知らない道を走ってみたい(新館)
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小学校3年生頃だったと思う。国語の授業で、先生が「読める人は手をあげて」といったので、いやな予感があったので控えめに手を上げたら指名された。内容はある島での話で、働き者のお母さんの手のひらはしわがあって、そして一つかみしてくれる豆の数がいつも同じだったというものだった。読んでいく途中で、亡くなった母を思い出して泣き出した。今思うとそういう事情を知っている先生だったら気を使って指名はしなかっただろうが。母の日にお母さんの絵を描くというときも困った。仕方なく髪を後ろにくくった母の絵を描いた。そういうわけで、母の思い出はあまりない。柏餅を作るために柏の葉を採りに行ったこと、ぼた山にガラと呼んだ石炭を拾いに行ったことくらいである。母の実家の2階に住んでいた頃、ある夜、寝ているとき意味もなく「かあちゃん」と呼んでのは何歳のころだったのだろうか?小学校1年の夏に母は結核で亡くなった。まだ、恐ろしい病気だった。
2021年05月08日
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