれこれいいつけられたり、仕事をかけもちしなければならない。苦労がたえない母さんウィニーを助けたいと、―最初はそんな気持ちで始めた仕事だったのだが、思いもかけない事件にまきこまれ、おまけに母さんが「殺人犯」にされてしまった。どうする、ジョニー。
タイトルに“天才”とついているが、それほどではない。だいいち、原題は彼の本名であり、天才を意味するGeniusがついていない。アイデアというのも、どちらかというと、こすっからい詐欺である。口から出まかせが次々と出てくるあたりは確かに賢いが、結局人を騙しているため、当初あまり主人公ジョニーには感情移入がしづらかった。だから作者は、後半さらなる悪者を登場させて、奮闘するジョニーを見せたのだろう。
モンモランシーシリーズを書いている著者が「二つの大戦の間の時代を書いてみたかった」という動機で執筆。
天才ジョニーの秘密 （海外ミステリーbox） [ エレナー・アップデール ] 楽天ブックス
天才ジョニーの秘密
Johnny Swanson
評論社海外ミステリーbox
エレナー・アップデール
冒頭、顔に傷のある教師が笑っている。笑っている先にはジョニーがいる。彼はやせっぽちなので、クラスの友達から虐められているが、更に教師からも虐められているのだ。教師も戦争で傷を負い、性格が若干歪んでしまっている。「でもしか教師」で人材がいないから就職したまでで、子供達を教え導きたいという高尚な理想の持主ではないのだ。
1929年のイギリス。父を戦争で亡くし、母ウィニーと二人暮らしのジョニーは、ハッチさんの所で新聞配達のバイトをしている。ある日、天才的なアイデアがひらめいた。戦争未亡人のウィニーには、社会福祉の手は及ばない。自助努力で生活を成り立たせるしかない。嫌なおばあさんの所に働きにいって、給金を払わないであれこれいいつけられたり、仕事をかけもちしなければならない。苦労がたえない母さんウィニーを助けたいと、―最初はそんな気持ちで始めた仕事だったのだが、思いもかけない事件にまきこまれ、おまけに母さんが「殺人犯」にされてしまった。どうする、ジョニー。
タイトルに“天才”とついているが、それほどではない。だいいち、原題は彼の本名であり、天才を意味するGeniusがついていない。アイデアというのも、どちらかというと、こすっからい詐欺である。口から出まかせが次々と出てくるあたりは確かに賢いが、結局人を騙しているため、当初あまり主人公ジョニーには感情移入がしづらかった。だから作者は、後半さらなる悪者を登場させて、奮闘するジョニーを見せたのだろう。
モンモランシーシリーズを書いている著者が「二つの大戦の間の時代を書いてみたかった」という動機で執筆。
天才ジョニーの秘密 （海外ミステリーbox） [ エレナー・アップデール ] 楽天ブックス
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