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March 29, 2023
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みなさんこんばんは。東京・日生劇場の開場60周年を記念して行われる公演に上橋菜穂子の小説「精霊の守り人」が選ばれました。劇中では、精霊の卵を宿した幼いチャグム皇子と、皇子を守る短槍使い、女用心棒・バルサの冒険物語が展開されます。今日は韓国のYA小説を紹介します。

ミョンヘ (YA! STAND UP)​
影書房
キム・ソヨン
吉仲 貴美子 (訳)梁 玉順 (訳)

 14歳のミョンヘは、他家に養子に行った長兄ミョンジュン、東京に留学中で、地域で一番「文明開化」した次兄ミョンギュ、妹のミョンソン、参判の父と夫に従順なアン夫人の六人家族だ。両親はいつまでも子ども扱いする一方で、「早く嫁に行け」とうるさい。ミョンギュの口添えで「結婚までの少しのあいだ」ミョンヘも首都・京城の女学校へ通うことになった。京城では、少々口は悪いが「結婚なんてバカみたいなまねは絶対しない」と言うナッキョンや、女性ながら米国留学も果たし医師の仕事を通じて日々貧しい人を助けるシン先生と出会い、ミョンヘも自分の生きる道について少しずつ考えを深めていく。しかし、日本の植民地支配が9年目に入った1919年、朝鮮の人々は自由と独立をもとめて立ち上がる準備を進めていた。そしてついに3月1日、京城のパゴダ公園には数千人の学生や民衆が集まり「朝鮮独立万歳!」をさけび始める。この「3.1独立運動」はその後、朝鮮全土へと拡大していく。

 時代背景上、日本人が悪にならざるを得ない。3.1独立運動は、日本には単なる騒擾事件としてのみ伝えられ、万歳事件といわれて独立運動としての詳細は報道されず、日本国民もほとんど知ることはなかった。しかし韓国としては、一部の都市だけではなく農村にも広がり、市民や学生だけではなく労働者や農民も含んだ広範な民族運動として意義深い。

 両班の娘として何不自由なく育った娘が、進学への希望を抱いたことをきっかけに、社会に興味を持ち、自分の将来についても考え始めるジュヴナイル小説を縦糸に、韓国全土を巻き込む独立運動を横糸に描いた、YAにしては骨太な作品。理想に燃え「新しい世の中を作る」と意気込む開明派の兄ミョンギュでさえ、いざという時は
「国のことで先頭に立つのは男の仕事であって、か弱い女子どもの仕事ではないんだ」


 韓国の由緒ある家なら持っている族譜記載には厳しいルールがあり、女性(祖母、母、娘、嫁、孫娘など)の「名」は記入しないのが鉄則だ。国の自立さえままならぬ時代、女性の自立はまだまだ遠い。

 そんな中でソヒョン、シン先生、ナッキョンがいずれも自由の象徴として求めるのがアメリカだ。アメリカも移民を全て受け入れるのではなく、アジア系はそれなりに差別されたはずだ。またナッキョンが選んだ写真花嫁も映画『ピクチャー・ブライド』では、ハンサムな写真とは似ても似つかない中年男が結婚相手だったと知り愕然とするヒロインが描かれていた。が、本作はそこまで現実に徹していない。その方が良い。むしろ彼女達の行き場をなくしてしまうと、物語全体が暗くなる。夢と国家の独立を夢見た彼女達が、無事どちらもつかむことができたのか。心優しき読者ならばどう想像するだろうか。

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最終更新日  March 29, 2023 12:00:25 AM
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