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「裏マズロー」でビジネスが成り立っている企業は多いのではないかと以前にも書いた。
企業は当然ながら商品やサービスを販売して対価を得て成り立っているわけだが、その商品にも大きく分けて表マズロー商品と裏マズロー商品とが存在する。
たとえば、同じ電機業界でも冷蔵庫や洗濯機などの白物家電は目的手段の関係が明確なので表マズロー商品であり、アイポツドやウォークマンなどは精神的リフレッシュ以外に特段の目的はないので裏マズロー商品といえる。
それほど明確な区分けはできないが、同じパソコンでもウィンドウズPCは表マズローに近いが、アップルPCは性格的に裏マズロー性が強い。ウィンドウズPCは何かをするために買うが、アップルPCはそれを持つこと自体が目的化したファンが多いからである。
やはり一見良く似たカテゴリーの商品であるヨーグルトとプリンもそのように考えると違う性格の商品だ。ヨーグルトは健康のために食べる人が多いという点で表マズロー商品であり、プリンは息抜きに食べるという点で裏マズロー商品なのである。
ラーメンは典型的な裏マズロー商品だ。だから健康に良いラーメンというのはヒットしない。そもそも健康に悪いのは分りきっているが、あえてギトギトの味の濃いラーメンを思いっきり食べたい!という欲求を満たすことが目的化しているからだ。
味の濃いクセのあるラーメンの店ほど流行るのはそのためだ。健康に良いラーメンを食べるくらいならそもそも食べなければ良いのである。
だからこそ、「完食」といってスープまで一滴残さず飲み干すことがラーメン道における「美味しかった!満足した!」ということの正統的な表現となっているのである。
表マズロー的に考えるとスープを全部飲むと塩分を取りすぎるので残しましょう、ということになるが、そこには明らかに目的手段の連鎖として通常考える以外の強烈な論理(というか欲求)が支配している世界なのだ。だからラーメンはブームになったのだ。
ちなみに乳製品の世界では、アイスクリームもラーメンと全く同じ理屈で典型的な裏マズロー商品である。
あるソニーの役員が、「ソニーは(白物家電中心の松下さんや日立さんと違って)いらないものを創ってきたから成長したのだ。」と語ったといわれている。
これは含蓄のある言葉だと思う。
経営の世界には、「いらないものほど儲かる」という格言もあるようだ。
さて、いったい日本のGDP(国民総生産)を表マズローと裏マズローに分けるとどのくらいの比率になるのか?これはなかなか見当がつかないが、たとえば、百貨店やコンビニの店内を見渡して、表と裏の比率を考えてみると大まかに推測がつくかも知れない。
これを読んでいる皆さんの業界で表マズロー商品を作っている会社と裏マズロー商品を作っている会社を成長性、利益率などの観点から比較してみてはいかがだろうか。
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